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児童福祉法改正の問題点
 今回の児童福祉法改正では、里親の権利が明確にされるなど改善と言ってよい面もありますが、乳児院への措置がこれまでの、2歳時点で乳児院から児童養護施設へ措置変更されたことも決してよいことであるとは言えませんが、今回の改正では措置できる期間を延長し、乳児院の存在をさらに強めていくものとなっています。
 2歳時点で乳児院から児童養護施設へ措置変更されることは決してよいことではありませんし、乳児院の存在を認め、その存在を強めていく動きについては決して賛成できるものではありません。
 「里親だより」69号(平成16年1月26日号)でもお知らせしましたが、児童福祉法改正にあたっては全国里親会として厚生労働省に申し入れを行っています。その第一項目として「児童養護体制の逆行的傾向に反対」の表明を行っています。子どもの権利条約などでも子どもは家庭的な雰囲気のなかで養育されるべきであると謳われ、乳児院をなくすのが世界的な傾向です。こうしたなかで、乳児院の存在理由を高めていくのは、子どもの生きる権利を阻害するもので、全国里親会としては強く抗議するものです。
 
 厚生労働省は、去る平成17年1月20日(木)全国厚生労働関係部(局)長会議(厚生分科会)を開催いたしました。この会議において厚生労働省は、里親制度について、平成15年度における要保護児童のうち、里親委託率8.1%を平成21年度までに15%まで引き上げること等を目標に、昨年末「子ども・子育て応援プラン」としてとりまとめ、里親養育援助事業等里親サポート体制の充実及びレスパイトケア事業など様々な施策事業を総合的に活用・実施することにより、里親委託の一層の促進に努められるよう、全国の児童主観部(局)長に依頼いたしました。
 里親制度一層の推進のために、里親皆様方の尽力を切にお願いいたします。
○「子ども・子育て応援プラン」における要保護児童対策の推進について
里親制度の充実
(1)児童養護施設、乳児院、里親に委託された児童のうち里親への委託率 (16年度)8.1%→(21年度)15%
(2)専門里親登録者総数 (16年度)146人→(21年度)500人
 
2004年10月9日(日)
東京国際フォーラムにて開催されました
 
 子どもは、いつの時代にあっても、家庭や地域の温かい愛情と正しい理解により、健やかに育てられなければならない。しかし、近年、家庭や地域における養育力の低下などに伴い、児童虐待や非行などが増加し、大きな社会問題となっている。
 これらの問題解決に向け、次世代育成支援対策推進法の制定、児童虐待防止法の改正が行われるとともに、里親の権限の明確化などを含む児童福祉法の改正が検討されているなど、次代を担う子どもを社会全体で育成する仕組みづくりが喫緊の課題となっている。
 本大会は、第50回という節目の年に当たり、これを契機に、全国の里親及び関係者が一堂に会して親交を深め、里親としての認識を深めるとともに、里親制度の意義と実情を広く社会にアピールし、里親制度の一層の発展を図るために開催されました。
 
 
大会日程・内容
1 開会
開会の辞
大会会長あいさつ
主催者あいさつ
来賓祝辞
顕彰・記念品贈呈
子ども作文コンクール表彰・朗読
2 行政説明
3 シンポジウム
4 全体会
第50回全国里親大会東京宣言採択
次回開催県あいさつ(沖縄県)
全国里子会からの歌のプレゼント
5 閉会
 
 
■式典
 第50回という節目の年にあたる今大会は、幸田昭一東京都福祉保健局長の開会の辞で、開会しました。
 大会の開催にあたっては、高松宮妃殿下からお言葉を賜り、「里親の献身的なご努力に厚く感謝します。里親制度の今後の進展のために、国及び地方公共団体はもちろんのこと、里親会や関係の方々の力強い尽力をもあわせて願い、大いに期待します。」と渥美節夫(財)全国里親会会長が代読しました。
 また、大会会長式辞では、「最近の児童をめぐる環境は急速に悪化し、これらに対して児童に対する社会的支援体制を一刻も早く築くことが緊要である。里親制度もその対策の一環として充実を期し、その役割を十分果たすことが強く要請されている。」と述べられました。
 この後、主催者あいさつに移り、大塚俊郎東京都副知事から「時代を担う子どもたちが、里親家庭で育って本当に良かったと実感できるよう、里親制度の発展に積極的に取り組んで行きたい。」とのお話がありました。
 今大会には多くの来賓の方のご臨席を賜り、来賓代表として、全国社会福祉協議会会長及び東京都議会厚生委員会副委員長からご祝辞をいただきました。さらに、国際里親養育機構前副会長コーラホワイト氏からは、感謝の意が込められた「サークル・オブ・ライフ(ネイティブアメリカンが長老へ贈るガウン)」が全国里親会会長へ贈られました。
 表彰式では、児童福祉の向上に多大な貢献をされ、功績が顕著であったとして、厚生労働大臣表彰が35組、厚生労働大臣感謝状が59組の里親の方々へ贈られました。また、里親活動について多大な貢献のあった方22組及び3団体へ、大会会長感謝状が贈られました。
 続いて、第50回の大会を記念して実施した「子ども作文コンクール」の表彰が行われました。優秀作品に選ばれた小学生以下の部8名、中学生以上の部7名に対して、賞状と記念品が贈られました。最後に最優秀賞に輝いた2名による作文の朗読があり、心に響く素晴らしい作文に会場は感動の拍手でいっぱいとなりました。
 
