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第一章 事業の実施内容
1、相談ボランティアの募集と育成
(1)相談ボランティアの募集
 
不登校体験のある相談ボランティアの公募
 平成16年5月、予定通り全国紙5紙と、地方紙への配信を依頼するため、共同通信社に別紙プレスレリースを送った。その結果、朝日新聞の全国版と地方版、下野新聞(栃木)、愛媛新聞の4紙に募集記事が掲載された。その結果203名の方々が別紙のごとく応募してくれた。但し北海道新聞、中日新聞に掲載されなかったため、この地方の応募が少なくなってしまった。
 
平成16年 月吉日
新聞 様
不登校経験者による相談ボランティア募集記事掲載のお願い
社団法人日本青少年育成協会
専務理事・事務局長 近藤正隆
拝啓 時下益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。
 当協会では過去9年間に渡り、「もうひとつの進路相談会」と称して、不登校生・中退生の進路・進学の相談にのっております。この事業を通してみると、相談内容が急激に多様化しています。また地方に行くほど、世間体や他人の目が気になって、相談会に来たくても来られないという人が多いことです。
 そこで昨年度から「不登校生の進路相談情報センターの確立(フューチャープラン)」と称して、3年間かけて全国10箇所に拠点を設け、相談員を配置し、電話相談、面談、訪問相談を実施しようという事業をスタートしました。
 まず第一に必要になるのは、各地域ごとのより詳細にわたる情報収集です。責任を持った情報提供を行うため、今回は従来と違って、初めて「訪問調査」という形を取りました。この調査対象は、全国で毎年100箇所を予定し、昨年は既に予定通り調査を致しました。調査後、その情報を集積し、提供します。これが本事業のテーマとなる「不登校生の進路相談情報センター」です。
 このセンターには情報以外に人も必要です。「人」は平成13年度から登録し、研修を終了した不登校経験者の相談ボランティアを活用します。しかしボランティアとして人に役立つことが自信となり、彼らは大学生あるいは社会人として自分の進むべき道を見出して巣立って行きました。これは大変な成果だと思っております。その結果当時300人登録していた相談ボランティアも現在100人を切ってしまいました。そこでこの人数では不十分と思われますので、今年、再度不登校経験者の相談ボランティアを募集します。彼らは同センターで様々な相談にのり、訪問相談に応じ、情報提供を行います。センターには我々の支部担当者が常駐しておりますので、ボランティアの方々は、各自のスケジュールに従って活動できます。そして経験を積んでくれば、有償のボランティア相談員として面談を行い、メンタルフレンドとして相談活動を致します。
 一方、調査で収集した情報は整理してセンターのコンピュータに入力されます。また、本協会が今までに築いてきた行政機関、各種団体等(教育センター、適応指導教室、精神保健センター、児童相談所、児童養護施設、ハローワーク、青年会議所、留学団体)との情報交換やネットワークを通じて、様々な相談にのり、情報提供を行います。
 理想は、青少年のあらゆる進路相談にのり、それに答えられることです。
 第一が進学。第二が社会参加・社会貢献(就職・就業・ボランティア)。第三が留学・国際貢献です。これらはすべて、その人の生き方に関わる問題です。今の青少年は自分の将来像が見えず、とりあえず進学、とりあえず就職、とりあえずフリーターという人が増えています。それではいつまでも自分に自信が持てず、自立できません。そこでこのセンターでは、「自分がどんな仕事についたら良いか分からない人が、はじめの一歩を踏み出す場」として職業意識も身につけて欲しいと願い、「フューチャープラン」と名づけております。
 
(2)相談ボランティア応募者に対する説明会
 
 応募者が203名となったため、この方々に対して札幌、宇都宮、東京、名古屋・大阪、松山、福岡の7ケ所で説明会を開催した。この説明会の中でボランティア応募者に対して別紙のようなアンケートを渡した。
 説明内容は「(1)当協会の紹介、(2)本事業の目的と内容、(3)ボランティアの活動内容と心構え」であるが、特に心構えの点を強調した。通常のボランティア活動は単なる善意なので自分の都合の良い時だけの活動で良いが、不登校生の相談は相談者(クライアント)の一生がかかっているので、難しい相談でも途中で投げ出さない覚悟が必要であること。もし自分の手に負えないような内容であれば先輩又はスーパーバイザーの指導を受けること。あるいは最初からベテランの相談員に代わってもらうこと。
 「研修が無料だから」というような安易な気持ちで受けるのはやめて欲しい。勿論「他の人の役に立ちたい」という気持ちは大切であるが、「ボランティアだからうまくできなくて当たり前」という気持ちは避けて欲しい。そういう人は他のボランティアになることをお願いしたそれゆえ「少し時間が出来たから」「カウンセラーはなんとなくかっこよさそうだから」い。しかし難しいだけにやりがいもあるボランティアであることを説明した。
 
平成16年8月20日
相談ボランティア応募者各位
 
アンケートのお願いと説明会のご案内
社団法人 日本青少年育成協会
専務理事 近藤正隆
 
拝啓 時下ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。このたびは私どもの相談ボランティアにご応募くださいまして、ありがとうございます。
 当協会が現在もっとも力を入れていることが、不登校生及びその親への支援です。全国10都市の相談情報センターで相談を受けるだけでなく、毎年全国15都市ほどにこちらから出かけていって、シンポジウムと相談会を開いております。
 そこで秋の相談会や、不登校生受入機関の訪問調査で皆様方のお力をお貸しいただきたいと考え、まずは皆様方の不登校時代のご様子をアンケート方式で多少お聞きします。また当協会の内容や、この事業で皆様方にお願いしたいことなどをお話しする場として、下記のごとく説明会を開催したいと考えておりますので、ご参加くださいますようご案内申しあげます。
敬具
 
 
説明会 日時:平成16年9月5日(日)午後2時〜4時
会場:神楽坂エミール
 会場は当協会東京本部近くの会議室です。電車の場合は地下鉄東西線神楽坂駅1番出口(飯田橋寄り)から地上に出てすぐ左の信号を左折し、突き当りの赤城神社を右折、すぐ左側(駅から徒歩2分)です。
 なお、返信用はがきは説明会参加者確認のため、8月30日(月)必着でお願いいたします。アンケートの回答は説明会当日ご持参ください。説明会欠席者は9月10日(金)までにご郵送ください。
 なお不登校経験のない方は、相談ボランティア登録者の欄と、アンケートの1番、11番のみお答えください。







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