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第7章 停泊
第54条 停泊埠頭、係留ブイ
(1)船舶は十分な本数の堅固な航索を使用して適切に固縛するとともに、航索の張り具合、気象及び潮流の影響に注意して、自船の安全を確保し、他船の航行を妨害する行為を回避しなければならない。
(2)船舶は所要の安全措置を講じて、上下船者の安全を保証しなければならない。
(3)係留ブイに停泊する場合は、係留ブイと適当な距離をとって安全を保たなければならない。
(4)小型船舶が固定埠頭に停泊する場合は、潮差を確認し、圧流されて埠頭に入り込まないよう注意しなければならない。
(5)大型船舶は固定埠頭に停泊中、主機、補機、ボイラー、錨又は舵機の修理が必要となった場合、権限ある機関に申請し許可を得なければならない。
第55条 横付け
(1)船舶、施設が埠頭又は係留ブイに横付けする場合は、規定の横付け幅を超えてはならない。
(2)係留ブイに横付けしなければならない大型船舶は、前後部舫索を係留ブイに取らなければならない。
第56条 筏の停泊
(1)筏停泊区を設置し、調整する場合は、権限ある機関の許可を得なければならない。筏停泊区を撤去する場合は主管機関に報告しなければならない。
(2)筏が停泊区内で停泊する場合は、係留状況に注意して、流出を防止しなければならない。
(3)筏が流出し、横向となって船舶の航行に影響を及ぼし又は筏の停泊が原因で周囲の河川に土砂が堆積した場合は、筏の所有者は除去及び浚渫の責を負い、当該費用を負担しなければならない。
(4)筏が埠頭又は係留ブイに着桟する場合は、船舶横付けの規定に従って行わなければならない。係留ブイにおいて竹、材木を荷役する場合は、船舶サイドは規定の横付け幅を超えてはならず、長さは当該係留ブイに係る所定の距離を超えてはならない。
第57条 錨泊
(1)船舶は所定の錨地において、十分な錨鎖を使用して、走錨を防止しなければならない。また、できる限り灯浮標の見通しを遮蔽せぬよう心がけなければならない。
(2)当直船員は適正な見張りを行い、常に自船の錨泊位置に注意しなければならない。
(3)錨泊中の船舶は適正な船間距離を保たなければならない。
(4)風向、潮流の状態にかかわらず、自船が所定の錨地範囲から出ないようにしなければならない。
(5)外港及び新港の錨地で錨泊する場合は、VHFを常時聴守しなければならない。
(6)走錨した場合は、早急に有効な措置を講ずるほか、直ちにVHFにより権限ある機関に報告するとともに、付近船舶に通報しなければならない。航路及び他船の安全に影響する場合は、直ちに曳船を手配し離脱しなければならない。
第58条 停泊、錨泊の禁止
 以下の水域内においては、船舶、施設の停泊、錨泊を禁止する。
(1)黄浦江大橋中心線上、下流各50mの水域内
(2)水中電線、パイプライン等の専用標識が設置された地点の上、下流各100mの水域内
(3)筏停泊区前面水域
(4)渡河旅客フェリー埠頭、石油埠頭及び危険物埠頭前面水域
(5)渡河旅客フェリー埠頭両端の安全水域内
第59条 主機の試運転及び起動
(1)主機の馬力が750キロワット以上の船舶が主機の試運転を行う場合は、権限ある機関の許可を得なければならない。
(2)船舶は係留ブイに係留して主機の試運転を行ってはならない。
(3)船舶は試運転を行うに当たって、規定の信号を表示するほか、他船の停泊及び安全航行に影響を及ぼす可能性がある場合は、人員(船艇)を派遣し当直を行うとともに、試運転中、適切な安全措置をとらなければならない。
(4)船舶は主機起動中、船尾に人員を配置して見張りを行わなければならない。
 
第8章 船舶曳航
第60条 曳航許可
 海難救助のほか、曳航作業に従事する船舶は有効な証書を所持しなければならない。海上で船舶、施設を曳航し又は海上から船舶、施設を曳航して本規則第2条に規定する水域に進入する場合、曳船の船長又は代理人は24時間前までに権限ある機関の許可を得なければならない。
