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ふれ愛わかさ事業所
 
Q1 お客様の要望について
1. 障碍のある人からの要望は、障碍の程度によって考えが異なっている。程度の差こそあるものの働いて社会の一員として責任を果たすことは皆そうありたいと欲していると思って、出来うる限りの支援策を考えていくことが私たちの使命である。福祉制度の改革と費用負担が、福祉の関係者の意識を変えて障碍のある人の就労雇用に結び付けていくかは、我々の責務と考える。
 
2. 障碍のある人の要望や思いはそれぞれ違うと思います。高齢の利用者が多いこともあり「施設で1日穏やかに過ごせたらいい」という考え方の保護者が多く、いわゆる、施設の中で活動していれば安心との考えがほとんどです。迅速な対応と必要に応じての家庭訪問等、職員が統一した考えで全力投球することが必要だと思います。
 
3. 保護者より親がいなくなった後の心配が大きく、グループホーム等の設置の要望があります。今利用されている方々の状況を見ると早々に施設を作って頂き、生活面を確保し安心できることが望ましいと思います。
 
4. 要望に対して、できる限りお応えしたいとおもっています。しかし、全てのご要望どおりにお応えできないのが現状です。中には要望ではなく欲望と思われる人もいますが、職員としての自覚と責任のもと、対処できる事柄は精一杯のお応えをしたいと常に考えています。
 
5. 障碍のある方の要望は、誰もが願うことと変わりないと思います。
 一人暮らしをしたい、結婚したい、住み慣れた土地で家族と暮らしたい。障碍が無くても、人間関係が苦手であったり、生きがいを見出せずにいる人もたくさんいて、本当に心も身体も健康でいきいきと暮らしている人はどれだけか。家庭を築き、人と関わりあって生活していく事は、いろんな障壁を超えていく事だと思います。関わる人のことを一緒に生きていく仲間だと思い、助けられ、助けていける人になりたいと思います。
 
6. 自動車学校に通い始めた社員がいます。仕事をしながら夜間学校に通う大変ハードな生活です。しかし、目標を持って一生懸命挑戦しているその社員を見ると頑張ってほしいと心から思います。
 社員のために、職員は何ができるのか? できる限り本人の要望を尊重し、いきいきと暮らし、働ける場を作っていきたいと思います。日常生活のどんな些細な要望でも受け止められる職員になりたいと思います。
 
7.(1)常に、お客様や相手の方の気持ちになって考え行動する。
(2)利用者や家族、様々な支援者があって、今の自分たちがあるということを認識する。人に必要とされ、支援を求められることに感謝して取り組む。
(3)利用者や家族、また地域のニーズを鋭敏に把握して行動する。
 時代や社会情勢が変わっても基本的なことは変わらないことを認識し実行する。
(4)利用者ひとりひとりの「夢や希望」そして「可能性」を追求する。
 
8. 私たちの仕事の目的は、障碍を持たれた方の要望をかなえることだと思います。地域での生活プランを立てる際に、ご本人が「どういう暮らしをしたいか」を最優先、その方が意思表示が困難な場合はケアマネジメントの手法等により、過去や現在の状況、能力、環境、周囲の方の意見等から要望(ニーズ)を整理する必要があります。そのため、職員はケアマネジメントの手法を学ぶ必要があると思います。また、保護者のなかには、「うちの子は無理です。」「あの方は障碍が軽いから。」の思いを持つ方がたくさんいらっしゃいます。これは、「あたりまえの生活ができる」支援ができていない私たちの責任だと思います。身近なところで、同じような障碍を持たれた方がいきいきと生活している姿を見て、「あんなふうに暮らしたい」と思っていただけるようにしていきたい。そのためには、ひとつひとつの要望に丁寧にお応えしていきたいと思います。
 
9. 障碍のある方からの要望はすべて受け入れなければならないのが、私たちに与えられた仕事だと思います。「ちょっと待ってね」という言葉は一番嫌いで、この言葉が出ないように常に気をつけて接しています。
 私は、まず自分を磨こうと決心し、過酷な6ヶ月「雨にも負けず、風にも負けず、大雪にも負けず」ただひたすら努力しています。自立支援法により、障碍者の方が本当に生活を豊かにしていけるでしょうか。介護保険が始まり、高齢者の方が本当に楽しく、有意義に日々を過ごされているのでしょうか、疑問に思います。三障碍の方が今後書類攻めにならないようにことが運ばれるようになってほしいです。
 
10. この仕事に就いて4年目、利用者・家族それぞれに強い願いや希望、夢があることを感じている。
 デイサービスでは重度の障碍を持たれる方が多く利用されているが、身体的な介助を必要とされる方もいれば1日1日の生きがいを求めて来られている方など様々なニーズがある。それに関わっている自分たちの存在も大きいものだが、その中で自分はどれだけニーズに応えられているか、ただ平凡に過ぎてしまう日々になってはいないか、常に今何をしなければいけないか、何を求められているかを考え、周囲の状況を把握し行動できるようになりたいと思う。
 
11. ナイスプラザ若狭障碍デイでは、できるだけ多くの地域へ出て色々な体験活動をしたところ、利用者から「もっと所外活動がしたい。」と嬉しい言葉があった。周りに迷惑をかけてしまうから、外になかなか出られない、バリアフリー化されていないところには行けない。私のやるべきことは、不自由な部分を少しでも取り除く努力であると思っている。また、地域や施設などの環境や雰囲気もそうなっていって欲しいと思う。
 
12. 障碍のある方のご要望に柔軟に対応したいと思っている。Cネットふくいは、そんな要望に応えられるマルチな法人であるべきだと思う。障碍のある方が困ったときには、まず「Cネットふくい」に相談してみようといわれる法人になるように努力したい。
 
