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第4章 内港航行
第33条 制限速力
(1)本規則に別に規定がある場合を除いて、航行船舶の速力は、流速を加えた速力(対地速力)が時速8ノットを超えてはならない。
(2)船舶の対地速力が第1項に規定する速力を超えない場合であっても、波浪が高く、他の船舶又は施設に危険を及ぼす可能性がある場合は、当該船舶は更に減速しなければならない。
(3)船舶が最微速で航行中であるにもかかわらず、対地速力が本条第1項に規定する速力を超え、減速できない場合、当該船舶は最微速で航行することができる。
(4)風、潮流又は船舶の状況により、本条第1項に規定する速力で航行すれば自船の安全に危険が及ぶことが明らかな場合は、自船の安全を維持することができる最低速力で航行することができる。この場合、直ちに権限ある機関に報告しなければならない。
(5)船舶の航行速度制限に関する規定は、当該船舶の航行速力に起因する航走波が通常の航行、停泊又は作業状態にある船舶、施設に損害を与えた場合の責任を除外するものではない。
(6)権限ある機関の特別許可を得て船舶の速力試験を行う場合はこの限りでない。
第34条 逆流船による順流船避航
 大型船舶、曳航船隊が次の航行区域又は地点において行き会い関係になる場合は、逆流船の順流船避航に関する規定を遵守しなければならない。順流船は、逆流船に待機及び避航を要求するため、長1声、短2声、長1声の音響信号を吹鳴することができる。本項規定は順流船の避航措置に関する責任を免除するものではない。
(1)湾曲した水道又は航行区域
(2)権限ある機関が公布した単航程航路又は単航程通航水域
第35条 縦列航行
(1)動力船が縦列となって航行中、後方船舶は前方船舶との間に、衝突回避のため十分な距離を保持しなければならない。
(2)大型動力船、大型船隊又は大型筏相互間でとるべき最小距離は、順流時600m、逆流時300mとする。
第36条 追越し禁止水域
 大型動力船及び曳航船隊については、以下の湾曲航行区域における追越しを禁止する。
(1)呉淞口101号灯浮標から106号灯浮標までの間
(2)高橋110号灯浮標からS20号係船ブイまでの間
(3)7号係船ブイから14号係船ブイまでの間
(4)47号係船ブイから陸家嘴河川水中電纜標識までの間
(5)56号係船ブイから69号係船ブイまでの間
(6)曹家宅河川水中電纜標識から龍華河川水中電纜標識までの間
(7)鰻鯉咀湾曲部
(8)閘港湾曲部
第37条 横切り(横断)
(1)航路を横切る船舶は航路に沿って航行する船舶を避航しなければならない。他船の船首方向を強行に航過することを禁止する。
(2)小型船舶が航路を横切る必要がある場合は、航行中の大型船舶の船首から150m以上の距離を置いて航過しなければならない。
(3)小型船舶が航行中の船舶の船尾を航過する場合についても、一定の安全距離を保持しなければならない。
(4)渡河旅客フェリーが航路を横切る場合は、本条第1、2、3項の規定を遵守しなければならない。
(5)小型船舶が支流の港を入出港し又は停泊するため航路を横切る必要がある場合は、支流の港又はバースに近づいて横切らなければならない。この場合、航路をこれに沿って航行中の船舶の方向と反方位になる航行は、できる限り避けなければならない。
(6)小型曳航船隊が航路を横切る場合は、航行中の大型船舶の船首から300m以上の距離を置いて航過しなければならない。
(7)動力船及び曳航船隊が所定の渡河フェリー航路に接近し又は航路を横切る船舶を発見した場合は、見張りを厳重にし、慎重に操船し、旅客フェリー又は横切り船の動向に十分に留意して、必要に応じて音響信号を吹鳴し、減速し、有効な避航措置をとらなければならない。
第38条 回頭
(1)船舶及び曳航船隊が航路上又は規定の回頭区域において回頭する場合は、回頭開始の10分前に回頭信号を表示しなければならない。天候不良で視界に影響がある場合は、これに加えて、2分毎に短5声を急速に吹鳴しなければならない。
(2)回頭前、大型船舶及び大型船隊にあっては順流1200m、逆流600m、小型船舶及び曳航船隊にあっては順流600m、逆流300(30)m以内の距離で、大型動力船、大型船隊又は大型筏の接近を確認した場合は、これら船舶等が航過するのを待って回頭しなければならない。
(3)船舶が回頭動作に入る場合は、規定に従って長1声を吹鳴しなければならない。回頭中、当該船舶は所要の安全措置を講じて、航路上の航行妨害を回避しなければならない。
(4)大型動力船又は大型船隊が回頭中は、他の船舶はこれに接近してはならない。やむを得ず回頭中の船舶に接近する場合は、双方とも規定の信号により連絡、行動しなければならない。
(5)回頭中の船舶の上流、下流の双方に当該船舶を航過しようとする船舶がある場合は、逆流船の順流船避航原則に従って、逆流船は順流船が航過するのを待った後、上記規定の手続に従って航過するものとする。
第39条 離着桟(バース、係留ブイ)
(1)船舶、施設は、離着桟するに当たって、他船の航行を妨害してはならない。他船の通常航行を妨害する可能性がある場合は、他船の航過を待って、長1声、短1声、長1声、短1声の音響信号を吹鳴しなければならず、他船が航過した後、離着桟しなければならない。
(2)船舶が離着桟中は、特に規定がある場合を除いて、上下船及び他船の接近、荷役又は他船への積み替えを行ってはならない。
(3)動力船は離桟の前に長1声を吹鳴し、主機起動前に周囲の状況を確認して、損害を防止しなければならない。
第40条 シフト及び入出渠
(1)大型船舶が自船の長さを超える距離をシフトする場合は、船長(外国籍船舶の場合は水先人)が指揮するものとし、埠頭管理者はこれに協力しなければならない。
(2)大型動力船が入出渠する場合は、本規則の関係規定のほか、権限ある機関が発布した港内水上交通安全管理に関する規定を遵守しなければならない。
第41条 船溜まり、支流港の入出
(1)船舶及び曳航船隊が船溜まりを出入りする場合は、本規則の関係規定のほか、権限ある機関が発布した船溜まり水上交通安全管理規定を遵守しなければならない。
(2)船舶及び曳航船隊が支流の港を出入りする場合は、本規則の関係規定のほか、権限ある機関が発布した蘊藻浜、楊樹浦、蘇州河、白蓮、日暉港、高橋港等の港における船舶航行及び停泊管理規則を遵守しなければならない。
第42条 橋梁通過
 船舶、施設は権限ある機関が公布した船舶の橋梁通過に関する各規定及び水路通報を遵守しなければならない。
第43条 その他
(1)積載重量が10トン未満のセメント船は鯉鯉嘴以下の水域への進入を禁止する。
(2)重量物を積載した深喫水船舶は急潮流時における順流航行を回避しなければならない。小型曳航船隊は急潮流時における陸家嘴及び董家渡等の危険航行区域への航行を回避しなければならない。
(3)船舶は航行又はシフト中、船上にある救命艇(筏)、デリック、舷梯等を舷外に伸出させてはならない。
(4)海難救助又は権限ある機関が許可した場合を除いて、船舶付属の救命艇、救助艇、救命浮環等を水面に降下してはならない。
 
