図60 ラインBの後方散乱強度
図61 ラインB設定付近の等深浅図
図62は、実海底面に対するANKOUの各ビームの入射補角の変化を示した段彩図である。入射補角は、小さくなるほど、暖色系の色に変化する。従って、曳航体直下付近は、入射補角が大きいので紫色になり、探査幅の外側は入射補角が小さくなるので赤くなる。対象とする地点のうち、ラインBに含まれる第3熊野海丘、第5熊野海丘および第6熊野海丘では、他の位置と比較して、曳航体位置から見た泥火山の手前で入射補角が大きくなり、泥火山の向こう側で入射補角が小さくなっていることがわかる。図63は、ラインBにおける入射補角の変化を示したものである。これより入射補角の変化が、泥火山頂部手前で緩やかになり、頂部を越えると急になっていることが確認できる。
図62 グレージングアングルの変化の段彩図
図63 ラインBのグレージングアングルの変化
これらの結果から、ラインBにおいて、入射補角により修正を行い、後方散乱強度を求めた。修正前のものを図64に、修正後のものを図65に、修正前と修正後の合成を図66に示す。これらより、地形の変化がほとんどみられず、入射補角が一定に変換していた90度から35度付近までは、両者にほとんど違いが見られない。一方、泥火山により、入射補角が大きく変化している場所では、修正後のデータは、泥火山の手前側では入射補角が大きくなる方向ヘシフトし、泥火山の向こう側では、入射補角が小さくなる方向ヘシフトしていることがわかる。
図64 ラインBの後方散乱強度値(修正前)
図65 ラインBの後方散乱強度(修正後)
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