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TDM(交通需要マネジメント)では、我慢を強いていないか?
→No
 
・TDM:交通行動の変更を促す施策群
−主体が少しずつ譲り合うことで、それ以上の効果を各自が得る(大岡越前の裁きに近い?)
・我慢の先により高い満足があるはず
 
−強制的な手段転換を推奨はしていない
・北風と太陽の寓話→太陽のような「自発的」行動変更
 
−プライシングの発想は、適正な費用負担(外部不経済分の内部化)の下で自動車利用を認めている
 
ニーズの観点から道路公共交通に求められること
・選択肢たる公共交通への脱皮
−マルチモーダル(選択性の充実)の本来の意味へ
・例えていうなら
−これまで
・公共交通で行くしかない
物好きだから公共交通でいく
−これから
・マニアじゃないけど公共交通に乗りたいから乗る
・自家用車でもいけるけど公共交通がずっとおもしろい
 
インパクトの問題
・公共交通ががんばると渋滞が緩和される
−渋滞が緩和したら自動車に戻ってしまう?
・戻らないだけの魅力を公共交通が持ち続ける(?)
・道路財源活用の論拠としての渋滞緩和可能性
・公共交通ががんばると都心を活性化できる
−魅力的な都心は交通だけではどうしようもない
・TODの発想(諸機能集積+都心居住)
−自家用車が来ないと都心の売り上げが減る→条件を区分けして考察
・すべての自家用車アクセスを否定していない
・現在の売り上げ状況だけでは判断できない
・どうしても、という業種は別に都心にいなくてもいい
 
フィージビリティの問題
 
・4つの側面
−技術面:安全で信頼性の高いシステム→○
−制度面:わが国では最も厄介→後述
−空間面:空間効率性では公共交通優位→○
−財源面:わが国ではここも厄介→後述
・4つの側面は独立していない点にも注意
−例:財源面と制度面との関連性 など
 
制度面と財源面での課題(1)
 
・鉄道、軌道、バスの間の境界線
−ガイドウェイバスは軌道(他国はバスの一種)
・走行路部分の建設費確保
−都市モノレールの亜種なら道路財源が使えた。
・専用道路の確保→道路法ではバス専用で建設不能
−日本のバス専用道路は時間規制か道路運送法の道路のみ
・現行法体系でいくのなら(いきたくないが)
−併用軌道として、路面電車の亜種として
−事業主体につくらせる道路運送法の道路として
 
制度面と財源面での課題(2)
 
・運賃制度からくる諸制約
−車両構造そのものへ(ドア位置、座席数等)
−無粋な運賃箱と整理券装置
・世界中でもっとも利用者不信型の最悪なシステム
・ICカードで改善されるが、基本思想は不変
・雑談:23時以降:電車は同額、タクシーは3割増、バスは2倍?
・現行法でいくのなら(いきたくないが)
−既存サービスと独立させるならば自由度大
・利用者の混乱回避(局の指導の範疇)
・労使間協定(事業者の内部の問題)
・無料運賃だとかえって制約?(無償と有償の差異)
 
制度面と財源面での課題(3)
 
・プロセス面での主体間の関係の不自然さ
−3段階:計画→運営→運行
−2主体:行政vs. 事業者
・計画段階
−行政は民営バス事業や民営軌道事業に関与しない
−都市交通計画は策定するが、触れない場合が多い
・運営段階
−赤字地方路線で補助する場合ある
−より事業運営を効率化する方向での戦略を行政がもたない
・運行段階
−交通管理者との調整がここではじめて生じる。道路管理者との調整もここではじめてはじまる場合がある。(停留所について)
 
制度面と財源面での課題(4)
<課題の整理>
 
・計画段階での各主体の参加と行政による主導
・事業者の公民にかかわらず都市交通計画への盛り込み
・長期計画だけのマスタープランからの脱却
・短期計画と実現戦略を盛り込んだ柔軟かつ強靭な計画へ
・上下分離の発想
・走行路や停車施設は道路空間として整備し、運営に際して事業者が借用する仕組みへ
・有料道路や道路運送法道路を活用した専用走行空間確保へ
・運賃収入での事業採算性への固執からの脱却
・運営は効率的に(同質サービスを最小費用で)
・運行は安全と信頼を必須条件に
・運賃収入で賄えないものをすべて×にしない
・沿線企業の負担など、多次元の収益で評価







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