a. オゾン気泡上昇速度測定方法
写真II.5.3-1には、処理水の停留タンク注入状況を示した。
オゾン気泡の上昇速度は、アクリル製の停留タンク前面にメジャーを取り付け、下層から現れる気泡が抜けた透明層と気泡が混濁した白色層との境界線が移動する時間を測定することで計測した。
写真II.5.3-1 処理水の停留タンク注入状況
b. 水質メーターによる測定方法(水温、塩分、pH、溶存酸素量、濁度、電気伝導度、密度)
水質メーターによる測定は、これまでの試験の結果では、処理前後でほとんど変化が認められなかった。よって、測定の対象は未処理原水だけとした。測定は、「表II.5.1-3の水質メーターの測定原理等」と同じメーターを使用した。
c. 水中オゾン濃度測定方法
表II.5.3-3には、水中オゾン濃度測定場所及び時間を示した。
水中(溶存)オゾン濃度の測定方法は、「5.2 IMO基準対応システムの試験」と同じインディゴ法によった。測定のためのサンプリング位置は、スペシャルパイプの直後、停留タンク、貯留タンクである。サンプリング時期は、スリット直後、停留タンク注水10秒、20秒及び30秒後、貯留タンク注水直後、1.5時間後、3時間後及び6時間後である。なお、表II.5.3-3には、試験系へのオゾンを注入時(ミキサーパイプからの注入時)からの起算時間も併せて示した。
分析は、サンプリングした後、速やかに室内で行った。
表II.5.3-3 |
IMO排出基準対応改良システム(SPHS-V1)の試験における水中オゾン濃度測定場所及び時間 |
|
測定(サンプリング)場所及び時間 |
試験系にオゾンを注入してからの起算時間 |
(1) |
スリット直後 |
15秒後 |
(2) |
停留タンク注水 10秒後 |
30秒後 |
(3) |
〃 20秒後 |
40秒後 |
(4) |
〃 30秒後 |
50秒後 |
(5) |
貯留タンク注水 直後 |
60秒後 |
(6) |
〃 1.5時間後 |
5,445秒後 |
(7) |
〃 3時間後 |
10,845秒後 |
(8) |
〃 6時間後 |
21,645秒後 |
|
d. 水中オキシダント濃度測定方法
表II.5.3-4には、水中オキシダント濃度測定場所及び時間を示した。水中オキシダント濃度は、次に示すヨウ素滴定法で分析した。測定のためのサンプリング位置は、貯留タンクである。サンプリング時期は、貯留タンクに注水直後、注水直後から5分後、10分後、1時間後、6時間後、24時間後、48時間後、72時間後及び120時間後である。なお、表II.5.3-4には、試験系へのオゾン注入時(ミキサーパイプからの注入時)からの起算間も併せて示した。
分析は、サンプリングした後、速やかに室内で行った。
表II.5.3-4 |
IMO排出基準対応改良システム(SPHS-V1)の試験における水中オキシダント濃度測定場所及び時間 |
|
測定(サンプリング)場所及び時間 |
試験系にオゾンを注入してからの起算時間 |
(1) |
貯留タンク注水開始時 |
45秒後 |
(2) |
(1)から5分後(300秒後) |
345秒後 |
(3) |
〃 10分後(600秒後) |
645秒後 |
(4) |
〃 1時間後 |
3,645秒後 |
(5) |
〃 6時間後 |
21,645秒後 |
(6) |
〃 24時間後(1日後) |
86,445秒後 |
(7) |
〃 48時間後(2日後) |
172,845秒後 |
(8) |
〃 72時間後(3日後) |
259,245秒後 |
(9) |
〃 120時間後(5日後) |
432,045秒後 |
|
【ヨウ素滴定法】
(1)あらかじめヨウ化カリウム2gを入れた300 三角フラスコに試験水50 をピペットで入れる。
(2)三角フラスコを静かに振り、ヨウ化カリウムを溶解する。
(3)硫酸5 を添加し混合する。
(4)暗所に5分間静置する。
(5)イオン交換水で100 に定容する。
(6)遊離ヨウ素を0.005mol/ チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、溶液の黄色が薄くなったのを確認後、でんぷん指示薬を1 添加する。
(7)ヨウ素デンプンの青色が消えるまで再滴定する(滴定量:a )。
(8)オゾンを注入しない原水について同じ方法で滴定する
(滴定量:b )。
(9)下式によりオキシダント濃度を計算する。
オキシダント濃度(mg/ )=(a−b)×f×0.120×1000/検水量( )
但し、f: チオ硫酸ナトリウムのファクター
e. 溶存有機炭素(DOC)及び粒子状有機炭素(POC)の分析方法
未処理原水を対象に、「5.2 IMO排出基準対応システムの試験」と同じ方法で行った。
f. 浮遊物質量(SS)の分析
浮遊物質量(SS)は、環境庁告示第59号付表8に従い試験水をGF/Fフィルターによりろ過し、フィルター上に捕集された物質の重量を測定し定量した。対象水は、溶存有機炭素(DOC)及び粒子状有機炭素(POC)と同じ未処理原水である。
g. 気相のオゾン濃度測定
表II.5.3-5には、気相オゾン濃度測定場所及び時間を示した。
気相オゾンの測定方法は、「5.2 IMO排出基準対応システムの試験」と同じ検知管である。測定のためのサンプリング場所は貯留タンクで、処理水が満水となった後に、水面直上で行った。サンプリング時期は、満水後直後、満水後から10秒後、30秒後、1分後、5分後、10分後、30分後及び1時間後である。なお、表II.5.3-5には、試験系へのオゾン注入時(ミキサーパイプからの注入時)からの起算間も併せて示した。オゾンを注入してからの起算時間も併せて示した。
表II.5.3-5 |
IMO排出基準対応改良システム(SPHS-V1)の試験における気相オゾン濃度測定場所及び時間 |
|
測定(サンプリング)場所及び時間 |
試験系にオゾンを注入してからの起算時間 |
(1) |
満水直後 |
180秒後 |
(2) |
(1)から 10秒後 |
190秒後 |
(3) |
〃 30秒後 |
210秒後 |
(4) |
〃 1分後 |
240秒後 |
(5) |
〃 5分後 |
480秒後 |
(6) |
〃 10分後 |
780秒後 |
(7) |
〃 30分後 |
1,980秒後 |
(8) |
〃 1時間後 |
3,780秒後 |
|
h. 水生生物の分析方法
50μm以上、50μm未満10μm以上の水生生物、大腸菌群及び従属栄養細菌の全項目共に、「5.2 IMO排出基準対応システムの試験」から同じ方法である。
|