II 研究の内容
本調査研究の基本方針は、水生生物の移動防止効果に加え処理後の排水時における環境への影響を極力抑えつつ、国際バラスト水管理条約の高度化基準を満足し、運用性、経済性等においても優れた実用性の高いバラスト水処理システムを開発することである。また、国際的な容認を得るための活動を行うとともに、規制内容及び各種論議への参考資料を提供する。
研究の対象範囲は、平成15年度事業において一般商船に搭載し当該船舶の通常運航に即した形で検証を行った「プロトタイプ実機」の性能をさらに向上させ、病原菌対策等、国際バラスト水管理条約下の高度化基準(IMO排水基準)等を満足するシステムの開発である。また、本性能向上システムの有用性を国内外に周知するとともに、関連する情報の収集も対象範囲とする。
本年度の研究方法は、平成15年度事業のプロトタイプ実機をベースとし、さらに性能を向上させるため学識経験者やメーカーなどと協議を行いながら進めた。
研究の成果は、IMO/MEPCなどの国際会議だけでなく、国内における会議にも参加・発表し、マスメディアや各種機関誌等にも積極的に公表することで本事業に係る周知及び容認活動を行った。
また、国際会議等におけるバラスト水性能(排出)基準などのバラスト水管理に関する情報収集も積極的に行い、その情報を基に、開発メーカー、ポンプメーカー、船社、造船所等と共同で性能向上システムの開発に関する協議・検討を行った。
図II.1.3-1には本事業の構成フローを示した。また、図II.1.3-2には、検討実施手順フローを示した。
[平成15年度プロトタイプ実機]
図II.1.3-1 事業構成フロー
図II.1.3-2 検討実施手順フロー
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