 
(敬称略)
■厚生労働大臣表彰 35組
北海道 石丸 彰 石丸 洋子
齋藤 憲 齋藤ミサ子
青森県 葛西三千雄 葛西 れい
角田 博 角田ヨシ子
茨城県 清水 秀文 清水八重子
田代 貫章 田代 克子
栃木県 木村 明浩 木村ナツ子
山ノ井ミヨ
群馬県 横堀三千代
埼玉県 須藤 鐡夫 須藤六津子
中嶋 吉男 中嶋眞佐子
千葉県 南雲 勲 南雲 清美
東京都 高瀬 浩之 高瀬 
神奈川県 渡邉 四郎 渡邉 登喜
新潟県 伊藤 孝榮 伊藤 朝子
富山県 石原 弘美 石原 京子
長野県 丸山 正子
滋賀県 高城 一哉 高城 正子
京都府 中嶋 和男 中嶋 秀子
大阪府 志賀 治 志賀 直子
兵庫県 松山 清 松山 靖子
上野登志和 上野 敬子
岡山県 冨田 栖朗 冨田 敏子
池上 正之 池上 幸子
山口県 沖廣 義一 沖廣 紀惠
宮崎県 橘林 継道 橘林 緑
沖縄県 當清 清彦 當桂 桂子
千葉市 今井 英彌 今井ミチ子
横浜市 市澤 勝二 市澤 周子
川崎市 八重樫哲生 八重樫洋子
京都市 藤井 眞 藤井 壽子
大阪市 永井 利夫 永井サヨコ
坂井 金昭 坂井 竹子
北九州市 宇津 定七 宇津 京子
福岡市 小糸 逸弘 小糸 一子
 
■厚生労働大臣感謝状 59組
北海道 高橋 忠良 高橋 幸子
荒田長太郎 荒田 悠
青森県 土岐 敬一 土岐恵理子
安部 義雄 安部 友子
岩手県 藤原 武雄 藤原ヨシエ
秋田県 木明 義則 木明 睦子
山形県 草野 久栄 草野 惠子
相田 守三 相田 智子
福島県 舘岡 慶子
茨城県 鬼澤 文男 鬼澤 清枝
和久澤卓尓 和久澤ハツイ
栃木県 菅野 清壽 菅野 孝子
長島 嘉一 長島美代子
群馬県 細谷 俊雄 細谷八重子
武尾 誠 武尾 明美
埼玉県 横田 行弘 横田 輝子
猪又 修 猪又 澄子
千葉県 島田 昌治 島田 利子
小嶋 勝三 小嶋 はる
東京都 内田 政臣 内田 和子
石川 満男 石川ノエ子
神奈川県 星野 崇 星野 庸子
新潟県 石原 里子
石山 雅 石山 正子
富山県 大房 利一 大房 時枝
平野 昭一 平野由紀江
山梨県 福田 志朗 福田 聖子
佐藤 幸男 佐藤 法子
岐阜県 玉木 信久 玉木千賀子
愛知県 杉村 正人 杉村 和子
京都府 山下 敏夫 山下左和子
梅原 敦美 梅原富美子
大阪府 藤戸 敏勝 藤戸 房江
兵庫県 宮崎 丈夫 宮崎 綾子
阪下千代美
和歌山県 久禮 進 久禮 多世
岡山県 片山 三郎 片山 克子
安東 誠 安東 秀子
広島県 中間 哲郎 中間千代子
稲垣 薫 稲垣りつ子
山口県 山本 眞一 山本 
香川県 長谷川 勇 長谷川祝子
愛媛県 石田 宗明 石田 環
豊竹 勝昭 豊竹美佐子
高知県 藤本 忠嗣 藤本 晴子
福岡県 赤木 睦男 赤木 敬子
大分県 中園 雄司 中園 富子
宮崎県 山田 春雄 山田 国子
鹿児島県 本白水幸雄 本白水トシ子
川元 重雄 川元たや子
千葉市 永田 周南 永田 紘子
横浜市 森 浩次 森 久見子
川崎市 石川 孝司 石川 兼子
名古屋市 杉江 正昭 杉江 法子
橋本 克己 橋本 昌子
大阪市 山口 勝美 山口 和代
伊東 憲秀 伊東波津美
福岡県 綾田 正道 綾田 彩子
有吉 光寛 有吉 準子
■全国里親大会会長感謝状 25組
北海道 山崎 一江
下司 晋 下司千代子
青森県 笹原秀次郎 笹原 愛子
千葉県 山崎 正夫 山崎 静
東京都 味の素 株式会社
アサヒビール株式会社
環境社会貢献部
KIDSプロジェクトチーム
神奈川県 菅野 忠夫 菅野 マサエ
新潟県 渡部 正國 渡部 スミ子
静岡県 小松 洋
三重県 欠田 長平 欠田 ひろ子
京都府 小谷 茂 小谷美和子
兵庫県 桐谷 英一 桐谷恵美子
岡山県 木村 雅信
岡山県美作地区 里親後援会
広島県 桜田 英三 桜田 清美
山口県 山本 眞一 山本 
香川県 長谷川 勇 長谷川祝子
宮崎県 上東 忍 上東えみ子
札幌市 笠井 照子
仙台市 高橋 享夫 高橋 珪子
(故)渡辺志津子
川崎市 広井 八郎 広井 京子
横浜市 中條 幸一 中條 君子
京都市 増田 正昭 増田 景子
広島県 古田 靖彦 古田 順子
 
 
おめでとうございました。







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