2・7 始動器及び制御器
2・6・1 配電盤の構造検査で述べた項目のほか次の各項目について外観構造を確認する。
(1)外形及び取付寸法
承認図により外形寸法を測定し、許容差は次による。
高さに対する許容差は特別な条件がない限り±10mm以内、ただし各枠組ブロックごとの高低差は3mm以内。
単体寸法許容差
幅、高さ、奥行 |
許容差(mm) |
600以下 |
±4 |
600を超え1000以下 |
±5 |
1000を超えるもの |
±6 |
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直角度許容差
面 |
盤高さに対して(%) |
前面 |
±0.2以内 |
後面 |
±0.4 〃 |
左右面 |
±0.4 〃 |
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隣接する穴中心間寸法に対する寸法差
ねじの呼び径 |
M8 |
M10 |
M12 |
M16 |
寸法差(mm) |
±1.2 |
±1.5 |
±2.2 |
±3.0 |
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(2)始動補償変圧器
タップの切替の難易、タップ比率を確かめる。
(4)電線貫通金物の適正と端子間距離
指定通りの電線貫通金物が使用してあること及び端子と電線貫通金物との相互位置、端子間距離は引込線を容易に接続できる形状であることを確かめる。
(5)銘板及び取付位置(JEM 1286:85(船用交流電動機用始動器及び制御器)、JEM1282-76(船用電気機器の銘板)参照)
性能試験を行う前に主回路、操作回路、計器回路などについて配線及び接続が図面と相違ないことを確かめる。
(1)回路試験
(a)制御回路試験
定格電圧の85%及び110%電圧で各種継電器の動作、接点等を調べ制御回路を試験する。
(b)インターロック試験
ドアインターロックでは機械的、電気的にも動作を確かめる。
(c)計器回路試験
計器回路、変成比、計器の切替が合っているか確かめる。
(JEM 1286:85参照)
(d)外部回路試験
模擬回路により動作を確かめる。
(e)非常停止回路試験
回路の端子を開放あるいは短絡して、遮断器、接触器などが動作するかを定格電圧で確認する。(JEM 1286:85参照)
(2)操作試験
(a)遮断器操作試験
異常なく動作することを確認する。
(b)各種スイッチの操作試験
定格電圧において各種スイッチの自動又は手動操作及び機能を確かめる。
(3)計器類校正試験
所定の電圧、電流を通じ指示値を確かめる。
(4)温度試験
主回路遮断器、開閉器操作回路に定格負荷電流又は定格電圧を加え、各部の温度を測定し、表2・20に示す温度上昇限度内であることを確認する。
(5)動作試験
(a)電磁接触器動作試験
規定電圧の85%〜110%以内で異常なく動作することを確かめる。
(b)継電器動作試験
接点は異常なく動作開閉することを確認する。
(6)極性及び相回転方向試験
電圧計(直流)又は検相器によって極性又は相回転方向を確かめる。
(7)表示灯試験
定格電圧において接点又は切替開閉器の操作などにより表示灯の点滅を確かめる。
(8)マグネット磁気騒音
定格電圧のもとで過大なうなりや振動のないことを確認する。
(9)絶縁抵抗試験
高圧回路、定圧回路共に各極間充電部と接地間、高圧回路と低圧回路間の絶縁抵抗を500V絶縁抵抗計で測定し、1MΩ以上であること。
(10)耐電圧試験
正弦波に近い50Hz又は60Hzの 表2・19に定められた交流電圧値で1分間試験しこれに耐えることを確かめる。
なお巻線形三相誘導電動機の2次回路の試験電圧は表2・6によること。
表2・20 電動機用制御器の温度上昇限度(NK規則)
(基準周囲温度の限度45℃)
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品名及び部分 |
温度上昇限度(℃) |
温度計法 |
抵抗法 |
コイル
(気中) |
A種絶縁 |
60 |
80 |
E種絶縁 |
75 |
95 |
B種絶縁 |
80 |
105 |
F種絶縁 |
110 |
130 |
H種絶縁 |
135 |
155 |
C種絶縁 |
制限せず |
制限せず |
単層巻エナメル線 |
A種絶縁 |
80 |
- |
E種絶縁 |
95 |
- |
B種絶縁 |
105 |
- |
F種絶縁 |
130 |
- |
H種絶縁 |
155 |
- |
C種絶縁 |
制限せず |
- |
接触子 |
塊状 |
8時間を超えて連続使用のもの |
銅又は銅合金 |
40 |
- |
銅又は銅合金 |
70 |
- |
約8時間に1回以上開閉するもの |
銅又は銅合金 |
60 |
- |
銅又は銅合金 |
70 |
- |
成層状又は刃状 |
銅又は銅合金 |
35 |
- |
母線及び接続導体(裸又はA種絶縁以上のもの) |
60 |
- |
外部ケーブル接続用端子 |
45 |
- |
金属抵抗器 |
埋込形のもの |
245 |
- |
埋込形以外のもの |
連続使用のもの |
295 |
- |
断続使用のもの |
345 |
- |
始動用のもの |
345 |
- |
排気(排気口より約25mm上で) |
170 |
- |
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(備考)1. 電圧コイルの温度測定は原則として抵抗法のみによる。
2. 単層巻エナメル線の絶縁の種類より、その隣接部の絶縁の種類が劣る場合は、隣接部の絶縁の種類によるものとする。
3. 単層巻裸線は、隣接部の絶縁の種類によるものとする。
4. 埋込形金属抵抗器とは、金属抵抗体の表面が露出しないように絶縁物に埋込まれたものをいう。
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(1)始動器の温度試験について述べよ。
(2)始動器の性能試験の項目を挙げよ。
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