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学生のことば
「東京女子医大での講義」
認定看護師教育課程訪問看護学科
 
 認定看護師教育課程に入学した翌日から東京女子医大での共通科目の受講が始まりました。東京に来て、数日しか経っていなかったこともあり緊張していたようで夜もあまり眠れなかったような時期でした。そんな中で始まった講義でした。
 手術看護・透析看護・感染看護・私たち訪問看護と4領域合同での受講でした。座席の位置は自由でしたので、いつも中央の前から2番目の席に座って受講しました。そして、前列の透析看護の方と話をすることができたのも楽しい思い出です。一方では、訪問看護のクラスメート全員の名前と顔がわからないということがありやや残念でした。
 講義はリーダーシップ、看護管理、対人関係、コンサルテーション、教育指導、情報処理等を学びました。講義では初めて耳にする言葉や単語が多く、テストは大丈夫かと不安を強く感じました。そして、レポートも学生の時以来であったのでとても苦労し、自分の思いを言葉にするのは難しいと改めて感じました。今でも過去のレポートを見直してみると、顔が赤面してしまうくらいです。でも、そのおかげか少しずつレポートを書くことにも慣れることができたのだと思っています。共通科目は、今後認定看護師として活動していくには欠かすことのできないものであるため、今後も学びを深めていきたいと思います。
 
「階段教室の思い出」
認定看護師教育課程訪問看護科
 
 この教育課程の学科に入れたことは当初はかなり不安の中にも嬉しさいっぱいで、久々の入学式に緊張しながら出席したのが、つい最近のように感じます。
 まずは、4科合同の共通科目の学習。憧れの階段教室での勉強は内容も凝縮され、在宅というフィールドを走り回っている私にとってかなり刺激的でした。振り返りをしたい、新たな知識を得たいと思ってもなかなか勉強する環境が取れず悶々としていた日々を過ごしていましたが、その疑問をいとも簡単に解き明かしてくれ、人としても、看護師としてもまだ未成熟である自分自身についてかなり見つめることが出来ました。教えてくれる先生方も皆個性的で、看護の世界にも色々な分野があること、様々な形で活躍の方法に改めて感心したりしていました。
 しかし日々看護記録くらいしか書いていなかった私はレポートがなかなか書けず苦労した事、また古い階段教室の直角の木製のイスの硬さになかなか慣れず首を痛めた事など、苦い思い出もあります。もう少し他の3部門の人たちともっと意識的に関わっておくべきだったと、反省していますが、実りの多い1ヶ月でした。
 認定看護師教育課程の全教科が終了し改めてその役割の大きさに戸惑うことも多く、これからの活動に関しての不安もあります。そこまで到達していない自分を認識するにつれ自信を失うこともこれから度々あると思いますが、仲間たち、応援してくださった人たちの気持ちを忘れず、時には立ち止まり今を冷静に受け止められるよう、ここでの学びを自分なりに活かして行きたいと思います。
 
「共通科目(東京女子医大)での受講について」
認定看護師教育課程訪問看護科
 
 共通科目の授業は毎日が「初めて」の連続でした。私は大学で授業を受けたことがなかったので、100名を超す生徒が一同に集まって授業を受けるというのが、まず「初めて」でした。文献検索・情報処理・リーダーシップ等授業の内容も「初めて」でした。知らないことを学ぶ、今まで出来なかったことが出来るようになるのは、嬉しかったですが、時折、先生から言われる「あなた方が認定として現場に戻った時には・・・」の言葉には、今自分が認定看護師教育課程にいるのだということを改めて自覚させられました。
 透析や感染など他の認定の学生とも一緒に学ぶ貴重な機会でした。ただ、入学式が終わって早々で、クラスメートの顔すら知らない状態。授業についていくのに必死だった時期で。せっかくの機会を上手く活用できず、とてももったいなく思います。今ならお互いの関係も他の認定の学生とも良好な連携がとれるだろうに。もっと充実した時間を過ごすことが出来るだろうに・・・。
 この教育課程を通じて一番の学びは、様々な先生・講義を通じて私のものの見方・世界が広がったことだと思っています。ベナーの看護論のように「一人前」の中にいても「エキスパート」にはなれないのだと実感しています。
 一方的な助言やアドバイスではないコンサルテーション。講義は受けましたが、実際に導くのは難しく、これはこれからの課題だと考えています。
 大変な日々ではありましたが、意義ある講義を東京女子医大という環境で受けられたことを感謝しています。
 