第5章 外港航行
第44条 水先業務
(1)南港南槽航路No.5〜No.6灯浮標の間は上海長江口水先区間である。水先船の通常投錨位置は、No.5〜No.6灯浮標の中間から500m南で、水先業務範囲はNo.5〜No.6灯浮標を結んだ線の左右両側各750mの水域である。但し、以下の状況に該当する場合は、水先船が安全水域まで移動して水先業務を実施する。
a 喫水制限船又は複数の船舶が同時に作業を行う場合
b 気象、海象等の条件により通常の水先業務に影響がある場合
(2)長江から出港する外国籍船舶は、所定の水先人引継錨地において錨泊のうえ、水先人が乗船するまで待機しなければならない。
第45条 水路使用船舶
(1)南港北槽水道を航行する船舶は、喫水制限船又は権限ある機関が許可した船舶のみである。南港南槽を航行できる船舶は北槽水道を航行してはならない。
(2)水路を航行する船舶は、権限ある機関が公布した水路内航行に関する規定に従って水路を入出港しなければならない。
第46条 横切り
 船舶が航路を横切る場合は、できる限り航路上の船舶の進行方向に垂直になるよう横切らなければならない。
第47条 船舶通行妨害の禁止
 以下の船舶は航路上を船舶の進行方向に沿って航行している船舶の通航を妨害してはならない。
(1)錨地を出入りし、錨泊する船舶
(2)抜錨後、航路に向かう船舶
第48条 警戒水域
 権限ある機関が公布した警戒水域を航過する船舶は以下の事項を遵守しなければならない。
(1)見張りを厳重にし、慎重に操船する。
(2)適正速力を保持する。
(3)空積み及び小型船舶は重量物積載船を避航する。
(4)本条(3)の規定は、重量物積載船舶の避航義務を免除するものではない。
第49条 環状航路
 船舶が権限ある機関が公布した環状航路に進入する場合は、反時計方向に一方通航で航行しなければならない。
第50条 南支航路
 南支航路を航行する小型船舶は、権限ある機関が公布した南支航路に関する規定を遵守しなければならない。
第51条 その他
 大型船舶が投錨試験、速力測定、磁気コンパス及びコース測定器の校正を行う場合は、権限ある機関が公布した監督管理規定を遵守しなければならない。
 
第6章 新港航行
第52条 水先錨地
(1)海運埠頭水先錨地の範囲は、大金山灯標から224度、4.8海里を中心とする半径1000mの水域内。
(2)陳山石油埠頭水先錨地の範囲は、北緯32度34分36秒、東経121度14分00秒を中心とする半径1000mの水域内。
第53条 外国籍船舶航行禁止水域
 航行禁止水域は、北緯30度35分40秒、東経121度11分40秒の地点と『乱石礁』を結んだ線の北側水域。


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