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3. ECN(Energy research Centre of the Netherlands)
 オランダエネルギー研究センター(以下ECNと記す)では、新しい動力源として燃料電池の研究を行っている。燃料電池の原理は、水の電気分解の逆の化学反応を利用するものである。これは化学反応を起こす物質=「燃料」を外から供給できる仕組みになっており、燃料を供給し続けさえすれば、継続して電流を得られるので「電池」というよりは、むしろ「発電装置」であるといえる。
 例えば、水素を用いた燃料電池の場合、電池の正極側に酸素(空気)を、負極側に水素を供給し、水の生成過程で発生する電気を利用するものである。
 燃料電池の利点は次のとおりである。
・基本的に生成物は水のみであり、硫黄酸化物や窒素酸化物等の有害物質の発生の可能性は非常に低くクリーンである(地球環境に優しい。)。
・従来の発電方式(ガスエンジン)に比べ、発電効率が非常に高い。
・燃料電池は電気を発生するときに出る熱も利用できるので総合効率が非常に高い。
 また、オランダでは燃料電池を動力源としたバスが試験運行されている。
 以下にそのシステムの概略図を示す(図1、2)。
 
図1: 燃料電池バスの仕組み
 
図2: 燃料電池バスの燃料供給系統図
 
4. KNRM (Koninklijke Nederlandse Redding Maatschappij)
 オランダ王立救命艇協会(以下KNRMと記す)は民間の救助機関であり、海上保安庁と違い、救難活動のみを行っている。独自に船舶を保有しているが、小型の船舶であり、燃料や居住区がないという問題から長期の行動はない。その活動資金は、市民からの熱心な募金と遺産で成り立っている。
 
写真6: KNRM資材倉庫前
 
写真7: 救助艇外観
 
写真8: 操舵盤


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