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5-1. 大学院生(国公立医学部)
(回答5名) 担当件数:12件 総時間数:331時間
 
5-2. 大学院生(国公立歯学部)
(回答1名) 担当件数:3件 総時間数:90時間
 
質問3 解剖学の実習(見学も含む)に用いる遺体の確保と管理等について
 
(1)所属の大学の遺体と施設を利用:
教授:58名,助教授:38名,講師:31名,助手:1名,大学院:5名
(2)出先の機関,学校に遺体を搬入:
教授:4名,助教授:1名,講師:1名,助手:1名,大学院:3名
 
質問4 今後,医療技術系の養成機関,学校における遺体の確保や利用をどうすべきか,先生の考えを述べて下さい.(複数回答)
 
1位 当分の間,医学・歯学大学の協力が必要 148名
2位 地域ごとに医療技術系教育の拠点を設けよ 50名
3位 死体解剖保存法の運用を見直し独立性を高めよ 38名
4位 展示標本および画像教材に比重を置くべし 31名
5位 医療技術系の専任教員を充実すべし 29名
6位 大学の協力には限界 18名
7位 遺族と献体運動家にもっと理解を求めよ 7名
 
III. 答申の内容
 「医療技術者養成機関における人体解剖学教育の充実と改善について」
 医療技術の質的向上と学生の向学心に応えるため,人体の構造と機能に関する基礎的教育は一層充実されなければならない.本学会は,平成8年,有志評議員の手により「医療技術者養成機関における人体関連教育に関する実情調査(厚生科学特別研究)」を行い,さらに本年,コメディカル教育委員会により「コメディカル解剖学教育への参加・協力の現状」調査を行った.それらの結果に基づき,関係機関ならびに有識者各位に以下の提言を行い,その具体化に向けて特段のご配慮を期待する次第である.
 
1. 専任教員の配置と専門教員の養成
 医療技術職の量の拡大と質の急激な多様化に対処するため,各職種の専門性に相応しい「人体の構造と機能」を教える専任教員を配置するよう早急の措置が取られるべきである.
 専任教員の配置に平行して,各職種の免許資格者の中から有為の人材を選抜し,医学・歯学系大学および大学院等において学位を取得させるなど,中長期的施策として,専門教員の養成を急ぐ必要がある.これについては本学会ならびに会員が所属する医学・歯学系大学が多くの点で協力することが可能であろう.
 
2. 人体関連教育センター(仮称)の設置
 医療技術教育の規模拡大と質の高さへの要望は日々に大きく,医学・歯学系大学が従来の方法で支援・協力することができる限界を越えている.これに対処するためには,全国をいくつかの地域に分け,公設の「人体関連教育センター(仮称)」を,恒久的に,設置するのが有効である.
 センターには,人体解剖学を専門とする若干名の教員および技術員と事務員を置き,人体標本,プラスチック標本,画像教材,専門図書等の作製,収集,管理および展示を行わせる.各養成機関は,施設の営繕,運営等の費用の一部を負担し,専任教員が学生を引率してセンターに赴き,必要な見学と一定の実習を行う.また将来,機能の充実とともに,センターが専門教員の研修機関としての役割を果たすことも期待される.
 センターは,独自に遺体収集・管理に当たるべきであるが,当分の間,域内の大学に依存し,密接な協力を得るのが合理的であろう.
 
3. 死体解剖保存法の条文の見直し
 死体解剖保存法は,医学・歯学の解剖学教育を支持する内容を含み,その精神は最も尊重・遵守すべきものである.しかし医療技術教育の進歩を促す立場から,関連する条文を見直し,十分な施設と人的組織が整っている機関に限り,遺体の収集および管理について,医学・歯学の大学に準ずる扱いを許すことが適当であろうと思われる.
以上


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