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東南アジア諸国における安全保障
 (テロリズムと海賊行為によって、東南アジア諸国連合の首脳陣は、東南アジア諸国における安全保障の枠組みの早急な創設を呼びかける。)
 東南アジア諸国連合(アセアン)の首脳陣は、昨日域内における「安全保障共同体」の創設を通して、テロリズムや海賊行為や他の国際犯罪を阻止するためのアセアン諸国の連携を強化することを誓った。
 首脳会談後に、国境紛争の解決や政治的協力を強化する枠組み作りに向けての議長声明が発表された。
 インドネシアは、来る2004年に、東南アジアの安全保障について具体的な行動計画を策定する役目を任されている。アセアン首脳陣は、2004年のラオスの首都、ビエンチャンで開かれるアセアン・サミットで、この件について、十分に進展させるよう計画している。
 ある情報筋によると、この計画を促進するには、アセアン諸国の経済共同体との連携が不可欠であり、結果として、投資家へのアセアン諸国の魅力を改善することになる。
 インドネシア政府のアドバイザーであるリザル・マラランジェン氏は次のように説明した。「東南アジアに政治体制の違いや、不安定な安全保障の情勢があればあるほど、ビジネスは減る。投資家にとっては、東南アジアが安全になれば、魅力が増す。だから、単に経済的に連携するだけで、共通の安全保障問題を議論しないのでは不十分である。」
 インドネシアの外務省のスポークスマン、マルティ・ナタレガワ氏は、安全保障問題は、アセアン諸国が過去数年の間、経済の密接な繋がりを組み立てるなか、提議されない状態にあったと同意した。また、氏は次のように語った。「安全保障共同体は、東南アジアでの紛争問題の解決のための独自の選択肢を与え、共通の安全保障問題を解決するための協力を促進するであろう。このような安全保障共同体の動きが、いずれは、東南アジアは紛争の多い地域だという認識を一掃する。」
 アセアン首脳にとって、テロリズムがひとつの明らかな共通の問題であるなか、安全保障共同体で焦点となる他の国際犯罪として、海賊行為や人と物の密輸の問題についても議論された。海賊行為は、東南アジア諸国にとって、まさに最大の不安材料である。
 ロンドンに拠点を置く国際海事機関によると、インドネシア、シンガポール、マレーシアの領海で、今年の1月から6月までに、108件の海賊による襲撃事件が発生している。その合計は、今年の上半期の全世界での234件の海賊行為の半数以上を占めている。インドネシア、シンガポール、マレーシアの3国は、過去において、海賊の活動を阻止しようと共同で対応したが、インドネシア政府の高官が言うところによると、アセアン安全保障共同体の枠組みを通して、さらにいろんなことが、可能になるとのことです。
 密輸は、インドネシアにとって重大な問題である。インドネシアには、マレーシアとの間に、長い容易に出入りのできる国土の境界線があり、巡視の行き届いていない多数の小さな島々で密輸は多発している。
 他のアセアン首脳陣は、安全保障共同体案の大まかな基本方針に合意しているが、次回のアセアン・サミット前までに多くのことが決められなければならない。
 ある高官は次のように語った。「安全保障共同体の活動範囲についてはまだ名案を案出する必要があり、計画の詳細について、かなり細かく議論することは、時期尚早である。
 アセアン各国がこの問題について検討するのに、それぞれ独自の優先事項があり、この行動計画を考案する政府高官による特別委員会が、年内にアセアン各国の意見を考慮しなければならない。」
(2003年10月9日 ストレート・タイムズ)
 
身代金の支払い拒否、サバ誘拐事件
 今月5日にサバ州のリゾート施設で外国人6人が誘拐された事件で、犯人グループが施設のオーナーに身代金1,000万リンギを要求していたことが20日、明らかにした。
 各紙が報じた。この問題でチョー・チーヘン副内相は政府が身代金を支払う可能性について、「犯罪行為に妥協するつもりはない」と否定。「ほかの犯罪と同様に対処する」などと語った。
 事件現場は、州都コタキナバルから300キロメートルほど離れたラハッドダトゥ近郊のボルネオ・パラダイス・エコファーム。副内相は、連れ去られたフィリピン人とインドネシア人それぞれ3人の無事は確認しているとした。
(2003年10月22日 NNA)
 
