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8.45 当委員会は、技術部会のガラパゴス諸島PSSA提案の見直し実施において、以下の事項がコメントされていることを銘記した。
 
.1 当部会は、追加情報を加えた当該申請については、当部会報告書の附属2に記載のとおり、PSSAガイドラインの生態学的標準のすべてを満足しているものと認めた。
 
.2 当該域の説明書に関連して、当部会は、エクアドルが、利用者にとってより簡便にするように、緯度・経度の小数点以下を丸めるつもりであることを銘記した。
 
.3 当部会は、エクアドル提供の水路学的状況に関連する追加情報を銘記した。
 
.4 エクアドルは、当該水域の特定の脆弱性については、貨物として油及又は有害・有毒危険物質を運搬する船舶に起因し、かつ、当該水域にとっては、たった1回の流出でさえ、あまりにも危険度が高すぎると説明した。
 
.5 当部会は、特定の脆弱性に対処するAPMについては、法的根拠が必要であることを銘記した。特定の脆弱性に取組んだ際に、当部会は、提案PSSAの外側でPSSAに近接するAPMとしての回避区域を提案するというエクアドルの意図を銘記した。
 
.6 当部会は、2005年のNAVに対し、SOLAS第V章第10規則と整合したこのAPMを提出すること、また、このAPMが貨物として油及び有害物質を運搬する500総トン以上の船舶に適用されることになるというエクアドルの意図を銘記した。国家主権による免責特権を与えられている船舶については、SOLAS条約第V章第1.1規則で対処されることを銘記した。
 
.7 当部会は、エクアドルが当該APM提案を提出する際に考慮すべき2つの事項について提起した。第1事項については、回避区域については、PSSAを含めすべての海域をカバーすべきものなのかどうか、また、第2事項については、回避区域が適用される船舶に多量の燃料油を運送している船舶を含むべきかどうかというものである。
 
.8 エクアドルは、国連海洋法条約(UNCLOS)に反映されている国際法に従って提案APMを履行するという同国の意図について確認した。
 
8.46 当委員会は、技術部会のバルト海水域PSSA提案の見直し実施において、以下の事項がコメントされていることを銘記した。
 
.1 当部会は、追加情報を加えた当該申請については、当部会報告書の附属3に記載のとおり、PSSAガイドラインの生態学的標準については、1つだけを除き、他のすべてを満足しているものと認めた。
 
.2 国際海運活動に係る当該水域の特定の脆弱性に関連して、当部会は、貨物として運搬される油及び有害・有毒物質並びに燃料油の運送に対し当該水域が脆弱であり、加えて、既存の交通量及び交通量増加予測が水域への危険性を高めることを銘記した。
 
.3 当部会は、特定の脆弱性に対処するAPMについては、法的根拠が必要であることを銘記した。特定の脆弱性から当該水域を保護するための既に実施されているIMO方策の問題と関連して、スウェーデンが、すべての既存の方策を総合して(15の分離通航方式など)バルト海水域全体が保護されていることを指摘した。当部会は、既存IMO方策のそれぞれへの具体的情報を銘記し、将来の申請においては、当該情報を広く提供すべきことで合意した。スウェーデンは、現行の申請にはいかなるAPMも含まれていないが、バルト海諸国が、2005年のNAV小委員会に、適切な法的根拠を伴ったAPM提案を提出することを表明した。
 
.4 提案PSSA説明書に関連して、スウェーデンが、事務局と協力して追加の情報を提供した。当部会は、提案PSSAにおける緯度・経度の若干数のものについて、見直しの必要性があり、文書MEPC 51/8/1附属4に含まれている地図についても修正の必要があることを銘記した。
 
.5 当部会は、船舶交通の特徴に関連して提供された追加情報を銘記した。しかしながら、一代表団が、この特徴については、情報としてまだ不十分であると考えていた。
 
.6 新たなAPMが提案されなかったことから、見直し様式第5.3〜5.6項の質問事項については何も決定もできなかった。当部会は、将来の申請においては、既存及び提案APMについては、これらの方策をいかにして特定された脆弱性と船舶とを結びつけて適用するのかが具体化されるべきことで合意した。
 
