別添
在宅医療のために処方されるバルーン式ディスポーザブルタイプの連続注入器に入った麻薬注射薬の取扱いについて
Q&A
平成11年1月
厚生省医薬安全局麻薬課
(問1)
平成10年12月22日発医薬麻第1854号にいう「患者等」には、患者の他どのような者が該当するのですか。
(答)
患者等には患者の他、患者の看護にあたっている家族等を含みます。
(問2)
平成10年12月22日発医薬麻第1854号1の(2)にいう「必要を満たす最小量」とは具体的にはどれだけですか。
(答)
麻薬施用者が患者の個々の状態、およびその変化に適切に対応することができ、麻薬の適正な管理について考慮にいれた量であり、一律には決められません。
(問3)
平成10年12月22日発医薬麻第1854号2の(2)にいう「保管方法、保管場所等について適切な指導」とは、具体的にはどのような指導のことですか。
(答)
盗難、誤用、変質等の防止のため、例えば、患者等以外の者の出入りがない場所で連続注入器に入った麻薬注射薬が人目につかないところに保管すること、他の物と間違って使用しないように扉の閉まる棚等に他の物と区別して保管すること、などの指導とともに、充填した麻薬の安定性を考慮して、直射日光を避けて保管すること、などの指導があります。
(問4)
患者の居宅において、在宅医療のために交付された麻薬注射薬を紛失したり盗取されたりしたという連絡を患者等から受けた場合、どのようにしたらよいのですか。
(答)
患者の居宅において在宅医療のために交付された麻薬注射薬の入った連続注入器を紛失したり盗取されたりした場合には、交付を受けた麻薬診療施設または麻薬小売業者に届け出るよう指導するとともに、とくに盗取された場合には、速やかに警察にも届け出るように指導して下さい。
(問5)
在宅医療のために交付された麻薬注射薬の入った連続注入器の保管についてはどのように注意を払えばよいのですか。
(答)
在宅医療のために交付された麻薬注射薬は、麻薬の内服薬と同様に患者等の責任のもとで取り扱うことになるため、連続注入器の取扱い、保管方法については、交付に際して患者等に十分指導して下さい。
(問6)
平成10年12月22日発医薬麻第1854号3の(1)にいう「使用済み又は未使用で不要になった連続注入器は、原則として交付を受けた麻薬診療施設又は譲り渡しを受けた麻薬小売業者に返却する」とありますが、患者等のやむを得ない理由により、交付を受けた麻薬診療施設又は麻薬小売業者に返却できない場合、どのように指導すればよいのですか。
(答)
交付を受けた麻薬診療施設又は麻薬小売業者に返却するよう患者等に指導することが原則ですが、患者が転院した場合などやむを得ない場合は、近隣の麻薬診療施設又は麻薬小売業者を紹介し、そこに譲り渡すよう指導してください。(麻薬及び向精神薬取締法第24条第1項第2号及び第3号)
(問7)
在宅医療のために交付された麻薬注射薬の使用済みの連続注入器が返却された場合も、施用残の扱いをするのですか。
(答)
バルーン式ディスポーザブルタイプの連続注入器は、最後まで使い切っても連続注入器内に若干量の麻薬注射薬が残りますので、使用済みの連続注入器についても施用残として取り扱って下さい。
(問8)
在宅医療のために交付された麻薬注射薬が返却され、連続注入器内の麻薬注射薬の残液を廃棄する場合、帳簿に記載する事項は、どの程度のことを記録すればよいのですか。
(答)
連続注入器の返却を受けた麻薬診療施設又は麻薬小売業者にあっては、返却した患者の氏名、返却及び廃棄の年月日、品名等について記載して下さい。数量については連続注入器の個数とおよその廃棄量(例えば、ほぼ全量、半量、微量、約10ml等)を記載して下さい。
患者が廃棄してしまったという報告を受けた場合にあっては、その旨を備考欄等に記載して下さい。
なお、廃棄する場合は補助簿に記載すると便利です。
(問9)
在宅医療のために交付された麻薬注射薬を患者等から返却された場合、連続注入器内の麻薬注射薬の残液の廃棄方法はどのようにすればよいのですか。
(答)
患者等から返却を受けた麻薬注射薬を廃棄する場合、麻薬管理者又は麻薬小売業者の責任者が、麻薬診療施設又は麻薬小売業者の他の職員1名以上の立会の下に、焼却、酸・アルカリによる分解、希釈、放流、他の薬剤との混合等、麻薬を回収することが困難な方法で廃棄して下さい。
(問10)
在宅医療のために交付された麻薬注射薬が未使用で返却された場合、麻薬注射薬の廃棄に際して、都道府県知事への届出は必要ですか。
(答)
返却された麻薬注射薬はすべて施用残として取り扱うものであるので、都道府県知事への届出は要りませんが、廃棄の記録は必要となります。
なお、バルーン式ディスポーザブルタイプの連続注入器以外に入った麻薬注射薬が在宅医療のために交付された場合(IVHにおける輸液バッグ等)についても同様の扱いとして下さい。
(問11)
在宅医療のために、バルーン式ディスポーザブルタイプ以外の連続注入器を用いて、処方された麻薬注射薬を交付しても差し支えありませんか。
(答)
麻薬施用者が設定した注入速度について、患者を含む他の者によって変更できなく、また薬液を取り出せない構造になっている連続注入器であれば差し支えありません。
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