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地方自治体の不登校問題への取り組み
 前項の文部科学省のSSN整備事業に呼応するように、地方自治体や各教委も様々な取り組みを行っているので、各地の情報センター及び関係相談機関や民間施設に役立つ取り組み事例の一部を紹介したい。特に東京都では高校中退対策として、当協会と共に「サポート校協議会」を設置、平成17年4月には東京都教育相談センター内に「リスタートプレイス」を設置することになっている。
 
平成16年10月18日
平成16年度スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業(SSN)連絡協議会
福岡県の取組について
1. 福岡県の事業概要(別紙資料(1)参照)
(1)全体構想
○広域SSCについて
広域SSC 福岡県教育センター
 
○地域SSCについて
地域SSC
・県下6地域の教育事務所内 「いじめ・不登校対策協議会」
・2政令市
地域
組織・機関等名
広域SSC
福岡県
福岡県教育センター
地域SSC(1)
福岡地区
福岡地区いじめ・不登校対策協議会
(2)
北九州地区
北九州地区いじめ・不登校対策協議会
(3)
北筑後地区
北筑後地区いじめ・不登校対策協議会
(4)
南筑後地区
南筑後地区いじめ・不登校対策協議会
(5)
筑豊地区
筑豊地区いじめ・不登校対策協議会
(6)
京築地区
京築地区いじめ・不登校対策協議会
(7)
福岡市
福岡市こども総合相談センター
(8)
北九州市
北九州市不登校対策推進協議会
 
○SSN推進協議会
県推進協議会 回数 年2回実施(評価検討会議を兼ねる)
内容 事業の内容及び方法等について協議し、事業の推進を図る。
参加者 学識経験者、県及び各地域SSN担当者、各地区適応指導教室指導員など29名
各地域推進協議会 ・各地域において、適応指導教室指導員や訪問指導員などを対象に年3回程度実施
・各地域においてスーパーバイザー等を活用し、事例検討会や研修会等を実施
 
(2)重点的な取組「家庭にひきこもりがちな児童生徒への訪問指導」
 退職教員、関係機関OB、大学生等の訪問指導員を派遣し教育相談や学習指導等の訪問指導を行う。
訪問担当者登録数 133名
訪問担当者活用数 127名
対象児童生徒数 341名
訪問延べ回数 3097回(家庭 1653回)
 
2. 広域SSCの取組
広域SSC 福岡県教育センター
 研究機関であり、さらに県の適応指導教室「わかすぎ学級」を運営している。
 
(1)基礎調査研究
○不登校の実態調査・分析及び効果的な対応策の検討
【児童生徒の学校生活における満足度や学校回避感情などに関する意識調査】
・県内の児童生徒3500名(小学生1200名、中学生2300名)
【調査結果を活かした「不登校を生まない学校づくり」の提案と実践調査研究】
・協力校(2小学校、3中学校)
【地域SSCや各学校との連携・支援】(別紙資料(2)参照
・研究成果を手引きにまとめ、小・中学校、地域SSCへ配布
・センター発表会(適応指導教室指導員を含む)等の場で情報提供
 
福岡県教育センター ホームページ アドレス
 
(2)モデルプログラム開発
○適応指導教室「わかすぎ学級」における実践研究
16年度研究内容
「適応指導教室における自己肯定感を高める支援プログラム」
「進路実現に向けた学習支援の在り方」
【地域SSCや各学校との連携・支援】
・県内適応指導教室研修会(広域SSC県教育センター主催)にて報告
 
(3)学校における不登校対策への支援
○基礎調査研究成果の提供(手引き配布)
○地域SSCにおける研修会での指導助言(教育事務所、市町村単位、教育研究所、学校など)
※年間30回以上実施
 
(4)県内の適応指導教室への支援
○県内適応指導教室研修会を実施
内容 実践報告、意見交換、情報提供など
 
(5)教員・指導者等の研修
○教員を対象として各講座を開催し、教員へ専門的知識や技能の習得、向上を目指している。
・専門研修講座
「教育相談(初級)」講座
「養護教諭が進める学校教育相談活動」講座
「不登校への対応のあり方(初級)」講座
「不登校への対応のあり方(中級)」講座
・断続研修講座 「学校教育相談指導者養成講座」(年間20回)
 
3. 成果と課題
 実際に適応指導教室を運営している研究機関という特色を生かし、各地域SSCをはじめ、適応指導教室や学校へ有効な情報提供及び指導・助言を行うことができた。しかし、各地域SSCの連携が弱く、広域SSCとしてその核となる取組が必要であると考える。
 
福岡県 スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業(SSN)全体構想
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