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秋田勝美(静岡県)
 このたびの中央研修会に参加させていただいて、ありがとうございました。
 静岡県の沼津では、自転車が、年間1200台も盗まれていました。そこでプロジェクトチームを作り4月から7月までの間一生懸命、皆で抑止に努めました。そうしましたら、ここで30%減になったという発表があり、私は今までこういうボランティアをやって、何をやったらいいかなといつも思っていたんだけれども、ここでやればできる、やろう、そういう気持ちに変わってきました。そこで、地域安全推進の人たちにも、やろうと呼びかけをして、エネルギーを燃やしている現在です。
 今回のこの中央研修会で教わるマップづくりを地元に帰って、絶対にやるという気持ちで、そんな気持ちで帰りたいと思います。実は2、3日前のことですが、私の駐車場に十八歳位の若い人が、前の日の3時頃から朝までセメントのところで寝ていたわけです。可哀そうだから、あんた、そんなところで寝ていて体痛くなっちゃうよ、何かあったの、具合でも悪いのと聞きました。そうしたら、そうじゃないということでしたが、それじゃあ疲れるから、私の家はすぐそばだから、ソファにでもちょっと横になって、それから帰ったらどうだと申し上げましたら、その子がにっこり笑って、僕に有難うと言ってくれました。だからそんな気持ちを、これからも続けながら、若い子どもたちを一人ひとり引っ張っていけるような地域安全推進員になりたいと思っています。終わります。(拍手)
 
青木一夫(群馬県)
 私は群馬県から来ました青木と申します。館林からでございまして、群馬県は一番大きいのはやはり伊勢崎、高崎でございまして、からっ風が吹くのはあちらのほうで、我々館林は、どちらかというと熊谷に近い、茨城県に近いところでございます。
 群馬県で一番初めに自主安全パトロール隊を作ったのが私の町内で、私がリーダーとして設立しました。それが今は群馬県内にだいぶ広がりました。館林でも私が作ってすぐ三つぐらいできたんですが、そのあとできませんでした。そこで昨年市政50周年を記念して、行政からお願いしてやっと皆さん動いてくださいまして46できました。でもまだできていないところはあるんです。このできていない理由は、町会によって高齢化が進んでおりまして、これが一つのネックになっております。地域の町内の半数ぐらいの人が60以上というところもございますし、うちの町内もあと7年しますと、884人位いるのですが、440人以上が60歳以上になってしまいます。そういう高齢化のところでございまして、人的にいろいろと探すのが大変だなというところがあるわけであります。
 私は我々のパトロール隊は何をやろうかということをいろいろ考え、初めは基本的に男性にしました。女性は万が一何かあると困ると思いまして、男性で20代、30代、40代、50代、60代ということで選別しまして、当初意外と応募はあったのですが、10人ぐらいで始めました。それは、うちの隊長を青少年育成委員会の会長さんにお願いしましたのですが、彼がアルコール好きで、10人ぐらいだといつでも終わったあと一杯飲めるじゃないか、それもコミュニケーションの一つではないかということで10人から始めましたが、今は28名位おります。
 そしてチェックするのが、一番は街灯が切れているか、切れていないかのチェック、それからごみを指定された日以外に出していないか不法投棄のチェック。路上駐車も警察とタイアップしながら、ここは路上駐車してはいけませんと黄色い紙を警察に作っていただきまして、それを警察と町内の名前でワイパーのところに貼るという活動をしています。他には、道路のちょっと陥没するようなところがあれば、そういうものもチェックします。それから車も、鍵をチェックしまして、開いているとその家にピンポーンと鳴らしまして、鍵がかかっていないよと知らせる運動もしています。
 我々は朝、週に1回ですけれども、PTAとか育成会とかいろいろありますので各グループで日にちを分けて、朝、子どもたちの通学の危険な道路のところで、信号のないところは旗を持ちまして、町内会で「あいさつ運動」という大きな幟を作り、朝にあいさつをしようという、あいさつ運動もやっております。問題は、本当に高齢化が進んでどうしようかというところです。終わります。(拍手)
 
矢野善三郎(大阪府)
 大阪からまいりました。西防犯協会の副会長をしております矢野です。私が推進しております西六防犯支部の、自主防犯パトロール隊の活動について発表させていただきたいと思います。
 私どもが西六セーフティパトロール隊を発足いたしましたのは、平成15年8月です。当時大阪ではひったくりの発生が27年間連続全国ワースト1という状況にありました。
 私の住む西区でも年間200件もひったくりが発生しており、大阪市24区でワースト3に数えられ、中でも西六地区の発生が目立っておりました。西警察署の皆さんには、これを防止するために一丸となって毎晩町内をくまなくパトロールをしておられまして、大変な苦労をされていたわけでございます。
 こうした中で私たち西六防犯では、警察にばかり任せないで、何とか自分らでできることはないんだろうかということを相談し、警察と住民が合同で夜間のパトロールをしてはどうかという提案をしました。当時西区ではどこもボランティアによる夜間パトロールなどやっておりませんでした。一度やってみようかということが、発足のきっかけということでございます。
 まず西六地区を紹介しますと、西六という名前は西区内を14地域に行政区画割りした際に、6番目に区画が決定したことから西六と書いてこれを「サイロク」と読んだわけです。位置的には大阪市の中心を走ります御堂筋の西側に隣接して、東西約1.5キロ、南北300メートルの細長い地域で、近年では高層住宅化が進みいちだんと都市化され、若者向けのブランドショップも集まりまして、今では大阪で最も若者に人気がある町に成長しております。
 パトロールの方法ですが、この東西に細長い地域を3等分し、東、中、西という順番で、毎月3回金曜日の午後8時から、約1時間地域住民約20名と、それに交番、消防署員、さらには制服のガードマンが加わりまして、総勢30名ぐらいで2班に分けて防犯、防火を広報しながら、町内をくまなくパトロールしております。
 パトロール隊の構成ですが、西六連合の自治会の9人の町会長、並びに24人の防犯委員が中心となりまして、地域住民約120名で構成しております。1回に20名程度ずつ編成し、全員が2カ月に1回程度参加していただくように、無理のないように、長続きするように調整をしております。
 次に予算措置ですが、西六防犯では連合町会に予算配分をお願いしておるわけですが、予算枠外でパトロール隊予算としては、2年間で約80万円の予算を獲得し、ジャンパー、Tシャツ、帽子といったユニフォームのほか、点滅ライト、MDのプレイヤー等の装備品を購入して活用しております。また、防犯の腕章ですが、これは大阪市で平成15年に発足したばかりの、西区安全なまちづくり推進協議会に交渉して、500円の夜光式の腕章120本を調達しております。この物資支援を請求したことによりまして、西六地区が夜間パトロールを行って地域の防犯意識の高揚を図っていることを区民に広くアピールすることができました。また、パトロール中の音声による呼びかけを行うための、防犯、防火の広報用MDの作成を手がけまして、文案は警察と消防に依頼し、これを西六地区の音楽学校の女子生徒の美声で録音していただき、よく通る声で市民の心に響くような広報MDを作ることができました。
 次に、活動に必要なボランティア保険ですが、パトロール参加者名簿に記載した人のみを適用対象とするボランティア保険に契約しました。こうすることによりまして、120名全員が加入する必要はなく、普通1人当たり2,000円で年間24万円の保険料がかかるところが500円で済み、年間18万円も節約することができました。予算的にも大変助かっております。
 次に、効果面ですが4点あります。一つ目には、町会同士の連帯感が強まった。薄れつつある連帯感が戻り、いろいろな行事で地域の方の集まりがよくなって、行事も活発に行われるようになりました。二つ目には、住民の防犯意識が高くなったということでございます。三つ目に町が明るくなった。迷惑駐車、ホームレスも減りました。四つ目に、犯罪の防止等、防犯意識の高揚、効果が見られたことです。警察に聞きますと、犯罪は確実に減っておりまして、特にひったくりは昨年に比べて45%減少しております。パトロール隊の結成以降、西区内全体で犯罪のない町を作ろうという機運が高まりまして、防犯パトロール隊が次々に結成され、現在14地区のうち半数の7地区で夜間パトロール隊が活躍しております。
 最後になりましたが、パトロール隊の活動はまだ始まったばかりでございます。西区全体で考えますと、月に11回も住民による夜間パトロールが行われるということでございます。このような安全で安心して暮らせるまちづくりの活動が幅広く行われ、かつ浸透することをさらに期待して私の発表を終わりたいと思います。ちなみに、西区の人口は現在7万1000名でございます。(拍手)
 
山重憲三(広島県)
 広島からまいりました山重でございます。よろしくお願いいたします。私の住んでおります所は、広島と言いましても、特に繁華街でございまして、広島でも一番の繁華街である薬研堀・流川地区というところです。ここで、まず地域の皆さんで現状を話し合いました。近所の和を深めて、安心して皆で協力していける町にしていこうという意見が多数出ました。そこでまず、自分たちの町は自分たちで守ろうという大きな目標を決めました。
 最初に行ったことは、町内会独自の防犯カメラの設置です。現在、全国各地で多くのカメラが設置されていますが、当時カメラを設置するというのはあまり事例がございませんでした。特に町内会で付けるということはまだどこもやっておられませんでした。町の理解も得ないといけませんし、運用するにも規約も作らなくてはいけないので、我々の力ではわからないことばかりでした。そこで、警察の方と相談いたしまして、運用規定も作りまして平成13年9月に防犯カメラが稼働できるようになりました。これが、我々の防犯意識の始まりでございました。ただ、カメラは犯罪の抑止のためであり、実際には町の一人ひとりが犯罪の起こりにくい環境を作ることが大事だということも教えられました。
 そこで次に行ったことは、住民パトロールでございます。まず参加者を募集いたしました。ほとんどが繁華街のお店の人です。約40名の参加があります。平均年齢は35歳という若さでございます。ただ、町を警察の人と一緒に歩くのではなく、毎回テーマを決めまして、皆さんに長く続けていただけるようにしております。パトロール発足当時、まず自分たちの町を歩いてどう思ったかという会議を行いました。皆さんの感想は、今まで自分の店の前に車を止めていたが、町を歩きにくくしていた。今後車は置かないようにしたい。パトロール活動をする心構えとして、まず自分たちから手本になるような行動をしよう。そこで多くの自分たちのルールを決めました。
 まず看板を下げる。空きスペースを利用した駐輪場の設置。このパトロール活動の大きな目的は、自分たちの意識を変えるということでございました。それから、繁華街ということでございまして、この町に来られた方たちが住所がわからないということも多数聞きましたので、我々の町にあります街路灯に住居表示を作りました。この住居表示というのは、110番や119番通報がスムーズにでき敏速に対応できるように、町内にある64基の街路灯に付けました。この町に初めて来られた人にも住所がわかるようにしてございますので、安心して遊んでいただけるように工夫もしております。
 これからの目的は、自分たちでできることは自分たちで、自己満足では終わらないように、皆さんの興味を寄せていけるように新しい試みを持っていき、継続していこうと思います。防犯活動はアイディアも重要だと思います。これからもがんばりますので、よろしくお願いいたします。(拍手)
 
梅宮幸(福島県)
 福島県郡山市からまいりました梅宮でございます。よろしくお願いいたします。私の属する防犯指導隊というのは、郡山市の人口は約34万弱ですが、その郡山の北部の地域を担当している北警察署の防犯協会の実働隊というようなかたちであります。この防犯指導隊は郡山北警察署管内を9地区に分け、1地区が約10名の隊員で組織されております。
 先ほど、女性の方はちょっと危険があるとかという話もありましたが、私どもの場合には、男性、女性の隊員がそれぞれ約半々ということで、各地区5名ぐらいずつの男女という構成で活動しております。平成6年に発足して現在に至っているわけですが、防犯協会というとある程度町内会を巻き込んだようなかたちでありますので、実際に実働ということで私たちが動いているというようなことでございます。