8.47 当委員会は、上述各コメントを銘記して、以下の措置を講じた。
 
.1 非公式技術部会の議論及び結果について総体的に銘記し、技術部会報告書を承認した。
 
.2 カナリア諸島のPSSA指定を原則的承認し、スペインが、2005年NAV小委員会に対し、APMのための詳細な提案を提出することを銘記した。当該NAVにおいては、MEPCに勧告への用意しなければならない。
 
.3 ガラパゴス諸島のPSSA指定を原則的承認し、エクアドルが、2005年NAV小委員会に対し、APMのための詳細な提案を提出することを銘記した。当該NAVにおいては、MEPCへの勧告を用意しなければならない。
 
8.48 ロシア代表団が、提案されたバルト海水域のPSSA指定提案に関する非公式技術部会報告書を銘記して、当部会報告書が、決議A.927(22)の下のPSSAガイドラインの見地から、特に、すべての利害事項の徹底的検討(第1.4(b)項)、また、調和したPSSA提案策定のための特定区域内における共通の利害に関する各国間での協議(第3.1項)という、同ガイドラインの下の義務について、どのように理解されるべきか問いただした。
 
8.49 さらに、ロシア代表団は、当委員会に対し、ロシアの利益をないがしろにする、バルト海水域PSSA指定については、原則的に承認しないよう助言した。PSSA指定については、バルト海全体としてではなく、バルト海の一部とすべきである。
 
8.50 パナマの代表団が、ロシアの見解を支持した。
 
8.51 スウェーデン代表団が、ロシアについては、技術部会報告書に記載(MEPC 51/WP.9附属3、懸案第2.6項)のように、協議を持ち掛け、PSSA申請書作成への参加を求めたが、ロシアが辞退したことを当委員会に報告した。スウェーデン代表団は、PSSA指定を提案しているバルト諸国の代表団が、2005年NAV小委員会への関連保護方策提案の提出時に、適切な法的根拠を提供することを改めて表明した。
 
8.52 当委員会議長が、非公式技術部会が、現行PSSAガイドラインに従って措置したと述べ、当委員会に対し、当該申請見直しにおける当部会の専門的知見を受け入れるよう助言した。
 
8.53 上述のコメント及び大多数の代表団の見解が銘記され、バルト海水域のPSSA指定を原則的承認することで合意された。また、関係諸国が、MEPCへの勧告を準備すべき2005年NAV小委員会に対し、APMのための詳細な提案を提出することについても銘記された。
 
8.54 ロシア代表団が、この決定については、決議A.927(22)の下のPSSAガイドラインに違反しており、IMOの精神及び慣例に反していると述べた。同代表団は、この決定を履行しない権利を保留した。要請に従って、ロシアの代表団声明を本報告書附属8に添付している。
 
8.55 最後に、当委員会は、将来のすべてのPSSA申請については、いかなるAPMのための法的根拠並びにPSSA及びAPMが記載された海図を含め、PSSAガイドライン応諾のための具体的事項について、完全かつ包括的な情報が含まれるべきというMEPC決定を繰り返し表明した。
 
8.56 キューバ代表団が、当委員会により、ガラパゴス諸島、カナリア諸島及びバルト海のPSSAとしての指定について原則的承認されたことに感謝の意を表明した。
 
9 受入施設の不備
9.1 当委員会は、MEPC 48において、受入施設の不備の申し立てに関するIMOへの文書提出がほとんどなかった旨銘記されていることを想起した。また、廃棄物受入施設に関する報告書作成の全体的目的については、海運への当該施設有効性の改善を奨励し、船舶がMARPOL 73/78で定義されている廃棄物の不法排出/投棄を最小化/防止するために利用することにあることも銘記されている。その結果、当委員会は、状況を改善するために、FSI小委員会に、報告手続きを含む関連事項を検討するよう指示した。
 
9.2 また、当委員会は、FSI 11が、IMO事務局に対し、FSI 12による審議のために、MARPOL 73/78附属書I、II及びVに規定されている報告についての有効性、用途及び目的を含む受入施設報告要件並びに港湾廃棄物受入施設の適切性を確保するためのガイドラインに関する文書を要求し、文書FSI 12/18として発行されたことを想起した。
 
