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講演「自治体が障がい者・高齢者の交通計画を始めるとき」
東京都立大学大学院都市科学研究科教授 秋山哲男氏
誰もが暮らしやすい社会を目指して
転換期を迎える移動・移送サービス
秋山哲男
東京都立大学大学院
都市科学研究科
 
1. 基本的な考え方と政策
1.1 社会政策と人権
・Civil Right(人権)と差別:1964
−米国:分離は平等ではない〔1954ブラウン判決〕
−黒人差別とバスボイコット
−モビリティを人権として位置づけた
−64年:黒人の差別禁止
−90年:ADA〔障害者差別禁止法〕
・社会政策
−体内から墓場まで〔スウェーデン〕
−ゆりかごから墓場まで〔英国〕
 
1.2 障害者政策
・ノーマライゼイションは人権の社会政策的アプローチ
・ノーマライゼーション
−年齢や性別、体の自由・不自由、知覚・行動能力などの違いに関係なく、すべての人が快適に暮らせるようにすること
 
2. 移動・移送の必要性
2.1 移動・移送がなぜ必要か?
・生活権・生存権を守る社会へ
−まだ政策的には部分的な合意レベル
−制度の一部〔交通バリアフリー法〕できたが
・障害者・高齢者を排除しない社会へ
−インクルージョン:包摂
−ノーマライゼイション:地域で安心して生活
 
2.2 移動は生活の根幹
・アクセシビリティ
−米:デニス:同じ時間、同じ交通手段、同じコスト
−英:妥当な費用、妥当な時間で移動
・モビリティの確保
−交通手段はあるか?
−交通について知ってるか?
−安全に利用できるか?
−物理的・経済的に困難を伴うが利用できるか?
 
2.3 移動は安心・安全生活の基礎
・市場にゆだねられる交通
−都市のバス・鉄道
−タクシー
・市場ではカバーできない交通
〔社会政策が必要〕
−過疎地域のバス
−STサービス
−DRT
 
3. STSの移動・交通の現実
3.1 欧米の対応
・英国:ボランティア〔1970年代〕
−運賃の収受認める〔ガソリン代程度:1977年〕
−乗用車送迎認める
−普通免許で16人以下のミニバスの運転認める
・スウェーデン:国から自治体に
−すべてのコミューンに国の補助35%〔1974年〕
・米国:メィンストリーム(公共交通中心)
−運輸省がパラトランジット運行〔1980年代〕







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