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3・5・2 検査の繰上げ・延期
 船舶検査において、運行計画、ドック入りの時間等船舶所有者の都合により、その時期以前に検査を繰り上げて受検したい場合は、繰り上げて受検することができる(施行規則第17条及び第18条)。
3・5・3 検査の引継ぎ・委嘱(施行規則第15条)
(1)検査の引継ぎ
 定期検査、中間検査、臨時検査、特別検査、製造検査又は予備検査の申請者は、当該船舶又は物件が当該検査申請をした地方運輸局長の管轄する区域外に移転した場合は、申請により新たな所在地を管轄する地方運輸局長への検査の引継ぎを受けることができる。
 日本小型船舶検査機構における検査についても同様である。
(2)検査の委嘱
 前記(1)に掲げる検査の申請に係る船舶又は物件の一部が他の地方運輸局長の管轄する区域内にある場合であって、やむを得ない理由があると認められる場合は、申請により、当該検査を当該地の地方運輸局長に委嘱することができる。
 日本小型船舶検査機構における検査についても同様である。
3・5・4 検査の準備
 船舶の検査は、船体、機関、設備等が法第2条第1項の規定により定められた技術基準に適合するかどうかの判定に関する業務であり、船舶検査官が行うが、これに際し、検査申請者は、検査の種類に応じ、予め必要な準備をしなければならない。
 もし、必要な準備がなされていなかったり、準備が悪かったりした場合には、準備が整うまで検査の執行を停止されることもあり、このために予定の期日までに検査が終了しないで、船舶の運航に支障を来たすようなことも生ずる恐れがあるので注意を要する。
 受検者側において準備すべき事項については、検査の種類に応じ施行規則第24条から第30条までに規定している。
(1)検査着手前の打合せ
 検査着手前の準備の具体的内容、検査箇所、検査時期等について検査のスケジュールをたてて、担当船舶検査官と予め打合せておくことが必要である。
(2)定期検査の準備
 定期検査を受ける場合の準備は、次に掲げる準備並びに海上試運転及び復原性試験の準備がある。(施行規則第24条)(電気に関係するものを掲げる。)
1)船体にあっては、次に掲げる準備
(ト)水密戸、防火戸等の閉鎖装置の効力試験の準備
2)機関にあっては、次に掲げる準備
(イ)主機、補助機関、動力伝達装置及び軸系、ボイラ及び圧力容器並びに補機及び管装置の告示で定める開放検査の準備
(ロ)材料試験、溶接施工試験、釣合い試験、歯当たり試験、すり合わせ試験、蓄気試験及び陸上試運転の準備(初めて検査を受ける場合に限る。)
(ホ)効力試験の準備
3)排水設備にあっては次に掲げる準備
(イ)告示で定める解放検査の準備
(ハ)効力試験の準備
4)操舵、係船及び揚錨の設備にあっては次に掲げる準備
(ニ)効力試験の準備
5)救命及び消防の設備にあっては次に掲げる準備
(ハ)効力試験の準備
6)航海用具にあっては効力試験の準備
7)危険物その他の特殊貨物の積付設備にあっては次に掲げる準備
(ホ)効力試験の準備
8)荷役その他の作業の設備にあっては次に掲げる準備
(イ)揚貨装置の告示で定める解放検査の準備
(ロ)揚貨装置の荷重試験の準備
(ハ)圧力試験及び効力試験の準備
9)電気設備にあっては次に掲げる準備
(イ)材料試験、防水試験、防爆試験及び完成試験の準備(初めて検査を受ける場合に限る。)
(ロ)絶縁抵抗試験の準備
(ハ)効力試験の準備
10)昇降設備にあっては次に掲げる準備
(イ)告示で定める解放検査の準備
(ハ)荷重試験(初めて検査を受ける場合に限る。)及び効力試験の準備
11)焼却設備にあっては次に掲げる準備
(イ)告示で定める解放検査の準備
(ロ)材料試験及び温度試験の準備(初めて検査を受ける場合に限る。)
(ニ)効力試験の準備
12)コンテナ設備(コンテナ及びコンテナを固定するための設備を言う。以下同じ。)にあっては次に掲げる準備
(ロ)荷重試験の準備
13)満載喫水線にあっては告示で定める標示の検査の準備
(3)中間検査(施行規則第25条)
1. 第1種中間検査を受ける場合の準備は次のとおりである。
1)船体にあっては次に掲げる準備
(イ)前条第1号イに掲げる準備
2)機関にあっては次に掲げる準備
(イ)主機、補助機関、動力伝達装置及び軸系、ボイラ並びに補機及び管装置の告示で定める解放検査の準備
(ロ)前条第2号ホに掲げる準備
3)排水設備にあっては次に掲げる準備
(イ)前条第3号イに掲げる準備
(ロ)前条第3号ハに掲げる準備
4)操舵、係船及び揚錨の設備にあっては次に掲げる準備
(イ)前条第4号イに掲げる準備
5)救命及び消防の設備にあっては次に掲げる準備
(イ)前条第5号ロに掲げる準備
6)航海用具にあっては前条第6号に掲げる準備
