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2)モデルの入カパラメータ
 Jacksonモデルのパラメータは、表6〜8に示す6個に集約される。
 これらは、海底堆積物の音響物理的な特性パラメータである(ν:海水に対する速度比、ρ:海水に対する密度比)および(δ:堆積物内の減衰パラメータ、σ2:堆積物内の散乱パラメータ)と、海底面の凹凸(以下roughness: ラフネスと称する)に関するパラメータ(W2、γ:海底面の凹凸の2次元波数スペクトルを定義する係数)に大別される。
 先ず、(ν、ρ)については、世界の海洋から収集した多数のコアサンプルの室内実験の計測値に基づく経験的な関係式によって、堆積物の粒径φから決定することができる。(Hamilton, 1972; Hamilton and Bachman, 1989)
 なお、粒径φは以下のとおり定義される。
φ= -log2(粒径mm)
 また、堆積物の減衰パラメータ(δ)は、音速、周波数、堆積物の減衰係数α(dB/m)に関係するが、減衰係数と堆積物の空隙率の関係を通じて、やはり経験的な関係式によって堆積物の粒径φと関係付けられる。(Hamilton et al., 1970, Hamilton , 1972)
 さらに、底質による体積散乱に関するパラメータσ2および海底面境界のラフネスによる後方散乱に関するパラメータγ,W2についても、Jackson(1986)らの研究に従って、観測に基づく経験値を入力した。
 
表6 モデルのパラメータ入力値(1)
海底堆積物に関するパラメータ
(拡大画面:21KB)
 
(注1)海底地形区分によって、底質は以下の特徴に分類される。
区分 環境 Φ Density
ρ2(g/m3)
Porosity
n(%)
I 大陸棚
(Continental Shelf)
1.0 < Φ < 9 1.25<ρ2<2.1 35<n<85
II 深海丘
(Abbsal Hill)
7 < Φ < 10 1.15<ρ2<1.5 70<n<90
III 深海平原
(Abbsal Plain)
1.15<ρ2<2.7
 
表7 モデルのパラメータ入力値(2)
海底堆積物に関するパラメータ
(拡大画面:24KB)
 
表8 モデルのパラメータ入力値(3)
海底面の凹凸に関するパラメータ
(拡大画面:21KB)
 


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