海事保安・船員政策など協力プロジェクト採択へ 日・アセアン交通大臣会合
 日本とASEAN(東南アジア諸国連合)10ヶ国は25日、「第一回 日・アセアン交通大臣会合」をミャンマー(ヤンゴン)で開催し、交通分野における日・アセアンの連携の基本枠組みと、交通分野の具体的な協力プロジェクトを決定する。海上交通セキュリティー協力や船員政策、日・アセアン物流ネットワーク協力などのプロジェクトが採択される予定。
 今会合で採択される予定の海上交通セキュリティー協力プロジェクトでは、来年7月に発効する海事保安対策の改正SOLAS(海上人命安全条約)に対応するための情報交換の場を設ける。途上国による改正SOLAS条約への対応が困難視されるなか、日本は改正SOLASに関するセミナーなどを開催して途上国の支援を行う方針。船員政策に関するプロジェクトでは、フィリピンなど世界的な船員供給国の多いアセアン諸国と海運国の日本との間で船員政策に関する情報交換の場を設置。アジアで船員政策に関する共通理解を形成し、国際海事機関(IMO)など国際会議の場に臨む体制を整えるのが目的。
 日・アセアン物流ネットワーク改善計画プロジェクトは、アジア域内での効率的な物流システムの構築を目指すもので、当面はアジア域内の物流効率化の阻害要因などを調査し、将来的に物流ネットワーク改善計画を策定する。
 大臣会合で採択される予定の協力プロジェクトにはそのほか、テクノ・スーパー・ライナー(TSL)、メガフロート(大型浮体式海洋構造物)の利用促進プロジェクトなどが候補に残っており、現在各国間で調整中。
 会合にはアセアン諸国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の交通大臣が参加。日本からは、国土交通省の鶴保政務官、中本大臣官房審議官らが出席する。
(2003年10月22日 日刊海事通信)
 
マレーシア誘拐事件、人質5人殺害か
 今月5日にマレーシア・サバ州のリゾートで誘拐された外国人6人のうち、5人が殺害されたもようだ。フィリピン国家警察が28日発表したところによると、このことは誘拐犯グループから逃げ出すことに成功した人質の1人、インドネシア人のノノイ・アルクシン氏の証言で明らかになった。
 アルクシン氏は27日午後、フィリピンとマレーシアの国境近く、タウィタウィ州ラングヤンで当局によって保護された。同氏の話では、残りの5人は同日、誘拐犯と警察の交戦の最中に殺害されたという。またロイター通信によると、身代金の釣り上げに失敗したのも要因の一つとされる。
 先の報道によれば、人質の中にはフィリピン人3人とインドネシア人3人が含まれていた。警察は28日午後時点、依然、誘拐犯を捜索中という。
(2003年10月29日 NNA)
 
インドネシアで再びテロを計画=マレーシア国籍のアザハリ容疑者
 インドネシアのダイ国家警察長官は、バリ島で起きた爆弾テロなどに関与した疑いで指名手配しているマレーシア国籍のイスラム過激派メンバー、アザハリ容疑者(42)がインドネシア国内で別のテロ事件を計画しているとみて捜査していることを明らかにした。同国警察はジャカルタで起きた米系ホテル爆弾テロ事件の容疑者2人を逮捕。この2人に対する取り調べからアザハリ容疑者が新たなテロを計画していることが判明した。同容疑者は2人と行動をともにしていたが、警察の動きを察知し爆弾などを持って逃亡した。
 アザハリ容疑者は、ジョホール州のマレーシア技術大学の元講師。昨年10月のバリ島爆弾テロと今年8月にジャカルタのホテルで発生した爆破事件の両方に関与したとされている。
(2003年11月3日 時事速報シンガポール)
 
タイのパイプライン計画に日本企業が関心=プロンミン・エネルギ―相
 タイのプロンミン・エネルギ―相は5日、記者団に対し、同国を横断する石油パイプラインの敷設計画に三井物産や伊藤忠商事が主導する建設会社や商社が関心を示していることを明らかにした。また、新日本製鉄やトーメンのほか、日本の経済産業省も興味を示しているという。
 計画は、混雑するマラッカ海峡を迂回し、北東アジアへの輸送時間を最大で5日間短縮することを目指しており、事業規模は7億2000万ドル。当初の輸送能力は日量で最大200万バレルとなる予定。
 中東産原油の輸出経由地として巨大な極東市場への供給を図るため、総延長が240キロに上る6車線の道路と線路を建設し、石油・ガスパイプラインを並行して敷設する計画だ。同相は、日本との間でプロジェクトを協議するための会合が今月中に開催され、5ヶ月以内に計画を具体化させるとの見通しを明らかにした。また同相は、シンガポール政府がプロジェクトに参加したいとの意向を伝えてきたことを明らかにした。
(2003年11月6日 時事速報シンガポール)
 
