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(2)事業の「取り組みについて」
(1)提案
1. 事業を計画する段階では当然採算のとれるように設計しスタートするが、ランニングの段階でこける。デイ、寮、授産、福祉工場、どの部門をとってもコスト意識が極めて希薄の人が多いためである。ここのところを底上げしないと折角のプランがしょぼしょぼとなってしまう。いい食材はいいシェフに渡さないとかわいそう。はやく育てなくっちゃ・・・と思う。
 
2. 労働大臣認可のジョブコーチ養成講座を行いたい。今年度就労支援研修を行い、「資格はもらえるのか。」という質問が多かった。せっかく、法人で出来るようになったチャンスを生かせたいと思います。
 
3. 各グループに法人全体の職員を所属してもらいましたが、自分が所属しているグループ以外の活動がQCだけでは分からなかったと思います。定期的に活動内容が分かる様に、グループ内での意見交換なども定期的にあると良いと思います。
 
4. ネット販売を展開していくのに、一つ一つの商品にかかるコスト(人件費・諸経費)の拾い出しが、各事業所においてバラバラです。今後、商品のイメージも統一させて、一つのブランドとして広く展開していきたい。
 
5. 事業の提案はどこでどんなことをしているのか、わかるようにしたほうがいいと思う。
 
6. 若い人から、一生続ける仕事じゃないですね。理由は、給料が安いから、「結婚もできませんし家なんてとても持てません」と言われました。家が資産家だといった環境に恵まれた人ならともかく、サラリーだけでやっていこうとすれば厳しい業界だとおもう。若者が、一生を賭けても惜しくない、と言切れる業界にして行かなければ、と思う。
 
7. 加工品受注と工賃低下の現在、自主製造品販売は自然の流れではあるが営業人員の充実が最優先課題である。
 
8. 乳幼児からの支援。母親、家族支援、地域のネットワークつくりなど幅の広い支援を広げる。
 
9. 街角の遊休資産を活用し、障碍を持つ人が共同で運営するめん処を開設。店内には各事業所の販売スペースも設置し、高齢者も寛げるサロン風店舗とする。
 
10. スリーエス福井、若狭の門松は年々受注を伸ばし、「Cネットの門松」というブランドの確立につながると思われる。
 
(2)期待
1. 各事業所で行なっている新規事業が、軌道に乗る事を期待しています。また今まで行なっている各事業所独自の事業も、もっと発展する事を期待しています。
 
2. 全職員が損益分岐を意識して仕事ができるようになることを期待します。
 
(3)不安
1. 社員の方が年をとっていくと、段々できる仕事が限られてしまうこと。
 
2. どの事業においても、コスト、流通販売の意識が薄いことが不安に思います。
 
3. 新規事業が途中で挫折しないか、不安です。お客のニーズに合わなければ駄目になりますので、この心配が杞憂になればと思います。
 
4. 上でやっている事業展開が現場まで下りてこない、伝わらない。結果報告が多いことの不安。
 
5. ディサービスの運営を同時に行っていくことにより、「僕、昼から働きたくないからディへ行って、健康の森へお風呂行くわ」といった状況も可能になると、就業や就労に特化している現状が「僕も、私も」と就業意識が崩れてしまう不安。
 
(3)その他(ご自由に)
1. 「働くところをつくろう」と開設されたこの施設。最初はCP金津と梅ノ木からの人達が主であった。ここ数年、最初の頃の3〜4年をよく振り返る。みんなよく働いた。もちろん作業を教えるには少々戸惑ったし難儀したが・・・特に金津から来た人達にはびっくりした(もちろん全員ではないが・・・)。なにが?? 働く事を教える必要がなかった。働きに来ていた。今の人は何故?? 何が違う?? 折に触れ、職員に話す、働く楽しさ、喜び、働けない辛さを教えてやって欲しいと。そのまえに職員かな???
 
2. 作業服の統一について、なぜ事前に職員等に意見を聞かないのだろうか?と思った。作業服を全員分買うには、費用がかかるはず。もっと職員の意見などを聞いてからにすれば、出費も抑えられたのではないか?お金がない、と言うが、使い方次第なのでは?と思うことが多い。
 
3. たとえ授産で重度者が多いと言っても、仕事は仕事として、パートや他の健常者と同じレベルでの製品加工を求められる。そこに福祉だからといって、単価を安くしたり、製品、商品を安売りしたりするのは間違っている。
 生産コストにも、利用者、職員などすべてを入れて計算しなければ意味がない。
 利用者に支払う分だけ稼げればいい、さらに職員の給料は補助金から出るからコストに入れていないなど。また、製品加工においても、作業単価は基本的に一般の平均にあわせる事が最低ラインだと思う。どうしても加工単価を下げないといけない事もあるが、誰がやっても質の高い製品を求められるのであれば、それなりの加工単価をもらえるよう、業者と交渉する必要がある。その上で、作業能力が不足しているのであれば、2人でして一人分の作業をする。それに関しての工賃は半分。この様なコスト意識がないと、施設は【単価が安いのが売り】というイメージからいつまでも脱却できずに、平気で健常者がしても時給が200円や300円の作業を利用者にさせ、それを数人で作業するため、一人当たり時給が100+α円ぐらいしか渡せない。すると、一ヶ月の工賃が2万〜3万と言った状態になる。といった事がわかっているのかが不安です。確かに、自分のところもまともな加工単価はもらっていないのですが、常にそれに近付くように、関わりのある業者などへは交渉しています。
 現状は、このようなことを受注先へ強く言えば、他の施設へ持っていってしまう。原点はそこにあり、福祉業界全体で【作業施設】というところは給料(工賃)は安くてかまわないので、加工単価も安くするから仕事をください、どうせたいした仕事が出来ないから、という意識があることを、疑問に思う。
 また、受注加工で安い工賃の枠から抜け出し、自社製品を盛り上げていくといいが、それにおいても、まず自社製品にかかる全コストの意識、表示等の正当性を確立させる必要がある。卸値の設定などにおいても、当法人の製品は非常に高い。これでは、業界には乗り込んでいけないと思う。自分が所属しているところもできていないと思うので、少しでも発信基地となれるよう、改善提案していきたい。
 
