8・2 各ユニットごとの点検と保守整備
本節の以下の各項については、装備艤装工事編に詳しく述べられているのでこれを参照されたい。なお、以下の各項目には、装備艤装工事編の該当項目番号のみを記入する。
8・2・1 空中線部・・・装備艤装工事編の第4章4・3節を参照のこと。
8・2・2 導波管と同軸管・・・〃 〃 4・4節 〃
・・・〃 〃 4・8節 〃
8・2・7 航海用レーダーの効力試験(機能及び動作試験)
・・・〃 〃 4・9節 〃
8・2・8 電子プロッティング装置・自動物標追跡装置及び自動物標追跡装置
・・・〃 〃 4・10節 〃
8・3・1 マグネトロンの交換(2ユニットタイプ例)
(1)空中線部のカバーを外す。
(2)RF部を空中線部に固定しているボルトを外す。
(3)RF部の接続ケーブルを外す。
(4)空中線部からRF部を取り外す。
(5)マグネトロンから出ているケーブルをRF部から外す。
(6)非磁性体の工具でマグネトロンをRF部から外す。
(7)新しいマグネトロンを取り付ける。(図8・1参照)
(8)RF部を空中線部に取り付け、接続ケーブルを接続する。
(9)RF部を固定ボルトで空中線部に固定する。
(10)空中線部のカバーを元に戻す。
図8・1
注意
1. 空中線部や送受信部の保守、点検中に電源を入れられると人命にかかわる重大な危険があるので、本船配電盤のレーダーの電源スイッチとレーダ表示器の電源スイッチを断(OFF)にして、表示器操作パネルと空中線マスト下部に〔作業中〕という注意表示をすること。できる限りスキャナモーターのヒューズを抜く等の安全対策を処置しておくこと。
2. マグネトロンは強力な磁石が付いているので、帯磁を嫌うものを近づけないこと。
3. マグネトロンを落下させないように確実に保持すること。
4. マグネトロンの交換は、できるだけステンレス製工具を使用すること。鉄製工具はマグネトロンの減磁の原因となる。
5. マグネトロンを交換してから、初めてレーダーを動作させるときは、電源スイッチをONにし、ST-BY/TXスイッチを押して画面上に〔準備〕の表示がある状態で、予熱時間を30分とってから、再度ST-BY/TXスイッチを押し動作させること。
長時間保管したマグネトロンを使用する場合は、予熱時間は少なくとも30分以上とること。
8・3・2 MIC(マイクロ波集積回路)の交換(2ユニットの例)
(1)空中線部のカバーを外す。
(2)RF部を空中線部に固定しているボルトを外す。
(3)RF部の接続ケーブルを外す。
(4)空中線部からRF部を外す。
(5)RF部のMICを外す。(図8・2参照)
(6)新しいMICをRF部に取り付ける。
(7)RF部を空中線部に取り付け、接続ケーブルを接続する。
(8)RF部を固定するボルトで空中線部に取り付ける。
(9)空中線部のカバーを元に戻す。
図8・2
注意
1. 空中線部や送受信部の保守・点検中に電源を入れられると人命にかかわる重大な危険があるので、本船配電盤のレーダーの電源スイッチとレーダー表示器の電源スイッチを断(OFF)にして、表示器操作パネルと空中線マスト下部に〔作業中〕という注意表示をすること。できる限りスキャナモーターのヒューズを抜く等の安全対策を処置しておくこと。
2. MICを交換するときは、他のレーダー波がMICに入り込まない室内で作業すること。
3. スキャナーカバーを閉める際は、ソケットレンチ/スパナを使用してボルトが動かなくなるまで閉めること。きつく閉めないとスキャナ部に水が入ってしまい故障の原因となる。
(1)表示器のカバーを取り外す。(図8・3参照)
(2)CRT周辺のカバーを外す。
(3)アノードキャップを外して、アースに接触させて放電させる。
(4)表示器正面のカバーを外す。
(5)CRTの先端のソケットを外す。
(6)CRTを止めているねじを外して、CRTを表示器から外す。
(7)CRT制御基板を外す。
(8)新しいCRTとCRT制御基板を取り付ける。
図8・3
(9)CRT周辺のカバーを元に戻す。
(10)表示器のカバーを元に戻す。
注意
高電圧の部分を取り扱うときは、「電源」スイッチを「断」にしたあとしばらく放置して、各部に蓄電されている電圧を完全に放電させること。特にCRTは高圧キャップを陽極から外し、アースリードを用いてCRTの陽極と高圧キャップ電極に蓄積された電荷を表示器筐体(アース)等に接地し、残留電荷を放電させること。
(11)CRTの保管
CRTは衝撃を与えないように、指定の箱に収納する。蛍光面、すなわちCRTの表示面が下になるように保管する。これは振動等によって蛍光剤がはがれるのを防ぐためである。また、強磁性体の近くに置かないこと。これはCRTの材料に磁化されるものが使われていると、一部が磁化され、画面にひずみを発生したり、色ずれを発生したりする原因となるためである。なお、湿度の高いところも避けること。
(1)空中線部のカバーを外す。
(2)RF部を空中線部に固定しているボルトを外す。
(3)RF部の接続ケーブルを外す。
(4)空中線部からRF部を取り外す。(図8・4参照)
図8・4
(5)スキャナモーターから出ている電源ケーブルを基板の端子から外す。
(6)特殊工具でスキャナモーターを外す。(図8・5参照)
図8・5
(7)新しいスキャナモーターを取り付ける。
(8)スキャナモーターの電源ケーブルを端子台に接続する。
(9)RF部を空中線部に取り付け、接続ケーブルを接続する。
(10)RF部を固定するボルトで空中線部に取り付ける。
(11)空中線部のカバーを元に戻す。
注意
1. 空中線部や送受信部の保守、点検中に電源を入れられると人命にかかわる重大な危険があるので、本船配電盤のレーダーの電源スイッチとレーダー表示器の電源スイッチを断(OFF)にして、表示器操作パネルと空中線マスト下部に〔作業中〕という注意表示をすること。できる限りスキャナモーターのヒューズを抜く等の安全対策を処置しておくこと。
2. スキャナーカバーを閉める際は、ソケットレンチ/スパナを使用してボルトが動かなくなるまで閉めること。きつく閉めないとスキャナー部に水が入ってしまい故障の原因となる。 |