埋め立て工事の影響調査で委員会メンバーの人選を協議へ=星・馬
 シンガポールのトミー・コー無任所大使はこのほど、CNNテレビとのインタビューで、同国とマレーシアの政府幹部が今月20−22日にクアランプールで、シンガポール領内の海岸線埋め立て工事が、マレーシアの環境に与える影響を調査する独立した専門家委員会メンバーの人選について協議することを明らかにした。国連海洋法裁判所(ITLOS)は先月8日、シンガポールの海岸線埋め立て工事に対するマレーシアの差し止め請求を退けたが、シンガポール領内のテコン島やトゥアス沖の埋め立て工事が与える影響を調査する独立委員会の設置を命じた。コー無任所大使は、同裁判でシンガポール側法律チームの代表を務めていた。
 独立専門家委員会は、埋め立て工事の推移を監視し、1年以内に工事が環境被害をもたらしているかどうかの報告をまとめる。また、同委員会は来年1月9日には、テコン島南岸の「エリアD」と呼ばれる海域での埋め立て工事に関する中間報告書を提出することが義務付けられている。マレーシアはITLOSでは、埋め立て工事の差し止め命令を獲得できなかったが、今後国際仲裁裁判でシンガポールに埋め立て工事を行う権利があるかどうかについて争う予定。
(2003年11月7日 時事速報シンガポール)
 
海軍産業の国際展示会・会議「IMDEX・UDTアジア」開催
 シンガポール・エキスポで11日から14日まで、海軍産業の展示会・会議「IMDEXアジア」と、海中警備技術展示会・会議「UDTアジア」が開催される。両展示会・会議には、シンガポールをはじめ、フランス、英国など30カ国から海軍関係の42の代表団が参加。23カ国の海軍関連産業の企業200社以上が展示を行う。
 また同展示会開催期間中には、10カ国の海軍艦船16隻がチャンギ海軍基地で展示される予定。IMDEXアジアは今年5月に開催の予定だったが、新型肺炎流行の影響で延期され、今年はUDTアジアと同時開催されることになった。
 海軍アナリストのロビン・カイル氏は10日の展示会開幕前の会見で、アジア太平洋地域での海軍艦船の新たな建造需要は今年70億米ドルに達し、向こう6年以内にその倍の年間140億米ドルへと急成長するとの予測を示した。同氏は、中国、インド、フィリピンを中心に海軍艦船建造需要が拡大し、海軍市場としてのアジア太平洋地域の重要度は、2006-07年には欧州を上回り、09年には米国をも上回ると指摘した。
(2003年11月11日 時事速報シンガポール)
 
パイプライン敷設、欧州企業が名乗り
 国家石油公社エクスプロレーション(PNOC-EC)が主導するバタンガス州〜マニラ首都圏間の天然ガス・パイプライン敷設事業(バットマン1)に、オランダとチェコの企業が新たに興味を示したもようだ。エネルギー省のデディオス次官が明らかにした。
 10日付スター紙によると、デディオス次官は、イリハンのガス・パイプラインを敷設したオランダ企業ナカップ(Nacap)とチェコ・ガス協会所属の業者らがバットマン1への参加の意思を伝えてきたと述べた。
 これまでに同事業に興味を示している企業には、ベルギーのトラクトベル(Tractebel)、マレーシアの国営石油会社ペトロナス、英国のアドバンティカ(Advantica)がある。PNOC-ECは、同事業を2007年までに完工させる予定。
 ビジネスワールド紙によると、PNOC-ECは、バットマン1事業の予算1億米ドルのうち65%を民間投資で賄う方針を明らかにした。同社は、同事業において少数派株主の立場に徹すると明言。保有株式は、事業工程を管理できる最小限の35%で十分との見解を示した。
■ペトロナスと採掘調査
 一方、インクワイラー紙によれば、PNOC-ECはペトロナスと合弁でミンドロ島沖の石油・ガス採掘調査を行うことで合意したもようだ。開始時期は明らかになっていない。
 採掘作業についてはこれまでに、米国のユノカル、英国のラスモ(Lasmo)、タイ国営の資源開発会社PTTエクスプロレーション&プロダクション、豪州のアミティ・オイル(AmityOil)とサントス、インドネシアのメドコ(Medco)、カナダのGMインターナショナルなどに打診が行われたもよう。
(2003年11月11日 NNA)
 
