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更生保護法人 日新協会
グループ名 AAミーティング及びNAミーティング
グループの課題・目的  被保護者のうち,犯罪の原因が酒・薬物である者に対する断酒・断薬指導と実施プログラムの開発
プログラム実施回数 AA・M 月1回 第2日曜日  9:30〜11:00
NA・M 月1回 第3日曜日 10:30〜12:00
実施場所 食堂兼集会室
 
プログラムへの出席者
 AA又はNAのメンバー,在所者(犯罪の原因が酒・薬物であった者),外部希望者(当施設在所歴のある者等),ボランティア指導者,施設職員
 
実施方法(具体的な進め方)
 AA又はNAのメンバーが交代でその日のリーダーとなり,ミーティング・ハンドブックを中心に進めている。一通りメンバーからのメッセージが終わると,被保護者から経験のメッセージが発表される。
 プログラムが終了する頃は,茶菓子を食べ,世間話や各種の情報が提供される。
 
プログラムを実施する際に配慮していること
 プログラムの目的や実施方法から逸脱するような発言・行動を取らないように注意している。
 プログラムを理解させ,継続的に参加するよう動機付けに配慮している。
 サポートする職員は記録を取り報告書としている。
 
これまでの経過
 昭和55年頃から救世軍のAAを視察し,導入を検討していたが,酒害(AAミーティング)については平成12年4月から,薬害(NAミーティング)については同年9月からAA及びNAの協力のもと本格的に導入し現在に至っている。
 現在,AA,NA及びGA共通のプログラムを導入するための啓発プログラムを検討中である。また,病院のPSWやAA,NA及びGAそれぞれの代表者を招き,当施設役職員の研修会を企画している。
AA(Alcoholics Anonymous),NA(Narcotics Anonymous),
GA(Gamblers Anonymous)
 
処遇プログラムの場面
(1)プログラムの実施状況
 AAミーティングの実施
実施日:毎月第2週 日曜日 9:30〜11:00
参加者:AAメンバー 3〜4名
当所在所者 5〜6名
外部(OB) 1〜2名
職員    1〜2名
 
[プログラムの内容]
 AAメンバーの内1人がリーダーとなり,テーマを出して自分の体験をメッセージとして提供する。
 参加者全員が同様にメッセージを発表する。
 
ミーティングの様子
 
[教材の種類]
・酒地獄からの帰還
・ドラッグ社会への挑戦
・どうやって飲まないでいるか
・ミーティングハンドブック
          他
 
使用している教材
 
実施施設からのメッセージ
 私がAAのプログラムを知ったのは,昭和55年頃,救世軍の活動を見てからと歴史は古いのですが,具体的なプログラムの実施には至っておりませんでした。
 平成6年頃からAAミーティングを少しずつ開始して,平成8年頃より本格的に取り組みました。暗中模索の中から,AAのメンバーと協議したり,実際の研究会に参加して,内容が少しずつ理解することが出来るようになりました。
 在所者の在所期間は約3ヶ月と短い期間ですが,AAミーティングに参加したことが本格的にAAのメンバーの仲間入りするキッカケになるのであれば,第一段階は成功と思っております。私は,AAやNAに「つなぐ」をキーワードとして頑張っています。(施設長)
 
参加者の感想文
 僕は当初,日新協会のAAとNAに参加していましたが,精神状況がおかしくなり,自分でKクリニックに通院していました。しかし,補導員の先生の指導で,もっと総合的なデイケアを行っているEクリニックに転院しました。その後,日新協会への在所期間も満期となり,保護を受けることが難しくなった為,施設長と区役所に行き,治療を前提とした生活保護を受けることとなりました。
 私は現在,Eクリニックのデイケアに毎日参加しており,また日新協会のNAにも参加しております。同じ失敗を犯したものが,個々の新しい生活を見つけ出す為にも,NAとは大変意義のあるものと思っております。
 NAに参加し,生活が落ち着き,新しい将来を考えられるようになり,大変良かったと思っています。(E・S)
 
*参考
AA(Alcoholics Anonymous)
 アルコール依存症者本人のための自助グループ。参加者は,12のステップという回復プログラムと12の伝統を共有し,単に断酒をするだけでなく,新しい生き方を身につけ,回復をめざす実践活動を行っている。
 
NA(Narcotics Anonymous)
 薬物依存症者本人のための自助グループ。AAのやり方をモデルとして,12のステップと12の伝統を使い,ミーティングを重ねながら回復を目指す。AAと同じように自分の名前や身分を名乗らない点など,共通したところが多い。
 
GA(Gamblers Anonymous)
 ギャンブル依存症者本人のための自助グループ。AAのやり方をモデルとして,12のステップと12の伝統を使い,ミーティングを重ねながら回復を目指す。AAと同じように自分の名前や身分を名乗らない点など,共通したところが多い。


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