日本財団 図書館


3・5・5 検査の申請
(1)検査申請義務者及び申請様式(施行規則第31条、船舶検査心得31.0)
 検査申請の義務を有する者及び申請書の様式は、その検査の種類に応じて次のとおりである。
 
 
臨時航行検査  船舶所有者・・・施行規則第5号様式
製造検査  船舶製造者・・・施行規則第6号様式
予備検査  物件の所有者・・・施行規則第7号様式
1)船舶所有者から代理権を付与された者が、上記の検査の申請をする場合には、申請書に代理である旨明記するとともに、当該申請者が船舶所有者の代理人であることを証明できるようにしておくこと。
2)国有の船舶については、国有財産法第9条の規定により、各省庁の長は、その所管に属する国有財産の管理に関する事務の一部を部局等の長に分掌させることができ、それは、同法に基づく各省の国有財産事務規程に定められている。したがってその規程により、当該部局等の長は、上記の検査の申請をすることができる。
(2)書類の提出
 検査の申請にあたっては、検査申請書のほか次に掲げる書類を管海官庁又は日本小型船舶検査機構に提出しなければならない(施行規則第32条)(電気に関係するものを掲げる。)
1. 定期検査をはじめて受ける場合に提出する書類
(イ)製造仕様書並びに法第2条第1項各号に掲げる事項に係る物件の構造及び配置を示す図面(船舶検査心得32.1(a))、すなわち
1)船体
(i)船舶要目表(様式は、別添第1号書式又は第2号書式とする。この場合において、「GT」の欄に国際総トン数を記載する場合は、同欄を「GT(国際)」と変更すること。)
(ii)一般配置図
(iii)船底構造図、水密又は油密の隔壁及び深水タンク隔壁の構造図(タンク頂板及び溢出管の高さを明記したもの)、船楼構造図、甲板室構造図、梁柱及び甲板下縦桁の構造図、軸路構造図、機関室口囲壁構造図並びにボイラ台、主機台等構造図
(iv)損傷制御図及び火災制御図
(v)防火隔壁構造図及び防火用材料表
2)機関
(i)機関要目表
(ii)機関室全体装置図
(iii)諸管線図
(iv)次に掲げるものの系統図及び取扱説明書
(イ)自動制御装置
(ロ)遠隔制御装置
(v)次に掲げるものの構造図、溶接要領書及び強度計算書
(イ)内燃機関排気タービン過給機
(ロ)蒸気タービン
(ハ)ガスタービン
(ニ)ボイラ又は圧力容器
(ホ)動力伝達装置、推進軸系及びにプロペラ
(vi)次に掲げるものの取扱説明書
(イ)内燃機関のうち高速機関
(ロ)材料又は構造の特殊な機関
3)排水設備
(i)ビルジポンプ製造仕様書
(ii)ビルジ及びバラスト配管図(ポンプ弁等のほか、測深管、空気管及び溢出管の配置、バラストタンクの容量等を含むもの。)
4)操舵、係船及び揚錨の設備
 動力式操舵装置、錨、錨鎖及び索(遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶の場合に限る。)
5)救命設備
(i)救命設備配置図(船内通路を含む諸室配置並びに端艇降下場所付近の船外排出孔及びプロペラの位置を付記したもの)。ただし、国際航海に従事する船舶又は沿海区域、近海区域若しくは遠洋区域を航行区域とする旅客定員が100名以上の旅客船に限る。
(ii)救命設備の製造仕様書
6)消防設備
(i)消防設備配置図(固定式消火装置の消火剤の所要量の算定の根拠となる貨物倉、機関室の容積等を付記したもの)。ただし、国際航海に従事する船舶以外の船舶にあっては、省略して差し支えない。
(ii)消防設備(送水管及び消火栓を除く。)の製造仕様書
7)居住設備
 客席、出入口、廊下、階段等配置図(国際航海に従事する旅客船又は沿海区域、近海区域等若しくは遠洋区域を航行区域とする旅客定員が100人以上の旅客船に限る。)
8)航海用具
 航海用具(属具(船灯及び信号灯を除く。)及び航海用刊行物を除く。)の製造仕様書。
9)危険物その他の特殊貨物の積付設備
(i)設備規程の規定により、機関規則心得附属書[1]「用語の定義」に定める第1種圧力容器又は第2種圧力容器の基準を準用する危険物の積付設備の配置図、構造図、溶接要領書及び強度計算書
(ii)火薬庫の配置図及び構造図
(iii)計測装置の仕様書又は取扱説明書(試験方法及び校正の間隔が記入されたもの)(液化ガスばら積船に限る。)
(iv)ガス燃料装置の図面(LNG船に限る。)
10)荷役その他の作業の設備
 揚貨装置の配置図及び構造図
11)電気設備
(i)電気要目表
(ii)電力調査表
(iii)電路系統図
(iv)電線配置図
