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本事業の成果
1、不登校生受入教育機関の専門分野別分類が累計で160となった。
 
 全国900機関へのアンケート調査項目に、昨年同様「受入可能な専門分野」を加えたため、全国で209ヶ所の受入範囲が分かり、昨年度調査の191ヶ所と合わせて400ヶ所の情報を提供できることとなった。これは正に画期的なことで、従来の「どなたでも受け入れます」ということから起こるミスマッチを避けることが可能となると期待できる。
 
2、訪問調査により、客観的な施設情報が入手できた
 
 第三者であるボランティアが不登校生受入教育機関を訪問するという形をとったため、アンケートでは分からないその施設の客観的な全体像を知ることができ、情報提供が大変し易くなった。
 
3、不登校生受入教育機関の情報公開度が分かった
 
 アンケート回収の時点で文部科学省の「民間施設のガイドライン」にもある情報公開という点で、各機関が4段階に分かれることとなった。つまり
1 ボランティアが訪問した60ヶ所はアンケートにすべて答えただけでなく、訪問調査の受入という点で積極的に情報公開に応じたためその施設の詳細がわかり、問い合わせがあった場合情報提供がし易い所。
2 専門的受入可能範囲が明示された112ヶ所はアンケートにも詳しく答えており、情報公開もかなり進んでいるので、進路先として分かり易い。
3 アンケートの一部に回答を寄せた37ヶ所は、その情報公開の範囲内で情報提供が可能である。
4 アンケートに答えていない所は情報がなく、判断が出来ない。
 今回の調査では各機関の評価をすることは目的としていなかったが、上記のごとく情報公開という点から、図らずも評価に近いものを得る結果となった。
 
4、全国に10ヶ所の相談情報センターが設置できた
 
 札幌、宇都宮、名古屋、松山の4ヶ所に相談情報センターが設置され、全国10ヶ所の相談情報センター網が完成した。特に宇都宮と名古屋は他団体との連携がうまくいき、十分活用されている。
 
5、文部科学省の「スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業(SSN)連絡協議会」協力者として近藤専務理事が参加
 平成16年10月18日、文部科学省が平成15年度から各都道府県において実施しているSSN事業の連絡協議会が開催され、近藤専務理事が指導助言協力者として参加した。当日は「NPO・民間施設を含めた地域との連携」分科会の助言者として、また事例発表に対しては専門家としてコメントした。当日は本事業の成果品である地域版パンフレットを、教育委員会関係者187名の参加者全員に配布し、大変喜ばれた。これは本事業の重要性が十分理解されたからと考えられる。なお近藤専務理事は平成17年2月28日に文部科学省が行う、「全国不登校フォーラム」にもパネリストとして招かれた。
 
6、東京都が設置した「青少年リスタート支援事業」に当協会が参加
 東京都では平成16年度に「青少年育成総合対策推進本部」を設置、その一環で高校中退対策として平成17年度に上記事業を開始することとなった。この準備のため平成16年10月、東京都から当協会に協力依頼の打診があった。東京都は本事業を高く評価し、リスタート事業の中で、民間情報特に通信制高校サポート校に関する相談と情報提供を当協会が受け持つこととなった。
 
7、沖縄県立高校3校に「やる気支援コーディネーター」を派遣
 沖縄県教育庁県立学校教育課では、平成16年度から高校中退対策として、県立高校10校に上記コーディネーターを配置することとなった。当協会の今までの活動と本事業による相談ボランティアの活躍を知った沖縄県から、上記10校の内3校のコーディネーターを当協会から派遣してほしいとの要請があった。そこで本事業においてスキルアップ研修を終えた相談ボランティアの中から3名を派遣した。3名は平成16年7月から平成17年3月まで週2日、担当校で相談員を立派に務め、次年度も継続して担当することとなった。
 
