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症状アセスメントとマネジメントアプローチ
1. 症状を定義する
2. 症状のメカニズムと出現形態を明らかにする
3. 症状の体験(知覚・評価・反応)を明らかにする
4. 症状マネジメントの方略を明らかにする
5. 現在の状況を明らかにする
6. 看護師が行う方略を導き出すためのアセスメントを行い方針を立てる
7. 看護師が行う方略(基本的知識・基本的技術・基本的看護サポート)を導き出し、提供する
8. 改善された症状マネジメントの効果を明らかにする
 
 
 
症状アセスメント
1. 症状を定義する
・症状は利用者が感じるとおりであり医学的に根拠を示せる場合と示せない場合とがある。症状の定義が曖昧だと看護活動の評価の焦点が明確にならない
2. 症状のメカニズム、出現形態を明らかにする
(痛み、吐き気・嘔吐、倦怠感、不眠、便秘、下痢など)
・症状はどのように現れてくるか?サインを良く観察する
・身体上のサイン
・心理的なサイン
・生活行動上のサイン
*分析の視点:表現が豊かであるか、原因探索的な評価か、感覚的評価か、増強・軽減因子を評価しているか、生活行動関連の反応か、情緒的反応か、認知的反応か、それぞれのバランスはどうか
 
症状アセスメント
3. 利用者の症状体験を明らかにする
・症状の認知(知覚):主観的な(S)
・症状の評価:客観的なデータ(V)
・症状への反応
(利用者・家族、看護師・医師などが行っている方略)
*分析の視点:自分が主体と考えているか。積極的か消極的か。体験との関連は、メカニズムに矛盾しないか。マネジメントの目標を持っているかなど
4. 症状マネジメントの結果を明らかにする
・症状の状態/機能の状態/QOLの変化/症状マネジメントに関連したセルフケア能力など
*分析の視点:症状の表現、セルフケア行動の実行力、日常生活行動と障害、自己の価値観の変化、無力感など
 
看護方針を導き出す
・症状の表現力や反応のバラエティ、評価能力、方略の論理性、主体性、知識の豊富さなどから症状マネジメントに関連した患者のセルフケア能力をアセスメントする。
・症状マネジメントの結果で明らかになったQOL、機能の状態を考え合わせて、患者が症状マネジメントに取り組むときにどのような知識、技術、サポートの提供が必要か導き出す。
・セルフケア能力があるときはそれをいかすように、ないときはそれを補うような方向で方針をたてる。
 
看護方針に基づくケアの提供
・基本的な知識を提供する
・使用している薬剤(モルヒネ)や安全性、副作用に関する知識、生活上の工夫点などの知識(自分でマネジメントする感覚を掴む)
・基本的な技術を提供する
・医師に病状を伝えるスキル(専門職として指示待ち姿勢から看護判断を伝え、対等な関係へ)
・薬剤の評価方法
・苦痛なく安心してできる自分流の方法を生み出す
・基本的看護サポートを行う
・患者の体験に関心を示し、理解、共感する
・利用者の持てる力を認め、フィードバックする
・症状マネジメントでの役割を持たせエンパアワーメントする
・できる事を確認し、推奨する
・できないことは認め、代償することを保証する
 
症状マネジメントの結果を明確化
・症状の改善
・機能状態の変化
・QOLの変化
・セルフケア能力の変化
・症状を表現するようになったか
・マネジメントヘの参加の度合い
・症状、薬剤の自己評価能力
・薬剤の管理能力など
*セルフケア能力は、木人が出きるレベルを正確に査定し、代償の程度を決定する







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