(4)施設見学の所感
今回の施設見学中も研修が行われていたため、すべての設備について見ることができなかったものの、4.2で説明した「360°視野操船シミュレータ」「船舶交通システムシミュレータ」「機関室シミュレータ」については多くの時間を割いて見学させていただいた。本節では、それらシミュレータについての感想を述べる。
【360°視野操船シミュレータについて】
水平方向360°にわたってスクリーンが設置されており、臨場感のある映像が映し出されていた。気になった点としては、映像の輝度はやや暗い感じがしたことと、ブレンディングの処理が粗雑に感じたことだが、スクリーンについては更新の予定があるとのことであった。一般航行、夜間航行、被銃撃などを組み合わせたシナリオをシミュレートしてもらい、実際に操船もさせてもらった。印象に残ったのは、銃撃を受けたり、船底が抵触したりした際には床が振動したこと、被銃撃による火災の発生や延焼の様子を再現できることなどである。あらゆる視点からの映像の切り替えが可能であり、航空機の視点での映像もデモンストレーションされた。
一般の操船シミュレータと同様な操船能力向上のための利用のほか、港内操船訓練、SAR訓練、油流出事故対策訓練など広視野の映像が必要とされる演習に威力を発揮するものと思われる。
写真5: 最新鋭の船舶操船シミュレータ
写真6: 360°視野操船シミュレータ(前方)
写真7: スクリーンブレンディングの状況
写真8: 船内火災延焼シーン
写真9: 船橋内の様子
|