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別紙4 排気ガス成分の計測に使用する分析器の仕様
(NOxテクニカルコード付録3/第5章参照)
1 一般
1.1 分析器は、排気ガス成分の濃度を計測するために必要な精度に適した計測範囲を持たなければならない(1.5 参照)。分析器はすべて、ガスの流れから連続的に計測ができ、かつ、連続した記録可能な応答を出力しなければならない。分析器は、計測した濃度が、最大目盛りの15%から100%までの間に収まるように作動することを推奨する。
1.2 最大目盛りの15%未満の十分な精度と分解能を持つ装置(コンピュータ、データロガーなど)を使用する場合には、最大目盛りの15%未満の濃度も許容することができる。この場合には、校正曲線の精度を確保するために追加の校正を行わなければならない(別紙5の4.3の2)(4)を参照)。
1.3 機器の電磁適合性(EMC)は、付加される誤差を最小に止める程度でなければならない。
 
1.4 定義
1)分析器の「繰り返し精度」は、定められた校正又はスパンガスに対する10回の繰り返し応答における標準偏差の2.5倍と定義される。
2)分析器の「ゼロ応答」は、30秒間のゼロガスに対する、ノイズを含めた平均応答として定義される。
3)「スパン」は、スパン応答とゼロ応答の差として定義される。
4)「スパン応答」は、30秒間のスパンガスに対する、ノイズを含めた平均応答として定義される。
 
1.5 計測誤差
 分析器の総合計測誤差は、他のガスに対する干渉の影響に対する補正(別紙5の4.4参照)を含み、読みの±5%又は、最大目盛りの±3.5%のどちらか小さい方の値を超えないこと。なお、排気ガス濃度が100ppm未満の場合には、計測誤差は±4ppmを超えてはならない。
 
1.6 繰り返し精度
 分析器の繰り返し精度は、155ppm(又はppm C)を超える濃度に使用するときは各範囲について最大濃度目盛りの±1%以下、また、155ppm(又はppm C)未満の濃度に使用するときは各範囲の±2%以下でなければならない。
 
1.7 ノイズ
 分析器のゼロガス及び校正ガス又はスパンガスに対するピークからピークヘの応答は、どの10秒間を取っても、使用するすべての範囲について、最大目盛りの2%を超えてはならない。
 
1.8 ゼロドリフト
 1時間当たりのゼロドリフトは、使用する最低範囲で、最大目盛りの2%未満でなければならない。
 
1.9 スパンドリフト
 1時間当たりのスパンドリフトは、使用する最低範囲で、最大目盛りの2%未満でなければならない。
 
2 ガス乾燥
 オプションのガス乾燥装置は、計測対象ガスの濃度への影響を最低限としなければならない。化学乾燥器は、試料から水を除く方法としては認められない。
 
3 分析器
 計測しようとするガスを、次に示す計器を用いて分析しなければならない。非線形分析器の場合には、線形化回路を使用することが許される。
(1)一酸化炭素(CO)分析
 一酸化炭素分析器は、非分散形赤外(NDIR)吸光式でなければならない。
(2)二酸化炭酸(CO2)分析
 二酸化炭酸分析器は、非分散形赤外(NDIR)吸光式でなければならない。
(3)酸素(O2)分析
 酸素分析器は、常磁性検知器(PMD)、ジルコニア(ZRDO)又は電気化学検出器(ECS)のいずれかでなければならない。なお、電気化学検出器の場合は、CO2及びNOxによる干渉を補正しなければならない。
(4)窒素酸化物(NOx)分析
 窒素酸化物分析器は、乾き状態で計測する場合には、NO2/NO変換器を設けた化学発光分析計(CLD)又は加熱化学発光分析計(HCLD)でなければならない。湿り状態で計測する場合には、333K(60℃)より高温に保持された変換器をもつHCLDを使用しなければならない。ただし、水によるクエンチチェック(別紙5の4.4の2)II参照)を満足することが条件である。
 
別紙5 計測用計器及び分析器の校正
(NOxテクニカルコード付録4/第5章参照)
1 緒言
1.1 原動機から放出される排気ガスの計測に使用する計測用計器及び分析器は、本別紙の要件に従い必要に応じて校正されなければならない。
 
1.2 1.1による計測結果、試験データ又は本別紙で要求される計算結果については、別紙3に規定する試験報告書に記録されなければならない。
 
2 計測用計器の校正
2.1 校正間隔
 排気ガスの計測に使用する計測用計器は、計測時において、表1から4に規定する校正間隔以内に校正されていること。
 
2.2 試験台における計測用計器の許容偏差
 すべての計測用計器は、表1及び表2の要件に適合し、かつ、国内又は国際標準にトレーサブルに校正されなければならない。
 
表1 試験台における計測に対する原動機に関連する項目の許容偏差
番号 項目 許容偏差(原動機の最大値に対する±%) 校正間隔(月)
1 回転速度 2% 3
2 トルク 2% 3
3 出力 2% -
4 燃料消費量 2% 6
5 空気消費量 2% 6
6 排気ガス流量 4% 5
 
表2 試験台における計測に対する基本的な計測項目の許容偏差
番号 項目 許容偏差
(±絶対値)
校正間隔(月)
1 冷却水温度 2K 3
2 潤滑油温度 2K 3
3 排気ガス圧力 最大値の5% 3
4 吸気マニホルド圧力損失 最大値の5% 3
5 排気ガス温度 15K 3
6 給気温度(燃焼空気) 2K 3
7 大気圧 読みの0.5% 3
8 吸気湿度(相対) 3% 1
9 燃料温度 2K 3
 
2.3 確認のための船内計測に対する計器の許容偏差
 すべての計測用計器は、表3及び表4の要件に適合し、かつ、国内又は国際標準にトレーサブルに校正されなければならない。
 
表3 船内計測に対する原動機に関連する項目の許容偏差
番号 項目 許容偏差(原動機の最大値に対する±%) 校正間隔(月)
1 回転速度 2% 3
2 トルク 5% 3
3 出力 5% -
4 燃料消費量 4%/6%:留出油/残さ油 6
5 燃料消費率 - -
6 空気消費量 5% 6
7 排気ガス流量 5%計算値 6
 
表4 船内計測に対する基本的な計測項目の許容偏差
番号 項目 許容偏差(±絶対値又は「読み」) 校正間隔(月)
1 冷却材温度 2K
3
2 潤滑油温度 2K
3
3 排気ガス圧力 最大値の5%
3
4 吸気マニホルド圧力損失 最大値の5%
3
5 排気ガス温度 15K
3
6 給気温度 2K
3
7 大気圧 読みの0.5%
3
8 吸気湿度(相対) 3%
1
9 燃料温度 2K
3


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