7)危険物の積付設備にあっては前条第7号ホに掲げる準備
8)電気設備にあっては次に掲げる準備
(イ)前条第9号ロに掲げる準備
(ロ)前条第9号ハに掲げる準備
9)焼却設備にあっては前条第11号ニに掲げる準備
10)満載喫水線にあっては前条第13号に掲げる準備
2. 第二種中間検査を受ける場合の準備は次のとおりとする。
1)船体にあっては前項第1号ロに掲げる準備
2)機関にあっては前項第2号ロに掲げる準備(同号(イ)に係るものを除く。)
3)排水設備にあっては前項第3号ロに掲げる準備(同号(イ)に係るものを除く。)
4)操舵、係船及び揚錨の設備にあっては前項第4号ロに掲げる準備
5)救命及び消防の設備にあっては次に掲げる準備
(イ)前項第5号イに掲げる準備
6)航海用具にあっては前項第6号に掲げる準備
7)危険物の積付設備にあっては前項第7号に掲げる準備
8)電気設備にあっては次に掲げる準備
(イ)前項第8号イに掲げる準備
(ロ)前項第8号ロに掲げる準備
9)満載喫水線にあっては前項第10号に掲げる準備
3. 前項第4号、第5号イ及び第8号イに掲げる準備(同項第4号)に掲げる準備にあっては係船及び揚錨の設備に係るものに限る。)は、定期検査又は当該準備をして受けた第二種中間検査に合格した後の2回目又は3回目のいずれかの第二種中間検査を受ける場合に限り、するものとする。
4. 第三種中間検査を受ける場合の準備は次のとおりとする。
1)機関にあっては前第1項第2号に掲げる準備(同号(ロ)に掲げる準備にあっては同号(イ)に係るものに限る。)
2)排水設備にあっては前第1項第3号に掲げる準備(同号(ロ)に掲げる準備にあっては同号(イ)に係るものに限る。)
3)操舵、係船及び揚錨の設備にあっては前第1項第4号イに掲げる準備
4)焼却設備にあっては前第1項第9号に掲げる準備
5. 管海官庁は、中間検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、第1項、第2項及び前項に規定する準備のほか、前条に規定する準備のうち必要なものを指示することができる。
(4)臨時検査及び臨時航行検査(施行規則第26条)
 臨時検査(法第4条の規定により新たに無線電信又は無線電話を施設しようとする場合を除く。)又は臨時航行検査を受ける場合の準備は、定期検査の準備のうち管海官庁の指示するものとする。
(5)特別検査(施行規則第27条)
 特別検査を受ける場合の準備は、施行規則第20条第1項の規定により公示により定められた準備のほか、定期検査の準備のうち管海官庁が指示するものとする。
(6)製造検査(施行規則第28条)
 製造検査を受ける場合の準備は、次のとおりとする。
1)船体にあっては、次に掲げる準備
(イ)船体内外部に係る事項の告示で定める外観検査の準備
(ロ)材料試験、非破壊検査、圧力試験及び荷重試験の準備
2)機関にあっては材料試験、非破壊検査、溶接施工試験、釣合い試験、歯当たり試験、すり合わせ試験、圧力試験、効力試験、蓄気試験、逃気試験及び陸上試運転の準備
3)排水設備にあっては圧力試験及び効力試験の準備
(7)予備検査(施行規則第29条)
 前述の予備検査を受けられる物件について予備検査を受ける場合の準備は、次のとおりとする。
1)船体に係る物件にあっては材料試験、圧力試験及び荷重試験の準備
2)機関に係る物件にあっては材料試験、溶接施工試験、釣合い試験、歯当たり試験、すり合わせ試験、圧力試験、効力試験、蓄気試験、逃気試験及び陸上試運転の準備
3)操だ、係船及び揚錨の設備に係る物件にあっては材料試験、圧力試験及び効力試験の準備
4)救命及び消防の設備に係る物件にあっては材料試験及び効力試験の準備
5)航海用具に係る物件にあっては効力試験の準備
6)荷役その他の作業の設備に係る物件にあっては荷重試験、圧力試験及び効力試験の準備
7)電気設備に係る物件にあっては材料試験、防水試験、防爆試験及び完成試験の準備
8)昇降機にあっては材料試験、荷重試験及び効力試験の準備
9)焼却炉に係る物件にあっては材料試験、温度試験、圧力試験及び効力試験の準備
10)コンテナにあっては材料試験及び荷重試験の準備
(8)特殊な設備又は構造に係る準備等(施行規則第30条)
1)管海官庁は、潜水設備、原子炉設備その他の特殊な設備又は構造を有する船舶の定期検査、中間検査、臨時検査、臨時航行検査、特別検査、製造検査又は予備検査の準備について、前述の各準備に関する規定にかかわらず必要と認める準備を指示することができる。
2)管海官庁は、定期検査、中間検査、製造検査又は予備検査の準備の一部を免除することができる。







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