第61条 特殊曳航
(1)浮上させた沈船を曳航して本規則第2条に規定する水域に進入する場合は、24時間前までに、権限ある機関の許可を得なければならない。
(2)デリック船、杭打ち船、大型船舶乗降用船、浮上させた沈船及びその他の舵の無い船舶を後進曳航(後進で曳航)する場合は、曳船の灯火、形象物を遮蔽してはならない。後進曳航される船舶は夜間においては最も見えやすい場所に白色全周灯1個を表示しなければならない。
(3)船舶は600mの距離を超えて臨時にシフトしてはならない。昼間にあっては後進で曳航することができる。
第62条 制御能力
 曳航船隊は航行中、被曳航船(物)の種類、船隊隊形にかかわらず、十分な避航能力及び制御能力を具備しなければならない。逆流時に航行する場合は、対地速力が2ノットを下回ってはならない。
第63条 安全責任
(1)曳船は被曳航バージの操縦を指揮するとともに、被曳航バージの安全航行に対して責を負う。
(2)曳船がバージに離着するに当たっては、深水航路を避け、他船の航行を妨害してはならない。安全な停泊(錨泊)場所以外では、バージを離してはならない。
(3)フロント及びサイドの2隻で船舶又は大型筏を曳航する場合、曳船が大型動力船を曳航する場合は、曳航を開始する前に、航行、回頭及びバース離着岸等についての安全責任を明確にしておかなければならない。
第64条 長さ及び幅並びにその計算
(1)大型曳航船隊は外港、新港水域を航行中、船隊の長さ及び幅の合計が、それぞれ、300m、45mを超えてはならない。
(2)大型曳航船隊が内港を航行中は、以下の基準を遵守しなければならない。
a 呉淞□から張華浜の河川域においては、長さ180m、幅45mを超えてはならない。
b 張華浜から秦皇島路まで、鰻鯉嘴から閔行発電所までの河川水域においては、長さ160m、幅42mを超えてはならない。
c 秦皇島路から鰻鯉嘴までの河川水域の河川水域においては、長さ120m、幅22mを超えてはならない。
(3)曳航船隊の長さ、幅の計算
a 船隊の長さの計算
i 牽引する場合は、曳船船尾から最後尾の被曳航船舶船尾までの最大距離とする。
ii プッシャーの場合は、最前列の被曳航船舶船首から曳船船尾までの最大距離とする。
iii 横抱きする場合は、最前列の被曳航船舶船尾から最後尾の曳航船舶の船尾までの最大距離とする。
b 船隊の幅の計算
 如何なる隊形の場合でも、その最大幅とする。
 
第9章 通航条件
第65条 航路標識及び専用標識
(1)水上航路標識は『中国海区水上航路標識』GB4696-84に規定する国家基準に適合するものでなければならない。
(2)如何なる業者も、権限ある機関の許可無く各種標識を設置し、移動し又は撤去してはならない。
(3)航路標識又は専用標識を管理する機関は、これら標識を正常に保たなければならない。
(4)船舶、施設又は個人が航路標識又は航行援助施設に衝突し、損壊させた場合は、直ちに権限ある機関に報告するとともに、損害を賠償しなければならない。報告が遅延し又は虚偽の報告を行った場合は、これにより発生した全ての責任を負わなければならない。
(5)航路標識及び航行援助施設に対する破壊及び窃盗を禁止する。船舶、施設が航路標識へ係留することを禁止する。また、付近水域において当該標識の機能に影響を及ぼす障害物又は灯光を建造又は設置してはならない。
第66条 漁労養殖
(1)航路、錨地、水路、埠頭全面水域及び入出用通行路、航路標識の周囲及び権限ある機関が公布した錨泊禁止水域、作業水域、工事水域等においては、漁労及び養殖を禁止する。
(2)内港においては、漁網、トローリング、養殖を禁止する。
(3)権限ある機関の許可を受けた固定漁具漁業又は養殖施設について、その後権限ある機関が必要と認める場合は、漁具及び養殖施設の所有者は指定された期限内に当該漁具及び養殖施設を撤去しなければならない。
第67条 航路保護