(v)配電盤の組立図及び裏面図(30kW又は30kVA未満の発電機に接続するものについては、省略して差し支えない。)
(vi)防爆型、防水型又は水中型の電気機器の構造図
(注):長さが30m未満の船舶については、(i)から(v)までに掲げる書類を、省略して差し支えない。
12)特殊設備
(i)昇降設備の配置図及び構造図
(ii)焼却設備の配置図及び構造図
(ロ)〜(ト)(略)
(チ)潜水設備に関する検査を受ける船舶にあっては、次の書類
(ii)潜水設備の給気装置、排気装置及び電気設備を示す書類
(リ)〜(ル)(略)
(ヲ)製造検査合格証明書(製造検査に係る法第9条第3項の合格証明書をいう。)の交付を受けている船舶にあっては、当該製造検査合格証明書
(ワ)検定合格証明書(法第9条第4項の合格証明書をいう。)の交付を受けている船舶にあっては、当該検定合格証明書
2. 前号の場合を除き、定期検査、中間検査又は臨時検査を受ける場合に提出する書類
(イ)船舶検査証書
(ロ)船舶検査手帳
(ハ)法第2条第1項各号に掲げる事項について変更をしようとする場合にあっては、当該事項に係る物件の構造及び配置を示す図面
(ニ)〜(ル)略
(ヲ)新たに揚貨装置に関する検査を受ける場合にあっては、次に掲げる事項
(1)揚貨装置配置図
(2)揚貨装置の構造図
(ワ)揚貨装置を変更する場合にあっては、(ヲ)に掲げる書類のうち当該変更に係るもの
(カ)新たに潜水設備に関する検査を受ける船舶にあっては、前号チに掲げる書類
(ヨ)潜水設備を変更する場合にあっては、(カ)に掲げる書類のうち当該変更に係るもの
(タ)新たに昇降設備に関する検査を受ける場合にあっては、次に掲げる書類
(1)昇降設備配置図
(2)昇降設備の構造図
(レ)昇降設備を変更する場合にあっては、(タ)に掲げる書類のうち当該変更に係るもの
(ソ)新たに焼却設備に関する検査を受ける場合にあっては、次に掲げる書類
(1)焼却設備配置図
(2)焼却設備の構造図
(ツ)焼却設備を変更する場合にあっては、(ソ)に掲げる書類のうち当該変更に係るもの
(ネ)略
(ナ)整備済証明書(船舶安全法の規定に基づく事業場の認定に関する規則第24条第2項の整備済証明書をいう。)の交付を受けている船舶又は整備済証明書の交付を受けている物件を備え付けている船舶について、当該整備済証明書の交付に係る確認が行われた後30日以内に定期検査又は中間検査を受ける場合にあっては、当該整備済証明書
(ラ)確認証明書(小型船舶に係る認定検査機関に関する省令(昭和62年運輸省令第56号)第6条第2項の確認済証明書をいう。以下同じ。)の交付を受けている小型船舶について、当該確認証明書の交付に係る確認が行われた後30日以内に中間検査を受ける場合にあっては、当該確認済証明書
3. 臨時航行検査を受ける場合に提出する書類
(イ)船舶検査手帳(交付を受けている船舶に限る。)
(ロ)法第2条第1項各号に掲げる事項に係る物件の構造及び配置を示す図面
4. 特別検査を受ける場合に提出する書類
(イ)船舶検査証書
(ロ)船舶検査手帳
(ハ)特別検査を受けるべき事項に係る物件の構造及び配置を示す図面
5. 製造検査を受ける場合に提出する書類
(イ)製造仕様書並びに法第2条第1項第1号、第2号及び第4号に掲げる事項に係る物件の構造及び配置を示す図面
6. 予備検査を受ける場合に提出する書類
(イ)物件の製造について予備検査を受ける場合にあっては、製造仕様書
(ロ)物件の構造を示す図面
7. その他の場合に提出する書類
(イ)法第8条第1項の船舶について定期検査又は中間検査を受けようとする者は、同条同項の船舶協会(日本海事協会)の船級の登録を受けている旨の証明書を管海官庁に提示しなければならない。
(ロ)揚貨装置に係る法第5条の検査(法第8条第1項の船舶にあっては、特別検査に限る。)を受けようとする者は荷役設備検査記録簿を管海官庁に提出しなければならない。
(ハ)昇降設備に係る法第5条の検査を受けようとする者は、昇降設備検査記録簿を管海官庁に提示しなければならない。
(ニ)焼却設備に係る法第5条の検査(法第8条第1項の船舶にあっては、特別検査に限る。)を受けようとする者は、焼却設備検査記録簿を管海官庁に提示しなければならない。
(ホ)管海官庁は、検査のため必要があると認める場合において、1. 〜6. に規定する書類のほか必要な書類の提出を求め、又は、同項に規定する書類の一部についてその提出を免除することができる。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION