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7 具体的な航路標識の基本設計例
 先述のとおり、北小島、東小島、観測所基盤及びリーフ上に灯台を設置する場合は施工規模等のいろいろな問題があることから、ここでは、当面の措置として最も可能性が高い既存構造物SEP上に設置する場合の基本設計の1例を提示する。
7.1 灯台の機能
(1)
光度 
290cd(灯質:白色、単閃光、10秒1閃)
(2) 
光達距離
約7海里
(3)
灯器
高輝度LED−V型準拠製品とし現用、予備の構成を検討する。
(4)
電源
太陽電池:
53w,17.4V出力
 
 
蓄電池:
シール型鉛蓄電池、12V130Ah(2個並列)
 
 
制御器:
充電制御
 
 
点滅器:
(日光弁付き全電子式)
(5)
付帯設備
灯台監視装置(衛星回線オーブコム利用の装置で、通常監視項目は、灯器関係及び電源関係とも数項目あるが本装置では必要最小限の「正常」「異常」のみとしている。)
(6)
灯高
居住棟RF+約3.35m(全長 約3.51m)
 
7.2 灯台概観
 これまで沖ノ鳥島での設置実績はないが、当協会が沖縄県の那覇港の入り口に灯台設置提案を行った設計例を示すと図-5のとおりである。本例の特徴は、太陽電池を電源部含み必要機材一式がコンパクトにまとめてある点である。
 ここでは、耐波浪型を採用していることから重量がかなり重くなっているが、既存SEPへの設置が可能となれば波浪による荷重を省略できるので、さらに小型、軽量化が可能と考えられ、部材単体は100kg未満に押さえ、海上運搬及び施工を容易にできる設計とする。
 なお、SEPの管理者によれば、既存SEP上の水きり揚重機の容量は最大100kgということである。
 
写真-5 那覇港防波堤灯台設置例
 
図-5 灯台設計例







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