(1)船舶が沈没の危険に瀕した場合は、航路から離脱して座州しなければならない。航路内で沈没した場合は、直ちに権限ある機関に報告のうえ、規定の標識を表示し、他船の衝突を予防する臨時措置を講じなければならない。
(2)石炭殻、工事ゴミ、土砂等の破棄物を本規則第2条に規定する水域へ投棄することを禁止する。浚渫による土砂は、権限ある機関が許可した場所で陸揚げし又は権限ある機関が公布した上砂投棄区域に投棄しなければならない。
第68条 水域工事管理
(1)水中パイプライン、トンネル、架空パイプライン、橋梁等を造修し、敷設し又は撤去する等渡河工事を行うに当たっては、事前に権限ある機関の許可を得なければならない。
(2)権限ある機関は沿岸拡張計画ライン及び航路計画ラインの制定及び改修に参与する。水域交通安全に係わる水上水中建設工事の実施に当たっては、沿岸拡張及び航路計画ライン及び関係規定に基づく権限ある機関の同意を必要とする。
(3)水上水中工事作業を請け負った業者は、事前に権限ある機関に申請し、許可を得た後でなければ作業を行ってはならず、権限ある機関の監督管理を受け入れなければならない。
(4)水上水中作業終了後、施工業者は直ちに現場を整理するものとし、如何なる航路の安全及び保護を妨げる遺留物も放置してはならない。直ちに整理せず、これにより発生した損害については施工業者が責を負う。
第69条 埠頭の安全秩序管理
(1)埠頭前面水域は十分な水深を確保するものとし、許可設計水深内は浚渫を行わなければならない。
(2)埠頭所有者又は運航者は、船舶が離着岸する前に整理を実施し、長さが当該船舶の120%に相当するバースを確保し、規定の信号を表示しなければならない。
(3)埠頭所有者又は運航者は、当該埠頭の設計上の着岸能力、埠頭所定の横付け幅に応じて錨泊位置を指定しなければならない。
(4)埠頭前面水域又は係留場所に、強固な突出物を遺留してはならない。埠頭上の機械設備が船舶の安全な離着岸を妨げてはならない。
(5)専用埠頭を外国籍船舶に開放し又は係留船舶が埠頭設計上の能力及び機能を上回る場合は、当該所有者又は運航者は権限ある機関の許可を得なければならない。
第70条 係留ブイの安全秩序管理
(1)係留ブイを設置し、調整し又は撤去する場合は、所有者又は運航者は事前に権限ある機関の許可を得なければならない。
(2)係留ブイの所有者又は運航者は係留ブイの設計上の係留能力、距離間隔、水深、許容幅及び可能な占用状況に応じて、適正に係留場所を指定するとともに、係留船舶と係留ブイの間に適当な距離を保たなければならない。
(3)係留ブイの所有者又は運航者はブイ及び付属品の状態を正常に保たなければならない。異常を発見した場合は、権限ある機関は所有者に対し修復又は使用停止を通知する。
(4)係留作業艇は定時に係船、解纜作業を行うものとし、当該サービスを受ける船舶は遅滞なく準備しなければならない。
第71条 錨地の設置
(1)錨地の設置、調整及び撤収は、権限ある機関が確定し、これを公布する。船舶は権限ある機関が発布した錨地の範囲及び使用に関する規定を遵守しなければならない。
(2)緑華山北錨地(過駁錨地)を除き、錨地内で荷役作業を行ってはならない。
第72条 灯火管理
(1)沿岸及び船舶の灯火は、船舶の安全航行及び航路標識の機能に影響を与えてはならない。
(2)探照灯又は強力な灯火を航行中の船舶の操舵室に照射してはならない。
第73条 音響信号、火炎信号の試験
 船舶が事故を起こし救助を求める場合を除いて、船舶が音響信号、火箭又は火炎信号の試験を行う必要がある場合は、権限ある機関の許可を得なければならない。
第74条 遊泳及び競技艇管理
(1)本規則第2条に規定する水域において遊泳若しくは艇による競技を計画し又は遊泳場所、競技場所を設置する場合は、権限ある機関の承認を得なければならない。
(2)内港での遊泳又は艇による競技活動を禁止する。


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