「東京女子医大での共通科目での収穫」
認定看護師教育課程訪問看護学科
 
 私は、病棟での看護の経験を踏まえて訪問看護の世界に入りました。病棟とは違い訪問看護という深い観点での利用者や御家族との関わりの中で本当の意味での医療ケアがなんであるかと言うことに悩みながらも、訪問看護を行ってきました。機会に恵まれ今回、訪問看護認定看護師教育課程の6ヶ月の期間を学習できたことは、素晴らしい体験になりました。
 特に東京女子医大での共通科目では、看護学校、現場では学べなかった看護倫理、看護管理、教育、文献検索、情報、リーダーシップ、対人関係、コンサルテーション等の科目を学ぶことができ、そして色々な角度から研修できたことは私の大きな収穫になりました。その中でも特に看護倫理の講義は、看護の基本を学べたと思います。看護現場にて何かおかしい、矛盾を感じていたことの多くが倫理問題に関係していることを知りました。そして講義の中で倫理問題と思われる過去の事例を振り返り分析することで、いままで気になっていた問題の整理ができました。又看護管理の講義では健全な組織の経営の存在や、組織変革を行う為の戦略的思考、看護管理の考え方を学ぶことができました。この共通科目で学んだ事を自分の活動の中でもっと充実させ、現場に戻って仕事に生かすことを目指したいと思います。
 
「共通科目からの学びを生かして」
認定看護師教育課程訪問看護学科
 
 約一ヶ月の東京女子医大での研修は訪問看護だけでなく、他の3分野(感染、透析、手術室)の認定課程との合同で、共通科目の講義はにぎやかな始まりであった。共通科目では、認定看護師の役割として求められる、実践・教育・指導に関しての基礎となる部分をしっかりと学ぶことができた。経験豊富な講師の講義は面白く、実践にそのまま活用できることばかりで興味深く、時間があっというまに過ぎた。これまで訪問看護業務を行う中で、それぞれ実施してきたが、意識して実施していることが少なく、自分が持っている知識の中で対応していた。しかし、講義を受け、改めて実施してきたことの内容を確認すると共に、なぜそう判断し実施していかなければならないのかを関連づけて考え、理解することができた。中でもコミュニケーションが関連する様々な対応については、対処によって結果が大きく変化することも考えられ、影響を受け易く、重要であることを認識した。研修を終えて、今までどちらかと言えば自分自身のこととしてしか捉えていなかったことが、これからは周囲へ目をむけてより努力していかなければならないと思っている。認定看護師としての役割も重要であるが、一看護師としても成長できなければ、何の進歩もみられない。最新情報を得ることや自己学習を行い、目的意識を持って日常の看護実践を重ね、分析力を培い、看護技術の探求を図るよう努力していきたい。
 
 
「専門科目での思い出」
認定看護師教育課程訪問看護学科
 
 共通科目では他の学科の生徒とともに大勢で過ごしていたが、専門科目では専門分野毎に分かれているため、私達も1つの教室で18人一緒に学習する日々が始まった。時には表参道の欅並木を眼下に置きながら、新しい教室の中での講義を受けた。クラスメートは、北は秋田、南は沖縄出身の方まで幅広く、ここでしか出逢えなかったであろう全国から集まった、仲間達との出会いである。私達は、グループワークや授業を通して、少しずつお互いを知った。また、オフの時間を通しても語らい、聴き、励ましあい、ひとときを楽しんだ。一人きりであったら、慣れない生活や厳しい教育期間を乗り越えることは出来なかったかもしれない。日常の生活や故郷を離れ、自分を見つめることのできた貴重な時間であった。クラスメートも同じであったと思う。それぞれが、自分の弱さや、今後のあり方に向き合っていたと思う。
 専門科目では、私が学生の頃にはなかった考え方や講義を受けることができた。時代の流れとともに、看護も大きく変遷してきているが、業務に追われていると置き去りになっていたものがたくさんあり、それらを新たに学ぶことができた。また、業務や経験の中で解決できずに、心の中にそのままに蓄積されていたこともあったが、それらもこの学びの中で解決することができた。実習までのほぼ2ヵ月間という短い期間であったが、これからの基礎となる、大切な考えを多く学ぶことができた。講師の先生達は、私達にとって先人であり、専門職としての生き方や姿勢に、直に接する事ができたことは幸せであった。
 これから私達18人は再び離れ、それぞれの地域で活動していく。何かを変えていこうとする時には、その立場から孤独を感じることもあるかもしれない。そんな時に、遠くであっても一緒に学びあった仲間がいることは心強い。仲間との出会いは今がスタートで、今後、もっと深まっていく関係であるのかもしれない。今後は一緒に学んだ仲間の活躍を励みに、私も住み慣れた地域で活躍していきたいと思う。
 