受入設備に関するFSI 12の結果
 
9.3 当委員会は、MARPOL 73/78の規定の下の港湾廃棄物受入施設のための既存の報告システム及び決議MEPC.83(44)により採択された港湾廃棄物受入施設の適切性を確保するためのガイドラインに関するFSI 12の結果報告書(MEPC 51/WP.11)を銘記した。また、FSI 12は、事務局により用意された文書FSI 12/3/2に含まれるMEPC/Circ.349に従って、港湾受入施設の不備の申し立てに関して、2002年及び2003年にIMOが受取った報告書の要旨を見直しした。
 
9.4 また、当委員会は、FSI 12が、MEPC/Circ.349に含まれる報告書式は、汚水(MARPOL附属書IV)及びオゾン層破壊物質と排気ガス洗浄装置残渣(MARPOL附属書VI)を含むように更新するべきことで合意し、IMO事務局に対し、FSI 13における審議のために適切な提案を用意するよう要求したことを銘記した。
 
9.5 さらに、当委員会は、廃棄物受入施設報告要件の実施促進のための見解とともに、文書MEPC 51/WP.11及びFSI 12に要約されているように、MEPC/Circ.349に従った既存の報告要件についての低レベルの実施も銘記し、以下の事項について事務局に要求した。
 
.1 FSI 13での審議のために、文書FSI 12/18に含まれる情報に基づく、廃棄物受入施設報告要件を一覧にしたMEPC回章案を準備すること。
 
.2 廃棄物受入施設報告要件の実施の低レベルについての、原因、問題領域及び困難性を特定する目的の調査に着手し、この問題を軽減するための方策を提案すること、また当該調査結果をFSI 13に提出すべきこと。
 
.3 廃棄物受入施設の有用性に関する情報が報告寄港国により自動的に更新でき、かつ、リアル・タイムに近いデータとしてIMOのウェブサイトで利用可能となるように、Global Integrated Shipping Information System(GISIS)と港湾受入施設のデータをリンクすることに関する情報を収集し、FSI 13での審議のための適切な提案を用意すること。
 
9.6 ノルウェー代表団が、港湾受入施設の不備の申し立てに関して、2002年及び2003年にIMOが受取った報告書の要旨(文書FSI 12/WP.8、第3.10項にも記載されている。)を含む文書FSI 12/3/2に、当委員会の注意を喚起した。
 
9.7 また、ノルウェー代表団は、IMOに提供された情報(FSI 12/3附属3)には完全に合致していないが、2年以上の期間に、4つの加盟国から19の港湾について、わずかに19の報告を受け取ったことを指摘した。同代表団は、当委員会が低い報告頻度の問題を検討することを提案し、旗国に対し、所属船舶による受入施設の不適切性の報告を催促し、また、その件をMEPCに報告するよう要請した。
 
9.8 FSI 12において、パナマ代表団が、船舶による低い報告頻度について特定される一原因として、港湾受入施設の不備の申し立てへの“報復の恐れ”があることを指摘した。リベリアの代表団が、受入施設の不備の報告については、寄港国によって行われるべきという見解を述べた。オーストラリア代表団は、このような報告においては、廃棄物の計画的陸揚げの数も考慮されるべきであると指摘した。
 
9.9 議長は、FSI 12の完全な報告書がMEPC 52の前に利用可能になり、ノルウェーの代表団によって提起された問題については、FSI 13による検討のため、MEPC 52において再審議することになるという所見を述べた。
 
9.10 当委員会は、受入施設不備申し立て報告問題については、MEPC 52において再審議することで合意し、事務局に対する、FSI 12からの本件に関する助言を是認した。
 
9.11 当委員会は、IMOのITCP主催の下に実施した、港湾受入施設の技術支援計画の完成に関するナイジェリア代表団の声明を銘記した。
 
東側バルト海諸港における廃棄物受入施設のHELCOM情報システム
 
9.12 当委員会は、ヘルシンキ委員会より提供された、東側バルト海諸港における廃棄物受入施設のHELCOM情報システムに関する情報(MEPC 51/INF.9)を銘記した。このシステムはデンマーク、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド及びロシアの約100の諸港での船舶発生廃棄物の陸揚げの可能性に関する情報を提供したものである。


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