3. 性能向上システム検証機の設計
3.1 スペシャルパイプ基本性能向上システムの設計
図II.3.1-1には、「2.1スペシャルパイプ基本性能向上システムの企画・検討」に基づくスペシャルパイプのスリット板及び衝突板の構造図を示した。図には、スリット幅0.5mmの場合を代表例として示した。他に、スリット幅0.3mmと0.1mmの場合を設計した。なお、衝突板隙間は全てのスリット幅共通で1.5mmとし、衝突板の配置は各スリットの位置に合わせた。表II.3.1-1には各スリット幅の場合のスリット総面積を示した。
図II.3.1-1 |
スペシャルパイプ基本性能向上システムに用いる
スペシャルパイプのスリット板及び衝突板の構造図(スリット幅0.5mmの場合) |
表II.3.1-1 |
スペシャルパイプ基本性能向上システムに用いる
スペシャルパイプのスリット幅とスリット総面積 |
スリット幅mm |
スリット総面積mm2 |
0.1 |
53.6 |
0.3 |
155.6 |
0.5 |
219.4 |
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図II.3.2-1には、「2.2 IMO排出基準対応システムの企画・検討」に基づくシステム全体図を示した。
スペシャルパイプは、後述する「5.1スペシャルパイプ基本性能向上システムの試験」結果から、水生生物殺滅効果が高くエネルギー効率面でも許容範囲と判断されたスリット幅0.3mmのスリット板を用い、スリット部流速は約40m/secに設定することとした。
オゾン注入は、高圧ポンプの直前に散気管を用いる方式とした。オゾン発生機の能力は100g/hrで、最大流量20m3/hrに対して、最大注入オゾン濃度5mg/Lの設定が可能なように設定した。
図II.3.2-1 IMO排出基準対応システム全体図
(拡大画面:41KB) |
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3.3 IMO排出基準対応改良システム(SPHS-V1)の設計
図II.3.3-1には、「2.3 IMO排出基準対応改良システム(SPHS-V1)の企画・検討」に基づくシステム全体図を示した。
スペシャルパイプは、「3.2IMO排出基準対応システムの設計」と同様に、後述する「5.1スペシャルパイプ基本性能向上システムの試験」結果から、水生生物殺滅効果が高くエネルギー効率面でも許容範囲と判断されたスリット幅0.3mmのスリット板を用い、スリット部流速は約40m/secに設定することとした。
オゾンは、高圧ポンプの直前に気液混合装置ミキサーパイプで混合させながら注入し、オゾンの溶解を促進させた。また、高圧ポンプからスペシャルパイプまでの距離も短くし、オゾン注入後約10秒でスリットを通過するように設計して、スリット通過によるオゾン溶解促進効果も高めた。オゾン発生機の能力は「3.2 IMO排出基準対応システムの設計」と同様に、100g/hrで、最大流量20m 3/hrに対して、最大注入オゾン濃度5mg/ の設定が可能なように設定した。
なお、オゾンの腐食等の船体への影響に関する基礎データの取得も可能にするために、スペシャルパイプの後にバラストラインを想定した停留タンクを設けた。スペシャルパイプ通過後からこの停留タンクを通じて、バラストタンクを想定した貯蔵タンクまでの時間は約40秒になるように設計した。この約40秒は、実際の貨物船におけるバラストポンプからタンクまでの最短の時間と概ね一致する。
図II.3.3-1 IMO排出基準対応改良システム(SPHS-V1)全体図
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