13. 要望のすべてを聞き実行していくのは難しい。全部を全部聞き受け入れるのではなく、少しでも「親亡きあと」を頭におき対応していけるようにしたい。
 
14. 知的に障碍をもつ方から、支援者に対して具体的に「こういう支援をしてほしい」と要望を聞くことは難しい。しかし向き合って話すと、「ぼくは結婚がしたい」「ドライブにいってみたい」など、ごくあたりまえの自分の生活を希望しておられる。支援者が「障碍をもつ方の生活」は「こうあるべき」の思いが先行してしまってはいないか。福祉は独善であってはならない。まず、サービスを受けるご本人の希望をよく聞くこと。しかし希望はご本人にとっても不鮮明な場合は少なくない。鮮明になるまで、よく向き合い「こんなことは無理だ」という偏見をもつことなく真摯に話をきくこと、話が難しい方ならば、その方の「安心」がどこにあるか、その態度に目と耳を真摯に傾けること。以上、新年を迎え、生活支援の留意事項として再度振り返った。
 
Q2 改善したいことについて
1. C・ネットふくいの職員は仕事に対する熱意は強いものがあり、頑張っている。しかし、企画力に関して非常に弱いと感じております。このことは「経験が浅い事」が第一の原因として挙げられるが、知っている者への「質問も少ない」と感じられる。
 これらを高めるためには、先進地等全国の意欲ある実施主体へ訓練等の研修として送り込むことや、一人ひとりで企画や開発できる事柄について責任を持って実施する機会を増やし、自分自身を高めるための多くの接点を作り出すことが必要と感じています。
 
2. 授産工賃、法人の目標は月額30,000円、当施設は平均15,000円。地域に携わることができる作業開拓を目指し工賃の改善をしたい。
 
3. 一般企業内での実習を始めたが、その中での問題点(施設内での作業との相違点、コミュニケーションの問題等)が一目でわかる様な記録の方法、様式について改善したい。また、アセスメントの方法や、浮かび上がった問題点に対する支援の方法について、C・ネットで企業内実習を先駆けてやっておられる施設や、就労支援研修等を参考に改善していきたい。
 
4. 体力作りで、雨のときは室内での体操になります。その体操メニューは変動がありません。このため「いつも体操ですね」と言われました。狭い場所に適した新しい活動内容を考えていきたい。また、作業場内は様々な商品などを一時的に保管しなくてはならないため、徐々にスペースがなくなりつつあり、訓練生の怪我がないよう改善したいと考えています。
 
5. 食品加工が丸岡事業所のようにクックチルシステムを導入し、社員の仕事の幅を広げたい。
 
6.(1)仕事に対する「慣れと過信」、自己管理の「甘さ」を取り除く。
(2)「報・連・相」の徹底を業務の基本を共有化し、多機能で横断的な支援チームに移行する。
(3)現場主義を徹底し、現場(利用者支援場面)で1つ1つ問題解決と改善活動に取り組む。
(4)支援を続ける上で必要となる判断基準や価値観をチーム内で標準化する。
(5)職員相互が足りない部分を指摘、補完し、学び合える環境をつくる。
 
7. 相談事業にもっと積極的な取り組みをしなければならないと思います。相談が来るのを待つのでは行政と変わらない。こちらからいろいろな機関や障碍を持っている方が集まる場所に積極的に出向かなければならないと思います。自立支援法が施行されると相談支援事業は市町村の事業になるため、行政ではできないことをして、委託を受けていかなければいけないと思います。
 
8. 若い職員は、いろいろな職場で体験する必要があると思います。新鮮な頭でたくさん吸収して未来を背負ってほしいからです。
 事務と現場を兼ねることが多い職場だと思いますが、別ものにすれば蜜の濃い指導が出来るのではないでしょうか。
 
9. 日中活動の送迎が終わってから事務仕事に入るため、日々時間に追われている。その為、利用者に対する支援が不十分になってしまっている。事務の効率化と職員体制の見直しが必要ではないか。
 
10. 日中活動の現場の進行やルーチンワークに追われがちで、どうしても利用者1人1人の小さな気持ちまで行きとどかず、個別の支援がおろそかになってしまう所がある。事務作業の効率化と軽減、日中活動での支援体制の強化が必要である。
 
11. 福祉工場で働く社員や授産施設の訓練生は、目の前の仕事に一生懸命で、自分たちの「老後」について深く考えたことはない気がする。そこで、知的障害者施設の中にある介護保険事業所として彼らの老後についてアドバイスできるような施設にしていきたい。
 
12. 今のサービス提供の状態で利用者の方に満足なサービスが提供できているか?と考えると全員が「はい」とは答えられないと思う。活動中もお風呂の介助に抜けたり、トイレ介助に抜けたりするとメインの活動場所に職員が足りないと感じるときがある。とりあえず一日をギリギリまわしているような気がする。もっと集中的な個別の支援が必要だと思う。しかし10人ほど利用者がいてそれを一人や二人の職員で密な支援していくのは厳しいものがある。それを改善していくには、何度も言われているように縦のつながりを横のつながりに変えていかなくてはいけないと思う。すべての職員が利用者を把握し、部門を越えて職員が対応できるようになればと感じる。
 
13. 事務処理の方法。日常業務の円滑化。寮生が所属する日中施設との連携の強化については職員個人として、力を付けなければならないと考えている。そして、寮生と将来(短期、中期、長期)どのような生活を目ざすのかを共に考えながら、寮生の生活と自分の支援のあり方を改善していきたい。


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