今立事業所
Q1 お客様の要望について
1. 私の役職は「マネージャー」ととれるが大した資格などなく、職員の管理などできていない。また利用者の目的に沿った支援もできていないため「支援員」と呼ぶにも相応しくないように思える。そして専門的な支援ができていない私は「ジョブコーチ」とも言えず、何処にも当てはめることができない存在である。
丹南では作業場の中で一緒に体を動かしてきたため、今よりも利用者一人一人についてあれこれと考えて行動することができた。しかし今立に来てから直接担当の利用者もなくなり作業に関わることが減ってしまった。
以前、言語障害のある社員と作業をする機会があり、最初は彼女の言うことが聞き取れなかった。しかし数ヶ月同じ空間で作業をすることによって、彼女の言いたいことが理解できるようになった。だが配置転換により接する機会が減ったためであろう、彼女の伝えようとすることが私には理解できなくなってしまった。また彼女の方も私に伝えようとする熱意が冷めてしまったように感じた。
だから施設長は全体を把握するためであっても、利用者のいる現場をおろそかにすれば全体が見えてこないし、利用者主体の施設運営もできない。初心に帰り現場にも身を置き、一緒に汗を流す。管理者であるとともにいつでも選手として動ける、そんなプレーイングマネージャーの職員でありたい。
2. 福祉工場や一般の会社で働きたい、たくさん給料をもらいたい、あるいは自分らしく生き生きと過ごしたいなどという様々な要望に応えるために、私たち職員は、利用者の持っている能力を引き出すための手助けや工夫をしながら共に挑戦しています。常に日常の仕事に足りないところを考え、それを補うために努力しているかを振り返り、前向きに自分を見つめて自分の不足している資質を高めるための自分自身の挑戦も必要です。さらに、いろいろなことにも柔軟に対応できる頭の切り替えも重要です。
3. 障碍を持つ方のニーズを聞くと、はっきりとした目的を持っている方の少ないことか。それが現場にいて目の当たりにする実態である。「とりあえず」施設に通えればいい。年金が生活の基盤。納税者には不愉快極まりないことだ。当法人の理念は、障碍を持つ方が保障を受けるだけではなく社会に貢献することを目的とする。社会参加の形として就労は基本的なことであり、働くための意欲を引き出すことは我々の大切な仕事の一つだと考える。
4. 今立は平均40歳、他の職場に移動したい、という人が少なく、生活面で介護を要する人が多い。一人一人の支援内容を把握し、みんなが同じ目標を持って接しなければいけないのではないかと思います。
Q2 改善したいことについて
1. 工賃が下がったことを不安に感じる利用者がいた。年度末に授産事業会計の残金を残せないため、年度末に調整金として工賃に上乗せして分配しているので、4月の工賃が低くなる。これに加え翌年4月分は前年度消費税未払い金を当年度に支払うため、時給を低く設定しなくてはならない。このように下期より上期の工賃が低くなる要因が2つある。毎年このようになることは利用者だけでなく事業運営のためにも前年度の残金と消費税分を当年度に持ち越せないものだろうか。
2. 事業所によって職員の考え方、仕事に対する姿勢が異なる。異動により改めることができるが、年齢が増すと異動は難しい。また能力があっても同じ事業所に長くいると業務がパターン化され力を発揮する機会が減ってしまう。特定職員は異動が全くなく、自施設以外を全く知らないといったこともおきている。
そこで中安協など法人内会議や法人内外の研修(総合職員研修除く)にはいつも決まった職員が出席するのでなく、全ての職員が年に1回は会議もしくは研修に出席するようにしたい。或いは今年度実施した「企業体験実習」のように、法人内他施設で体験実習し、他施設の事業や活動、工夫を知って自分のものにしてもらいたい。
3. 低い工賃のままで訓練を続けることはモチベーションの低下につながる。最終目的は就労だが、能力に合わせた適正な工賃アップを実現することで就労への意欲を高める。そのためにはさらなる授産収入のアップが絶対条件であり、新規作業の開拓、生産性の向上を思考する必要がある。また重度の方が就労することは他の利用者にもいい影響を与える。重度の方の就労に向けたプログラム、援助技術の向上も必要だと考える。
4. 今立には、「福祉の森」がなく(高いから仕方ないのかもしれませんが)現場を2、3時間空けて行くのは気がひけるし、少しの作業でも、時間が倍以上かかってしまうので、取り入れて欲しい。
5. 私は特定職員として職員さんのお手伝いができればと思いましたが、現在は職員さんとなんら変わらない内容で残業も多々あります。パンの販売に行き訓練生の賃金をあげるため一生懸命になったところで自分の賃金が上がることがないのでとても矛盾している。
6. 地区販売で中に入ってもらっているが外の軒下で靴を脱がないで売れる所を作ったらと思います。【クリエート今立の敷地内】
Q3 Cネットふくいの方向性について
(1)法人の「将来について」
(1)期待
1. Cネットは次から次へと事業や施設を興し先進的なイメージが強い。
(2)希望
1. 最先端の技術は一般企業を大きく出し抜くことができる最大の武器となる。それも根拠無き流行物ではなく、科学的に裏付けられたものを。現在では光触媒やエコ製品といったものが主流だろうか。専門技術を持ったプロジェクトチームを立ち上げ新規商品開発の促進を行ってほしい。
2. 福祉事業は将来のある事業と思います。これから団塊の世代が大量に退職される時代になり退職した方のその道の技術を持った方に来てもらい技術を習得できるといいのではと思います。
(3)不安
1. 今年度より取り入れられたセンター方式は自分が所属しているセンター以外の効果が見た目に分かりにくい。また、各事業に施設長を飛び越えてセンターから指示が来るなど、この組織体制がよいのかどうか不安に感じる。
(4)失望
1. Cネット頒布会について、毎年意見を書き記す機会に在り方を問うている。値段の設定、商品の内容、販売対象等検討すべきことは多い。不完全な事業が世の中に出ることは法人の恥を晒す事だと考える。事業のチェック体制と責任の所在を明らかに。それは執行役員においても同様であると心得るべき。
(2)事業の「取り組みについて」
(1)提案
1. 受注減を好機と捉えまだ食品加工課のない施設は食品加工ヘの業種転換と拡大化を考え、
(1)Cネットの米を使った米粉パンを製品化。今立でも米粉パンを2事業所が開始し、販売先で「米粉パンですか?」と聞かれることもあり顧客の要望に答えたい。武生での生地製造が困難なら坂井で作った冷生地を武生で焼成してもいい。ただし粉製造には機械整備に費用がかかり、技術指導も必要。
(2)担い手が少ないのは農業だけでなく、漁業にも言え、障碍者でもできることはないか。
(3)施設利用契約書と施設サービスの実態とではそぐわないところがあった。新法に合わせた契約書・重要事項説明書の内容を変更しなくてはならない。これを期に修正が必要で、各施設からの意見を聞くために打合せの場が必要。
(2)期待
1. 障碍者の方を地域の中で支えるということで、自宅におられる方への支援(訪問)が出来ないか。(様々な障碍の方がおられるので出来る対応から)
(3)不安
1. 4月に新法スタートを控え、利用者・保護者に対する説明がされていないため、混乱がないのだろうか。直ぐに具体的変更内容を示す必要がある。施設利用料の他に心配なのが送迎車利用料。もし実費になると遠方から通う利用者は負担が大きく、近い施設を希望する。利用者人員に変動があれば、予算進捗にも大きく影響してしまう。
(3)その他(ご自由に)
1. Cネットでは障害者の「害」という字をいち早く「碍」に置き換えた。しかし今この「碍」の字にも疑問を感じる。それは全重協セミナーに参加させて頂いた時の丸山教授の講義で、「碍」の字にも「さまたげ・じゃま」などの意味があるため、介護保険にならって「要支援者」としたらどうか、との意見があった。確かに今となっては「しょうがいしゃ」の言葉にはどの漢字も相応しくないように思う。
2. 時折このような課題に取り組むことは、つらく厳しいことでありますが、忙しさに負けて日々の業務に流されてしまい、その中でただ漠然と考えていたりすることを、自分の思いとして明確に定着させる機会になります。
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