3.3 測定に必要な台座の製作
本研究の実験は、構想時点よりその検証設備に関しては出来る限り、工学研究所の設備を利用して行く方針とした。擬似的に車両とホームの段差・隙間を構成するためには測定に必要な台座を作成する必要があり、既存施設を利用した図3-4・3-5の設備を作成することとした。
図3-4 台座全体写真
図3-5 段差隙間部写真
(1)台座製作に当たっての留意点
作成に当たっては以下の点に留意検討して作成するものとした。
(1)必要なデータ収集条件を満たす構造であること(表3-1)
(2)収集条件が容易に且つ迅速に出来ること
(3)装置が実際の使用環境に極力類似すること
(4)実証実験時の安全性が確保できること
表3-1 データの収集条件
各種条件 |
条件となる数値 |
段差可変範囲(mm) |
-20〜+60 |
隙間可変範囲(mm) |
0〜100 |
スペース(mm) |
1,800×1,800(ハンドル型電動車椅子で方向転換が可能なこと) |
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(2)検証の容易さ、迅速さへ配慮
段差・隙間調整に際してはスペーサーを準備し、容易に可変調整を行ない被験者の待機時間を少なくした。
(3)装置類似条件への配慮
ここでは台座の材質をできるだけ現状の電車とホームに合わせたものにする必要もある。そのため、台座の材質については、表3-2に示すような、固体摩擦係数μを配慮し、類似した木製とした。
表3-2 台座の性質と摩擦係数の関係
材質の組み合わせ |
摩擦係数 |
レンガ−レンガ |
0.6〜0.7 |
皮革−金属 |
0.4〜0.6 |
木−木 |
0.5(乾)〜0.2(湿) |
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(4)靴ヅリ部(車両側)
一般的車両に使用されているステンレス構造物を購入し配置した(図3-4・3-5)。(図面1-1・図面1-2)。
図面1-1 段差・隙間試験装置概要図
(拡大画面:62KB) |
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図面1-2 側引戸レール(靴ズリ)
(拡大画面:60KB) |
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(5)安全性の確保
実験を実施するうえでは、転落防護柵、ストッパー等を取り付けた。また、実験当日は人的サポート員を配置することにより実験の安全にも配慮した。
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