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福井事業所
 
Q1 お客様の要望について
1. 人間は「厳しい場(人)」と「甘い(やさしい)場(人)」があれば後者を選んでしまう。私はこの仕事に就いて福井、丸岡、美山の利用者と接する機会を得て、時には厳しく接することもあった。その際、厳しさを受け止める力が弱いと感じたことは、学校を出たばかりで始めての社会経験者でなく、ある程度の社会経験してきた者でも「甘え」や「弱さ」の強い者が居る。家庭や学校など周囲と共同で自立に向けた厳しさを教えていかなければならないと思う。
 
2. ある訓練生に、「私よりあとに入ってきた人がなんで、先に実習に行けるのですか。」と、聞かれた。その時は、どういう風に言えばよいのか迷いましたが、「実習の順番は入ってきた順番ではなく、毎日の作業を頑張っている人が行けるんだよ。」と言ったことがあります。その子は「ふ〜ん、そうなの。」と言って立ち去りました。その方は就労したい気持ちはあるのですが、病欠(発作や風邪、たまにさぼることも)で休むことが多いので、本人には、「まず休まず毎日来れること、体調管理をしっかりすること」と言っています。実習に行かせたい気持ちはありますが、本人のやる気が出るまではもう少し時間がかかりそうなので、様子をみていきたいと思っています。
 
3. 利用者の平均年齢が若く、福祉工場への就労希望もたくさんいる。これらの人が、希望通りに就労できるように支援していきたい。
 現在利用者3人と企業に作業に行ってます。行き帰りの車の乗り降りで我先に乗車する。重い物を運ぶときにどこを持って良いかわからないなど作業以前の体験が少ないと思われる。就労した後に役立つ経験が積めるようにしていきたい。
 
4. 利用者が持っておられる期待、又保護者の方が想っておられるニーズ、第三者として客観的に見る職員、この三つの輪が連携し求めているサービスを的確に把握し、利用者の希望や夢を育てることを応援したり、悩み、問題、不安を一緒になって考え、つねに障碍者と共に生きているんだと認識し支援していかなければならないと考えます。
 
5. スリーエス丸岡を立ち上げるにあたり、各施設から実習生を20数名受け入れ環境と指導者が変わり十分な対応が出来なくて、途中で中止になった方もいました。何とか再度の挑戦をと話し合いましたが、今の慣れた職場が良いとか、福祉工場に行かなくても良いと思っている保護者もおられた。職員の実習生に対する指導と対応の未熟さが、出てしまった結果でした。これを機に指導面・一人ひとりに対する細かな対応など学ぶべき要素がはっきりしました。
 
6. ネット友の会では、職員や関連の業者にお願いし、少しでも加入数を増やす事を行なってきましたが、保護者の方が加入してもらえないこと(3度のお願いを行なった)が、600名に達しない要因の一つだと思います。職員と保護者が2件づつ加入をすると、900件を超えると思います。熱心でない事が残念です。
 
7. 本人の要望には、(1)自分で料理ができる(2)自活していけるようになる、等があり、その都度改善してきました。作業効率がはかられる要望ならば、即座に対応が必要だと思います。自分のことしか考えず、無理な要望もあるが、「ダメです。できません。」だけではなく、相手が理解できるよう説明していきたい。
 
8. 福祉工場で働き始め、約1年が経とうとしていますが、ともに働いている社員の方々の本音を聞けていないのが正直なところです。自分のできる範囲で、コミュニケーションをとってはいるつもりですが、「仕事楽しい?食堂でずっと働きたい?」と問いかければ「はい楽しいです」との返答があるだけで、社員の方々からの「声」が聞けません。周りが問いかければ返答がありますが、相手からの素直な気持ちが聞けていなく残念でなりません。デイから授産へ、授産から福祉工場へ、福祉工場から一般企業へ・・・という思いは、私たち職員の思いが先行しているような気がします。本当に本人が望んでいるのであろうかと不安に思います。
 これから働いていく上で、本人からの「声」が聞けるような雰囲気作りを大切にしていきたいと考えます。周りの職員と連携を密にし、社員・訓練生・利用者一人一人の長所を伸ばしていけたらと思います。
 
9.1. 通勤寮、グループホーム寮生の希望や要望
(1)就労面では・・・福祉工場や民間企業に勤めたい、いろいろな仕事を体験したい、いろんな技術を身につけたい等々
(2)生活面では・・・地域に出てくらしたい、グループホームで生活したい、アパートでくらしたい、友達と旅行したい、色々な友達がほしい、結婚したい、お金を貯めていろんなものを揃えたい、いろんな人と話がしたい、話を聴いてほしい等々
 
2. 期入所利用者および家族の希望や要望
 いろいろなことを身につけたい、つけてほしい、ゆくゆくは通勤寮・グループホームを希望したい、クリエートや福祉工場で働きたい、働いてほしい等々
 しかしどうしても就労が困難な人や地域で独立した生活が困難な場合の親なき後の支援が重要な課題となっています。
 
3. これらの希望や要望を受けて・・・私の思い
(1)1人でも多くの方の自立(親離れ、家離れ、地域での生活)をめざす。
(2)すべての実現は困難でも少しずつ本人の能力を引き出すことで可能に近づける。
(3)自分のペースではなく相手のペースであること
(4)稼げる人にはどんどん稼いでもらう
(5)落ち着ける人間づくり、環境づくりを進めること
(6)グループホームの開設、アパートの確保
(7)通勤寮の有効活用(制度期限ぎりぎりまで)
(8)就労先の開拓
(9)在宅生活者への安心提案(親なき後の安心できる生活環境づくり)ができること
 これらの希望を実現するために常に相手に学びそれらを生かすこと。
 
10. 寮生のためになる要望は、できるだけ聞いて実現にむけてよりよい支援をしていきたい。そのためにも、寮生とのコミュニケーションなどを充実させ、いろんなことを見て、聞いて、そこから次に結びつくようなアドバイスや支援をしていけたらと思う。


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