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7.4 既存のアルミ船での接着試験(写真7.4.1〜7.4.6参照
7.4.1 実施月日
平成17年10月27日
7.4.2 気象状況
天候 晴れ 室温 30℃ 湿度 40%
7.4.2 作業場所
広島県因島土生町 土生市営桟橋
7.4.3 船舶の概要
船名 ニューうおしま2
船舶の用途 高速旅客船
航行区域 平水区域
総トン数 60.00トン
7.4.4 出席委員(敬称略)
磯部委員、藤岡委員、光原委員、事務局1名
7.4.5 接着作業実施協力者
山陽船舶電機株式会社 藤井孝則
7.4.6 作業時間
山陽船舶電機株式会社 出発 13.00
土生市営桟橋     到着 13.50
作業開始          14.00
作業終了          14.30
土生市営桟橋     出発 14.35
山陽船舶電機株式会社 帰着 15.30
7.4.7 接着作業の状況
 まず、アルミのフラットバーを機関室内の垂直壁面に、エポキシ樹脂系接着剤で1枚、SGAで1枚、計2枚の接着作業を実施した。
 次に、アルミのフラットバーを機関室内の天井下面に、エポキシ樹脂系接着剤で1枚、SGAで1枚、計2枚の接着作業を実施した。
 最後に、アルミの三角台を機関室内の垂直壁面に、エポキシ樹脂系接着剤で1枚SGAで1枚、計2枚の接着作業を実施した。
 接着作業終了後、本船が15.00時には出港するために、エポキシ樹脂系接着剤で接着を行った箇所は、接着剤が硬化しないうちに船舶の振動や動揺により接着力が無くなる恐れがあるので、テープでの固定を補強した。
7.4.8 作業終了後の協議事項等
 接着工法が採用された場合、航行中の船舶の工事を行う時、硬化時間の長いエポキシ樹脂系接着剤は不向きと思われる。
 反面、今回のように機関室の室内温度が高い場合、SGAでは硬化が早いので作業を敏速に行う必要がある。
 
表7.4 既存のアルミ船の接着作業の概要
船体 部材 接着場所 使用接着剤 数量 備考
アルミ材 アルミFB 機関室垂直壁面 エポキシ 1
SGA 1
機関室天井下面 エポキシ 1
SGA 1
アルミの三角台 機関室垂直壁面 エポキシ 1
SGA 1
 
7.5 耐熱試験及び環境暴露試験(写真7.5.1〜7.5.7参照
7.5.1 耐熱試験
7.5.1.1 試験月日
平成17年10月27日
7.5.1.2 気象状況
天候 晴れ 気温 22℃ 湿度 60%
7.5.1.3 試験場所
山陽船舶電機株式会社(広島県尾道市西御所町4-29)工場内
7.5.1.4 出席委員(敬称略)
磯辺委員、藤岡委員、光原委員、事務局1名
7.5.1.5 試験実施協力者
山陽船舶電機株式会社工務部 藤井孝則
7.5.1.6 試験時間
加熱開始時間 9.00
加熱終了時間 11.00
7.5.1.7 耐熱試験の状況等
 予備試験で接着した接着済みの6部材(母材・部材共に鋼材のもの4部材、母材・部材共にアルミ材のもの2部材)を下記の内容にて耐熱試験を行った。
 最初に乾燥炉の温度を100℃位まで上昇させ、AM9:00 6部材を乾燥炉に入れた。AM11.00頃部材の温度が190℃位であったので取り出した処、接着剤が黒焦げ状態で接着力を失っていた。
7.5.1.8 試験後の協議事項等
 協議の結果、耐熱試験を再度行うこととした。
 母材・部材共に鋼材のものでエポキシ樹脂系接着済で接着した1枚、SGAで接着した1枚、母材・部材共にアルミ材のものでエポキシ樹脂系接着材で接着した1枚、SGAで接着した1枚、計4枚を作成し、(有)浜崎電機工業所で粉体塗装を行ったところ、接着性能に問題がないと思われたので、4枚を製品安全評価センターにおいて引張り試験を実施することとした。
 
7.5.2 溶接熱の影響試験
7.5.2.1 試験月日
平成17年10月27日
7.5.2.2 気象状況
天候 晴れ 気温 22℃ 湿度 60%
7.5.2.3 試験場所
山陽船舶電機株式会社(広島県尾道市西御所町4-29)工場内
7.5.2.4 出席委員(敬称略)
磯辺委員、藤岡委員、光原委員、事務局1名
7.5.2.5 試験実施協力者
山陽船舶電機株式会社工務部 藤井孝則
7.5.2.6 試験時間
溶接時間 11.20〜11.25
7.5.2.7 溶接熱の影響試験等の状態
 新造船等で接着工法を採用した場合、接着面の裏側等が溶接等で焼かれる可能性が大きいので、その影響を調査するため、予備試験で接着した母材・部材ともに鋼材もので、エポキシ樹脂系接着剤で接着した1枚、SGA接着剤で接着した1枚、計2枚の接着面の真裏に鋼材50mmを電気溶接してみた。
 2部材ともに接着面は焦げており、エポキシ、SGAとも接着力は消失した。
7.5.2.8 試験後の協議事項等
 溶接等の熱を接着面に加えると接着力が無くなるので、高温には別段の注意が必要である。
 
7.5.3 環境暴露試験(写真7.5.7参照
7.5.3.1 試験月日
平成17年10月27日以降
7.5.3.2 気象状況
天候 晴れ 気温 12℃ 湿度 60%
7.5.3.3 試験場所
10月27日 山陽船舶電機(株)(広島県尾道市西御所町4-29)工場内
10月27日以降 「第一むかいしま」の船橋甲板の暴露部
7.5.3.4 出席委員(敬称略)
磯辺委員、藤岡委員、光原委員、事務局1名
7.5.3.5 試験実施協力者
山陽船舶電機株式会社工務部 藤井孝則
7.5.3.6 接着作業時間
10月27日 16.00〜16.10
7.5.3.7 部材の暴露期間 フラットバー
10月27日以降約1年間
7.5.3.8 環境暴露試験等の状況
 「第2 しまなみ」での環境暴露試験に用いるフラットバーの不具合(7.2.9参照)等により、フラットバー自体が下がり気味となり、接着作業に自信が持てないので再度挑戦することとした。
 まず、黒皮剥離の母材に黒皮剥離の部材をエポキシ樹脂系接着剤で接着した1枚、SGAで接着した1枚及び黒皮付き母材に黒皮付き部材をエポキシ樹脂系接着剤で接着した1枚、SGAで接着した1枚の計4枚を作成して、後日「第一むかいしま」の船橋甲板の暴露部に曝すこととした。
7.5.3.9 接着作業終了後の協議事項等
 暴露部で接着工法を採用した場合、接着力がなくなっての脱落より船体の腐食による部材の脱落の方が心配である。
 
表7.5 環境暴露試験の概要
母材 部材 接着場所 使用接着剤 数量 備考
黒皮剥離の鋼材 黒皮剥離の電路 垂直面 エポキシ 1
SGA 1
黒皮付きの鋼材 黒皮付きの鋼材 エポキシ 1
SGA 1


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