北海道エゾイガイ 高級レストランに認められる!
株式会社 渋谷潜水工業 渋谷 正信
六本木ヒルズ六本木けやき坂通りに2003年12月にオープンした高級イタリアンレストラン『イルムリーノ・ニューヨーク』。
イルムリーノ・ニューヨークは米国レストラン格付けガイドブック「サガット・サーベイ ニューヨーク版」で、19年間連続してイタリアン部門第1位の座に君臨している米国の高級レストラン。
「最高の食材、ガッツィー&ガーリッキーな味、そしてビックポーション」という料理とポリシーが、長年のレストラン格付け第1位を確保している。
◎その「イルムリーノ・ニューヨーク」日本店から、北海道増毛町で漁獲されたムラサキイガイ(エゾイガイ)を、試食材として送ってほしいと2004年4月に連絡が入った。
◎2004年7月に渋谷潜水工業・渋谷正信氏(ムフサキイガイ委員)が地元・漁業者ならびに漁業協同組合と話し合い、採取したエゾイガイを六本木のレストランに送付。
◎最高の食材を提供することをポリシーとしているイルムリーノ・ニューヨークの料理長より、北海道増毛町のエゾイガイは、食材として充分満足するとの回答をいただき、出荷を願いたい旨の回答をもらっている。
◎エゾイガイ(ムラサキイガイの日本産)は流通に出されておらず、地元の方々が昔からの食材として煮つけ、カレーライス、塩焼き、等に食されてきた。
◎ムラサキイガイ委員・渋谷正信氏は、全国のムラサキイガイの生息状況を調査しているが、相当量の資源が潜在していることと、生育が早い(1〜2年で成貝に育つ)ので、海の食糧資源活用には、大きく社会に貢献できると予想している。
◎前述したが、ムラサキイガイの埋蔵量は豊富にあるし、養殖も従来の海洋・海岸構造物を利用することで可能である。また、北海道では昔ながらの隠れた食材として利用されていますし、欧米各国では、ごく一般的な魚貝類食材として人気がある。台湾では、このムラサキイガイを食べさせる専門店が軒を連ね、大勢の家族連れがムラサキイガイの鍋を囲んで食しているリゾートもある。
◎今後の課題として
(1)ムラサキイガイの生態ならびに生息分布の把握(マッピング)
(2)食材としての成分分析
(3)食材としての料理法の研究・開発
(4)食品としての流通分野への働きかけ
(5)ムラサキイガイの活用分野の研究・開発
(6)世界各国でのムラサキイガイの活用状況の把握
などが挙げられる。
◎このようなムラサキイガイの持つ食材としての潜在的ポテンシャルを引き出すことは、日本の水産業ならびに流通・経済に大きく寄与することになろう。もしかしたら、日本の食糧資源活用の歴史に残るひとつになるかもしれません。
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