星馬交互に仲裁裁判、埋め立て工事
 シンガポールがマレーシアとの国境で進めている埋め立て工事について、両国は22日、仲裁裁判を交互に開くことなどで合意したとの共同声明を発表した。両国間の緊張関係が緩み、問題解決の方向へ歩み始めた。
 両国の政府高官は20日から3日間、マレーシアの新行政都市プトラジャヤで、国際海洋法裁判所(ITLOS、ドイツ・ハンブルク)命令の実施方法などについて話し合った。会合の結果、仲裁裁判をシンガポールとマレーシアで交互に開くほか、◇専門家による独立調査団を設置◇ジョホール海峡に与える工事の影響を調査◇独立調査団を支援するコンサルタントを任命◇独立調査団と両国政府の意思疎通を図る連絡官を任命――することで合意した。
 工事の影響とリスクについて定期的に意見交換を図るべきだとのITLOS命令について両国は積極的に従うと表明した。またITLOS命令の施行と矛盾する行動を避けるとの表明も示した。
 シンガポールは北東部にあるテコン島と西部トゥアス島で埋め立て工事を進めている。これに対してマレーシアが、領海侵犯や環境破壊などにあたるとして工事の即時停止をITLOSに請求した。ITLOSは先月8日、シンガポールの工事続行を認める判定を下すとともに、両国に対し、専門家による独立パネルを設置するよう命令していた。
(2003年11月24日 NNA)
 
埋め立て工事の環境調査委設置交渉が進展=シンガポールとマレーシア
 シンガポール領内の海岸線埋め立て工事がマレーシアの環境に与える影響を調査する独立専門家委員会の設置に向け協議を行っていた両国政府代表は、22日に発表した共同声明で、話し合いが「建設的かつ友好的に」行われ、同工事の環境への影響について両国が定期的に情報交換することで合意したことを明らかにした。国連海洋法裁判所(ITLOS)は先月8日、埋め立て工事の即時中止を求めていたマレーシアの訴えを退け、同工事が与える影響を調査する独立した委員会の設置を命じていた。
 今回の協議で両国は、専門家委員会のメンバー4人の人選について、両国がそれぞれ2人のメンバーを指名し、両国がそれぞれ指名した専門家1人が共同委員長に就任することで合意した。調査結果に関する判断は、全委員のコンセンサスによって決定される。また、埋め立て工事の影響調査のコンサルタントとして、デンマークのDHIが指名された。両国代表は来月に再びマレーシアで会い、埋め立て工事が航路や海洋環境に与える影響など、調査対象に加える項目について最終的な協議を行う予定。
(2003年11月24日 時事速報シンガポール)
 
2週間で密入国者11人を検挙−ジョホールから泳いで侵入試みる
 シンガポールの海岸で過去2週間に3件の密入国未遂事件が発生し、11人の密入国者が検挙された。11人はいずれも、マレーシア・ジョホールの海岸からシンガポールのセンバワン海岸までの2キロを泳いで、シンガポールへの密入国を試みたが、500メートル手前でシンガポール警察の夜間監視カメラにとらえられ、警察のパトロール船によって拘束された。
 警察によると、今月8日にミャンマー人3人と48歳の中国人女性が検挙され、19日にはミャンマー人4人、22日にミャンマー人3人が検挙された。11人は17歳−48歳で、いずれも身分証明書を所持していなかった。ミャンマー人10人は建設労働者、中国人女性はホステスだった。仲介人にジョホールからシンガポールに渡るボート代480シンガポールドル(Sドル)を支払ったが、直前になってボートはなく、泳いで渡らなければならないと告げられ、浮き輪とライフジャケットを渡されたという。10人の男性は不法入国の罪で1カ月の禁固刑とむち打ち4回、女性は1カ月の禁固刑と2000Sドルの罰金支払いを言い渡された。同国では今年1月−11月に、海岸からの密入国者が108人検挙されており、前年同期の29人から大幅に増加している。
(2003年12月24日 時事速報シンガポール)
 