「専門科目」
認定看護師教育課程訪問看護学科
 
 専門科目では、課程長の佐藤先生の「訪問看護概論」の講義が他の科目に先立って行われました。訪問看護の歴史から現状、期待される役割、経営の方法や法の改正についてなど盛りだくさんの内容でした。私たちに伝えたいという熱い思いが、早い口調とともに、あふれるように先生から流れ出しました。訪問看護を発展させようと奮闘されている佐藤先生や諸先輩方の熱意と努力が伝わりました。規定の時間では足りなくて、学生からのリクエストで補講もしていただきましたが、もっともっと時間をかけて、いろいろなお話が聞きたいと思いました。他の科目でも、訪問看護だけでなく地域ケアシステムを良くしていくこと、そのために行政などに働きかけていくことなど、今までの自分の視野をもっと広げる必要性を認識しました。それぞれの講師の先生方の期待を感じるとともに、「こんな自分でもできるのだろうか」と不安も感じました。また、家族看護やフィジカルアセスメントなど、近年注目されている先生の講義はとても有意義でした。
 これらの講義での学びを、職場へ戻ったらすぐに実践に活かしたいと思っています。今回が一期生ということで、今後の専門科目の充実とさらなる発展を期待したいと思います。支援してくださった日本財団の皆様、ありがとうございました。
 
「半年間の研修を終えて」
認定看護師教育課程訪問看護学科
 
 半年間の研修を終え、早々に職場復帰した1週間。私は自分が訪問看護の専門性について何を学んできたのかが分かったように思う。正直、受講中は、新しい知識や概念を多く学んだにもかかわらず、新鮮な印象はなく、またそれが今後の自分の看護にどのように反映されてくるのかもよく分からなかった。しかし、1つ1つの看護技術、コミュニケーション、利用者と家族をアセスメントする視点、スタッフへの関わり方、同じ訪問看護をしているにも関わらず、半年前の自分とは明らかに違う自分がいることに気がついた。
 訪問看護の専門科目で経た時間は、これまでの経験知を形式知に変換する作業であり、現場に戻った今、1つ1つの看護の中でそれらをさらに積み重ねていける充実を感じている。誰の言葉であったか忘れてしまったが、「学ぶとは、知識や技術を単に増やすことではなく根本的に新しい経験や考えを全人的に受けとめていくことを通して、その人格が再創造されることなのである。」まさに私達の半年間は、新しい環境、新しい出会いの中で、受講や実習を通し「訪問看護とは何ぞや」「認定看護師とは何ぞや」そして「自分とは何ぞや」というところを深めていく作業であったと思う。今、訪問看護の利用者や家族を目の前にして、様々な人生を歩みながらも懸命に生きる人達を心から愛おしく、キラキラと光って見える私がいる。これから私は認定訪問看護師として歩みだす。その中心にこの半年間で得た多くの学びを置いて、今感じている新たな感性を失うことなく進んで行こうと思う。
 
「学外演習」
認定看護師教育課程訪問看護科
 AEDは千葉日赤支部に一日、種類別技術では神奈川県秦野のテルモ研修センターに2日間、継続看護実習はセコメディック病院で半日研修させて頂きました。それぞれ11月、12月、平成18年3月とJNAビルから離れての研修でした。研修場所到達までは、それぞれ一時間以上かけての研修でした。東京都心の喧騒からはかけ離れ、森や木々、田畑が車窓から目に入り、風景は、故郷の長野に帰ったかのようでした。電車に揺られながら、都心に向かう人、人、人。都心から離れる電車も込んでいて人口密度の違いを感じました。また、足を伸ばすと今回のような研修ができる場所、機会があるということを実感しました。
 テルモの研修は多くのスタッフの方に支えて頂き、最新の在宅医療器械の説明を受けながら、実際を経験することができたことは大きな学びでした。18人の研修生に機器等の準備があり、分かり易く視覚、資料を使った説明でした。どうしたら学んでもらえるのか考えながら、準備するもの、時間配分、説明など細かいところまで配慮すること、そして、教えるということには、教える側の一生懸命さが学ぶ側に伝わることも大切であることを学ばせて頂きました。富士山が見える景色も最高、お昼のお弁当も美味しく、帰りの電車のなかでは、早起きの疲れと充実感で心地よい眠りでした。ありがとうございました。


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