4. やる気のない職員が目に付く。自分がと前に出るつもりで言っているわけではないが、事業所ですぐ改善しないといけない事が出ても、すぐ取り掛かっている人を横目に平気で帰っていく上司。コストや原価、販売戦略等を説明しても理解、イメージのわかない上司がいると、前に進めない。ダメならダメな理由や、説明が欲しい。給与や評価に関しても、周りからあきらかに評判が悪い人が高い給与をもらっている事も気になる。自分がもっと上だとおごっているわけではないが、職員としてそれでいいのかという人もいます。自分は「どうしてあの人があんなに給与をもらっているんだ」「どうして自分の上司なんだ?」と言われない様、日々努力をしたい。
 
5. 職員としての質を少しでも向上させる為に、4月から通信で資格を取得する勉強しています。勉強する事で少しでも、利用者や事業所の役に立てればと思っています。
 
6. EC課専属の職員が必要です。現在、一人だけなので、最低でももう一人必要です。(カタログ販売・イベント商品企画などの作業があるため、楽天ショップの売上向上に向けて、販売戦略を練っている時間がなかなか持てないからです。)
 
7. 現在の事業が、職員から、障碍のある人たちが主体となって行なうようにしたい。
 
8. この業界へ入って約2年。その間、知人、友人から今どこへ勤めているの、と何度も訊かれました。・・・こういうところで今働いているんだ、と答えると、10人に7、8人の割合で「気楽でいいでしょう」という言葉が返ってきました。私は、この「気楽でいいでしょう」という言葉に大変抵抗を感じています。健常者が相手なら、仕事でヘマやらかすとどんなツッコミされるかわからないけど障害者相手ならそういうこともないでしょう。だから気楽なんだ。多分そういう発想だと思います。知的障害者の施設は特にそう思われているのでしょうか。老人ホームで働いている知人の話を聞くと、色々大変なようですが。「気楽でいいでしょう」といわれないようにする為にはどうしたらいいのか、考えているところです。
 
9. 特定職員の特定の仕事とは何ですか?今任されている仕事は一般職員となんら変わりません。責任もあります。
 
10. 縦割りではなく横断的な法人組織を、今年から始めましたがもっと多くの組織や繋がりを持って、まとめて新しい事業や商品を生み出すようにするため、職員同士の研究や交流の機会を多くする仕掛けがほしい。
 
11. 若い職員採用の2、3年後くらいに、法人の支援員としての再教育とレベルアップのための、フォロー研修をしてはどうかと思います。
 
12. 「福祉」という言葉に甘えているものが多くいるように感じられます。
 支援費・補助金・助成金という名目は様々ありますが、職員の仕事には関係がないこと。福祉工場で働く職員は、一般企業の従業員となんら違うことなく、働く者の給与は自分たちで稼ぐものだと思っています。項目に不安、失望は余計だと思います。失望した人は辞職すればいいことです。
 
13. 育児をしながら仕事をする事が、こんなに大変なものだとは思いませんでした。6月に復帰したものの、会社には迷惑をかけています。しかし、上司や現場職員のご配慮でなんとか仕事を続けさせていただいております。時間が限られているので、その分精一杯仕事をするよう心がけています。このような立場で申し上げるのは心苦しいのですが、Cネットの未来のため、一つだけ言わせていただきます。
 (疑問)パートと正職員の区別、仕事内容の線引きはあるのか?ここ数年見ていると、全般に職員よりパートの労力の方が大きく感じる。職員は正職員という自覚を持って給料に見合った働きをし、パートに手本を示してほしい。
 
14. 「福祉施設も企業的感覚で仕事に当たれ」と育てられ、突っ走ってきましたが、いつも疑問を抱えてきました。当法人では「やる人」「普通の人」「やらない人」の待遇があやふやだと思う。例えば、友の会や軍手、その他商品の販売にしても、明確な個人ノルマがなく、「売っても褒賞なし」「売らなくても罰則なし」のおっぱっパー状態であるため売上不振なのではないでしょうか。いくら生産現場でよい商品を作っても売れないのでは意味がありません。「1人1人がセールスマンの気持ちで」と言われても「達成者」「未達成者」の区分けがなければ「はい、はい」で終わってしまうのではないでしようか。
 普段の仕事でも同じである。年度初めに各担当者が立てる目標は「お飾り」ではない。「仕事がないからどうしよう」ではなく「仕事がなくなったらどうしよう」と常に考えていればある程度は対応できるのではないか?売る物は何でもある。「パン」「軍手」「菓子」「餅」「米」等など。仕事も何でもある「草取り」「御掃除」「ビラ配り」等など・・・。「担当している社員全員が10年間切れることがない仕事をとってこなくちゃ」と難しく考えずに一歩外に踏み出せば無限の可能性を秘めたフィールドがある。各施設現場でも机の前から離れない人も多いようですが、「ご近所を御用聞きされてみてはいかがでしょうか。」と言いたくなる時があります。
 民間企業であれば完全成果主義なので、プラスαがついてきます。当法人においてもなにかしらで、明確なラインや評価基準を提示し、実行しないと必死にやっている人たちのモチベーションを下げてしまい、のんきな人たちを増長させる事に繋がるのではないでしょうか。


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