ASEAN治安会議、タイで開催
 日本、中国、韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)による「越境犯罪に関するASEAN+3閣僚会議」がタイで今週開催される。
 テロやマネー・ローダリングが会議の主題になるほか、現在進行中の薬物密輸、人身売買、武器密輸、海賊、国際経済犯罪、コンピュータ犯罪に対するASEANのアクション・プランが話し合われる予定。
 ASEAN治安担当閣僚会議は年に一度開催されており、今回で4回目。
 昨年7月にインドネシアが先頭になって提案されたアセアン・セキュリティ・コミュニティについても話し合われる。会議後には共同声明が出される予定。
(2004年1月8日 ストレート・タイムズ)
 
イスラム過激派2人を逮捕―シンガポール
【シンガポール14日時事】シンガポール政府は14日、治安維持法の下でイスラム過激派組織のメンバー2人を逮捕、12人に出国禁止措置を適用したと発表した。逮捕されたのは先にフィリピンで射殺されたジェマ・イスラミア(JI)幹部アルゴジの義父で、JIメンバーのホスネイ・アウィと、モロ・イスラム開放戦線(MILF)メンバーでフィリピン軍との戦闘に参加していたアラフディーン・アブドラの両容疑者。
 出国禁止になった12人のうち10人はJI、2人はMILFのメンバーで、テロの目標の監視、物資の調達などを担当していた。今回逮捕された2人を含め、現在シンガポールでは、JI、MILFのテロ活動に関連して37人が治安維持法の下で拘束されている。今回はこのほか、アルカイダの信奉者で、アルカイダ関係者の活動を支援した男1人が、一時拘束の後に出国禁止措置となった。
(2004年1月15日 時事速報シンガポール)
 
首謀者はマレーシア国籍の元教授 ジャカルタの米系ホテル爆弾テロ
【クアラルンプール14日時事】昨年8月にインドネシア・ジャカルタの米系高級ホテル「JWマリオット」で起きた爆弾テロに関与した疑いで逮捕されたトヒル容疑者が別事件の証人としてインドネシアの裁判所に出廷し、マレーシア国籍の元大学教授、アザハリ・フシン容疑者=指名手配済み=がジャカルタ爆弾テロの首謀者だと証言した。AFP通信が現地の報道として伝えた。
 ジャカルタのホテル爆弾テロは、インドネシア人11人とオランダ人銀行員が死亡。このテロ事件と、約200人が死亡したバリ島爆弾テロは、東南アジアのイスラム過激派組織ジェマ・イスラミア(JI)の幹部であるアザハリ容疑者が主要な役割を果たしたとされるが、マレーシア警察当局は「JIの指導者は常にインドネシア人だ。アザハリがリーダーになる可能性はない」との認識を示していた。
 トヒル容疑者は昨年10月末、ジャカルタ爆弾テロの標的確定や前線基地となる借家を準備したほか、犯行に使用された自爆テロ車両を用意した疑いで、同じく犯行に関与したイスマイル容疑者とともに逮捕された。逮捕時には自殺用の爆薬を所持していたという。爆弾テロに深く関与していたとされ、裁判証言の信憑性は極めて高い。
 証言によると、マレーシア技術科学大学元教授で爆発物専門家のアザハリ容疑者と、同じくマレーシア国籍で宗教学校教師ノルディン・モハマド・トップ容疑者=指名手配済み=は犯行前、「インドネシアにある米国の資産を爆破する」と話し合っていた。事件後、2人は逃亡し、インドネシア国内に潜伏しているという。
 マレーシア警察も、テロに関与した疑いでアザハリ、ノルディン両容疑者ら6人に対して一人当たり5万リンギの賞金をかけて行方を追っている。
(2004年1月15日 時事速報シンガポール)
 
国際テロ研究所がオープン=データベースを構築へ
 シンガポールに20日、国際テロの手法や目的を研究する研究機関「政治暴力・テロ研究国際センター」が正式オープンした。
 同センターの所長は、テロ・アナリストのロハン・グナラトナ博士。同博士のほかセンターには、米国、欧州、アジアの軍・諜報部関係者、宗教研究者など20−30代の15人のリサーチャーが所属している。同センターでは、元テロリストのインタビューや紛争地帯での実地調査などによるテロ関係のデータを分析し、アジア地域のテロ事件やテロリストに関する一大データベースを構築する計画。
 同センターにはすでに、アフガニスタンのアルカイダのキャンプで押収された250以上のビデオのコレクションがある。また東南アジアのイスラム過激派組織「ジェマ・イスラミア(JI)」の組織内規律の英訳も完成させている。
(2004年2月23日 時事速報シンガポール)


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