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各地区ブロックの動き
☆平成16年度地区別里親研修会
 
関東甲信越静地区研修大会 7月10日(土)〜11日(日)
 関東甲信越静里親研究協議会が箱根ホテル小涌園で開催されました。担当県は神奈川。第50回という記念すべき大会のせいか600名もの参加で、会場は熱気にあふれていました。
 大会のテーマは「子どもたちに愛を――里親に何が求められているか」。新しく里親研究協議会の会長に就任した高瀬子氏があいさつ。続いて来賓あいさつ、表彰式、基調講演(「社会的養護における里親の役割」明治学院大学教授・松原康雄氏)の後、5つの分科会に分かれて研究討議が行われました。
 交流会の後、研究討議で話足りなかった人やテーマを決めて話し合いたい人たちによってナイトセッションが開かれました。
 翌日は里親、里子を交えたパネルディスカッションがあり、全体会で決議案を採択。温泉に浸かってゆっくり骨休め、という間もなく終了となってしまいました。
 保育の子どもたちも箱根を遊覧バスに乗って楽しむなど、充実した第50回の大会でした。
 
九州地区里親研修大会 7月17日(土)〜18日(日)
 2日間にわたり、九州地区ブロック研修会が沖縄県那覇市で開催されました。
 1日目は那覇市民会館中ホールにて、開会式典が行われ、沖縄県知事、那覇市長よりご祝辞をいただき功労者表彰が行われました。基調講演では、全国里親会渥美会長が新しい里親制度への取り組みについて話され、次のシンポジウムでは、児相長、養護施設長など児童福祉の専門家の方々5名をシンポジストにお招きして子どもを取り巻く環境と今後、里親制度に期待する社会的養護の役割についてそれぞれの立場でお話しいただきました。
 2日目は、記念講演を自治会館大ホールにて行い、京都府立大学津崎哲雄教授に「社会的養護を担う里親の役割と使命」をテーマに、里親先進国であるイギリスと比較し日本の里親制度の立ち遅れと今後の課題と制度の強化について講演いただきました。
 
 
 2日間の講演等は専門的内容で、改めて里親制度を深く理解し、里親の資質向上、そして里親たちの一層の自覚につながりました。また両日で約500名の参加があり、里親関係者以外からの参加者も多く、里親制度が果たす役割の重要性を十分にアピールできた大会となりました。
 
四国地区里親研修大会 9月8日(水)
 徳島県徳島市アスティー徳島において、四国地区4県の里親および関係者102名の参加を得て開催しました。
 前日の台風18号の直撃を受けた市内各所には、倒れた看板や倒壊した古い家屋などの爪あとを残していました。主催者側の挨拶は、参加者の安否を気遣い被災家庭にお見舞いの言葉を述べて開会となりました。
 来賓の徳島県長寿こども政策局長西成忠雄局長から、「献身的な里親の皆様によって維持されている里親制度をいかに機能させていくか重要な課題となっている。」との挨拶をいただきました。里母2名の子育て体験の後、全国里親会渥美会長から児童福祉法の改正案について、里親の条文化と里親の権限、義務の明記等の説明がありました。午後は「社会的養護と里親の思い」と題して、花園大学教授津崎哲郎氏から、里親でもある氏の子育て経験と児童相談所勤務の経験を通して、子どもたちの心の内面に触れた講演がありました。
 
 
北海道地区里親研修大会 9月19日(日)
 北海道北見市北見芸術文化ホールにおいて、全道の里親及び関係者430名が参加し里親研修会が開催されました。
 式典のあと、作家小檜山博氏(札幌市在住)が「ひとりでは生きられない」をテーマに自らの体験をふまえ「生きる力」を育む養育のあり方等について講演いただきました。また午後からは3名の里親の方々に里子の年代別(乳幼児期・学齢期・思春期)にそれぞれの養育体験をお話しいただき、多くの子育て中の里親に「明日からの養育」に役立つ貴重な体験を伺うことができました。里親が日常の生活で忘れがちな「里親の養育そのものが社会支援のひとつ」であり、「里子に対する責任とともに、多くの期待を担っている」など、里親の養育を複眼的に捉え直すよい機会となりました。
 短い時間ではありましたが、養育技術を高め、交流を行ったほか、多くの一般市民の参加を得たことにより、里親制度に対する認識を高め、伝えることの出来た研修会となりました。
 
NPO法人東京養育家庭の会 〜多摩みどり支部の新しい取り組み〜
 東京西部の三市(日野・町田・八王子)を管轄する八王子児童相談所には登録家庭数59家庭、委託児童数68名、委託家庭数40家庭がある。ファミリーグループホームは東京全体では10家庭だがそのうちの6家庭が管内にあり昨年は岐阜県からファミリーグループホーム視察も受け入れた。(家庭数は2005年1月12日現在)
 支部では毎月の定例役員会以外に3ヶ月に一度は児童相談所との連絡交流会を持っている。これは児童相談所サイドからの提案によって実現した。そこでは児童相談所から里親制度の最新の情報を所長自らが報告した後、今後の取り組み方針が語られる。養育家庭専任児童福祉司、養育家庭専門員、子担当児童福祉司や養育家庭支援員なども同席する。里親サイドからは、その間に行ってきた行事やこれからの予定を報告し、児童相談所に要望や疑問などを投げかけて答えを頂く場にもなっている。支部では通信「みどりの風」を季刊しているがそこにも児童相談所との交流が、いい形で現れている。
 支部ではこの通信以外に「Tシャツ」「ステッカー」「ピンバッジ」の里親グッズを作り、制度のPRをしている。「里母レスパイトツアー」と銘打って秋には韓国に心と体の垢を落としに行きリフレッシュして新たな思いで養育をする試みもした。地元の市議会には制度理解のため「請願」を提出。この働きかけにより、熱心な議員さんとの出会いがあり今後、国会の場にも里親支援の具体策が拡がることを期待している。
(多摩みどり支部 支部長 坂本 洋子)
 
 
岐阜県里親連合会 〜最近の活動報告〜
 昨年11月私たち岐阜県里親会有志7名で東京都養育家庭連絡会と八王子児童相談所を訪問し高瀬会長様と加藤所長様から東京都の活動状況の説明を受け、諸施設の見学。そして「ぶどうの木」の著者坂本様宅を訪問し充実した1日を過ごしました。訪問と交流の目的は私たち岐阜県でも里親のグループホームを作りたいという希望があり急遽、参加者を募集し会員5名行政2名の計7名で前泊し、早朝から精力的に見学と交流をこなしました。
 私たち岐阜県里親会は県下5ヵ所の子ども相談センターに所管する里親会で連合会を組織していますが現在会員は154名でうち33名の里親さんが41名の里子を養育しています。岐阜県では昨年度から週末里親制度を取り入れ25名の里親さんが登録されていますし、岐阜県行政のご配慮で年1回の児童審議会の他に里親審査部会を設けて年4回開催し新規里親の開拓に力を入れています。
 今回の八王子見学交流会では東京の活動状況を学習し目からうろこの落ちる思いで感動しました。この経験を活かして県行政と協力し里親活動を発展させたいと思っています。
 高瀬会長様、加藤所長様はじめ関係各位の皆様に末尾ですが、改めて厚く御礼申し上げます。
(岐阜県里親連合会 会長 平尾 安幸)







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