 活動内容につきましては配布された小冊子の中にあるのですが、我々が軸として動いている事のほかに、同じ北署の管内で犬と一緒に朝に散歩したり、あるいは日中を散歩したりというような方々にご協力をいただいて、犬と健康のケンで「ケンケンパトロール」というようなものを組織していただいて、犬と一緒に散歩した場合に、その地区のいろいろな見回りをしていただくというような活動をしていただいております。また、新興住宅約350世帯ほどの地区なのですが、いろいろな犯罪があったという時期がございましたので、区長さんが中心となって4、5名で夜間毎日8時から10時という、時間を決めまして町内を巡回して歩く。その際に拍子木を打ち鳴らして、こういうことで回っているんだよということを知らしめるということで、地域の安全を保つための活動をしております。
 本日は、全国からお集まりの諸先輩の活動状況をうかがったところでございますので 今後、自分の地域の安全のために、参考にさせていただいて、地域安全のためにがんばりたいと思います。よろしくお願いします。(拍手)
 
中島英雄(長野県)
 私は長野県からまいりました、長野県でも南の端の飯田市というところを中心に活動しているわけでございますが、最初に長野県下全体の事業と言いますと、長野県では以前、皆様方ご承知のように冬季オリンピックがございまして、そのときに県下の警察署員が全部長野に集中いたしました。それぞれの地域に警察官がいないということで、何か地域を守る組織を作ろうということで、各署の警察署長の委嘱で、小さいところで30人、大きい署では40名程度のホワイトエンジェルス隊というボランティア活動隊を組織いたしました。その後ずっと今日まで、パトロールを中心に警察署と連携を深めながら、活動をいたしております。
 次に、飯田市の私どもの事業活動を少しご紹介したいと思います。飯田市は人口がだいたい11万で、その下に18地区に分かれておりまして、それに中堅幹部が18名いるわけでございます。その上に本部会というものを形成いたしまして7人、事務局を入れて8人ですが、形成いたしております。専門の事務局が市役所の中に、交通安全と防犯と兼ねて1人専従しております。すべてそこが事務局の連絡網の中心として活動しているわけですが、常に警察署とも連絡を取り合いながら、必要な事項はそれぞれの18地区へ即、流していくということで活動しています。
 主な活動といたしましては、飯田市で今、1戸1灯運動ということをやっています。それは、自分の家の外周りに、人が行くと光が出るサーチライトを付けていただきたいということで、だいぶ浸透してきております。市内では、3分の1ぐらい普及してきているかなと思いますが、やがては全戸に付けさせる指導をいたしております。
 それから、飯田市内に26の小中学校がございますが、だいたい月に1回、子どもたちに声かけ運動として、幅50センチ、高さ2メートルの、「あいさつをしよう」という大きな看板を3枚ずつ作って、校門の近くの主な辻のところへ立てまして、通学する子どもたちに約1時間、あいさつを呼びかけております。
 それから青色回転灯でのパトロールでございますが、18地区へそれぞれ1台ずつ配置してあります。地域の皆さん方に活動状況をよく理解していただけるような行動を取れるよう、極力時間の許す限りパトロールに従事しております。
 それから、中学生と語る会ということで、年に1度中学校へ出向いてまいりまして、中学生が今の大人の社会に対して何を考えているのか、何を望みたいのかというようなことを出していただきながら、またこちらでも犯罪状況を申し上げ理解していただけるような、会合をもっております。
 あとは、それぞれ皆さん方の地区でもやっておられることばかりであります。パトロールなどは18地区それぞれ自主的にやれと、学校とも連絡を密にしながらPTAとの連携も深め、青少協とも連携を取りながら、常に私どもといたしましても警察署のほうの犯罪状況、社会のいろいろな問題点を取り上げながら、各地区へ即座に連絡を取っているところでございます。主なところは以上でございます。ありがとうございました。(拍手)


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