文部科学省の不登校問題への取り組み
 平成14年度に設置された「不登校問題に関する調査研究協力者会議」の報告を受けて、文部科学省では平成15年度から「スクーリング・サポート・ネットワーク」(SSN)整備事業をスタートさせた。これが完成すれば、全国に不登校関係の情報センターができることとなり、関係者にとっては朗報となる。文部科学省は都道府県教育委員会に調査研究を委託し、平成16年10月に各県の取組状況の報告を行う連絡協議会が行われた。当協会の近藤専務理事が助言者として招かれたので、各自治体の資料も入手できた。その中から不登校問題に対応する方々に役立つ情報を事項にまとめた。
 
平成16年度スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業(SSN)連絡協議会 開催要項
 
1 趣旨
 平成15年度から各都道府県において実施している「スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業(SSN)」(以下「SSN」という。)に関し、これまでの取組状況や課題について協議・意見交換等を行うことにより、事業の円滑且つ効果的な実施に役立てる。
 
2 日程
平成16年10月18日(月)10:00〜17:00(予定)
受付は9:30〜
 
3 会場
国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟 5階 501号室
東京都渋谷区代々木神園町3番1号
電話: 03-3467-7201
交通:小田急参宮橋駅下車 徒歩5分
地下鉄千代田線代々木公園駅下車 徒歩11分
 
4 参加者
都道府県教育委員会担当者 各1名
地域スクーリング・サポート・ネットワーク担当者等
 
5 議事次第
(1)文部科学省挨拶
(2)基調講演
(3)取組事例発表・専門家からのコメント
(4)分科会(取組状況等についての協議・情報交換)・専門家からのコメント
 
平成16年度「スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業(SSN)」
連絡協議会
 
議事次第
10:00 開会
10:00〜10:10 文部科学省挨拶
10:10〜10:15 文部科学省担当者紹介 配布資料確認
10:15〜12:00 基調講演(講演90分 質疑応答15分)
東京女子体育大学理事
不登校問題に関する調査研究協力者会議主査 尾木和英 先生
「スクーリング・サポート・ネットワークの重要性と取組の重点」
12:00〜13:00 休憩(昼食)
13:00〜14:20 事例発表(発表10分 コメント10分)
13:00〜13:20 広域SSN 福岡県
13:20〜13:40 地域SSN 青森県むつ市
13:40〜14:00      茨城県北茨城市
14:00〜14:20      兵庫県神戸市
14:20〜14:35 休憩
14:35〜16:00 分科会
16:00〜16:15 休憩
16:15〜17:00 分科会の議論についての講評
17:00 閉会
 
分科会について
1 分科会の趣旨
「スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業」の実施にあたり、各都道府県及び指定地域の担当者が、日頃疑問に感じている事項や様々な課題等について情報交換・意見交換等を行い、もって事業の円滑かつ効果的な実施に役立てる。
 
2 分科会の進め方
・広域SSN・2部屋、地域SSN・4部屋に分かれて実施する。
・司会進行は、広域SSNについては都道府県教育委員会担当者、地域SSNについては市区町村教育委員会担当者等が行い、先に行われる事例発表や配布資料等を参考にしつつ、各地域の取組・課題を紹介・意見交換し、必要に応じて専門家等から助言をいただく。内容は児童生徒課において記録し、取りまとめたものを後日都道府県教育委員会へ送付する。
 
3 分科会の議題
広域SSN
第1分科会 広域SSNの役割、地域SSNに対する支援
第2分科会 医療・福祉等関係機関との連携、専門家等の人材の確保
地域SSN
第3分科会 NPO・民間施設を含めた地域との連携
第4分科会 訪問指導の際の留意点、学生ボランティア等の効果的な活用
第5分科会 コミュニケーション能力や社会性を身につけるための活動プログラム
第6分科会 社会的な自立を目指した進路指導、中卒後の支援
 
4 分科会の部屋分け
 別紙のとおり6つに分かれて行うこととする。
 
基調講演講師
尾木 和英 東京女子体育大学教授
 
取組事例発表・分科会における指導助言協力者
菅野 純 早稲田大学教授
保坂 亨 千葉大学教授
近藤正隆 日本青少年育成協会専務理事
森嶋昭伸 文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導調査官
宮下和己 文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導調査官
杉田 洋 国立教育政策研究所教育課程センター教育課程調査官







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