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図表2-17 西大津駅周辺地区ヒヤリハッとマップ
(不安感マップアンケート調査結果)
(拡大画面:170KB)
 
ウ 不安感ポイント現地調査
≪調査地点位置図≫
 第1回ワークショップ結果および不安感アンケート調査結果より、JR西大津駅周辺と、JRの高架下・高架沿いの道路に不安感が集中していたことから、下図に示す10箇所について現地調査を実施した。
 
図表2-18 西大津地区不安感ポイント
(ワークショップ結果および不安感アンケート調査結果)
(拡大画面:114KB)
 
≪各地点調査結果≫
 JR-京阪連絡通路などの通勤・通学の動線は、昼間は明るく見通しもよいが、夜間になると証明が乏しいため、夜間歩行中の可視性を下げる要因になっている。
 京阪電車の到着の瞬間は人気が増えるものの、しばらくするとすぐに人通りがまばらになる。通路の両脇は照明が届かず完全に死角となってしまう箇所が多く見られた。
 
 
エ 地域自衛型防犯体制のあり方についての検討結果
≪地域防犯対策マップ≫
 地域住民から不安感の高い、西大津駅前・高架下環境の改善を目標とした「駅クリーン作戦」「高架下ペイント」「高架下チャレンジショップの展開」等の取組の提案が行われた。
 また、小学生・子ども参加による防犯パトロールの実施、皇子山公園内の野外劇場を活用した地域イベント開催による、地域コミュニティ育成の仕掛けづくりの提案が行われている。
 
図表2-19 西大津駅周辺地区地域防犯対策マップ
(拡大画面:192KB)
 
≪地域自衛型防犯体制の検討≫
 短期的な取組にとどまらず、長期的な視野にたっての「駅前改善ビジョン」を住民参加のもとに作成していく必要性が指摘された。さらに、駅周辺環境の改善にあたっては事業者との連携の必要性、新たな住民の地域活動への巻き込みの必要性が指摘されている。
 また現在の西大津駅周辺防犯推進協議会(O.W.C.P)のNPO法人化を受けてさらなる活動活発化のアイデア(ホームページ開設、体制強化)や、次の目標としての「コミュニティポリスの設立」が掲げられており、実現に向けての課題(活動資金源・活動拠点の確保等)が挙げられている。
 さらに防犯活動結果を地域内外に還元していく仕組みを構築し、他目的団体、他地域団体との交流連携を進めていくことの必要性が確認されている。
 また、活動の継続性を確保するためにも、新しい参加者の取込みの工夫や、「防犯」だけに囚われない活動テーマの多様性確保(派生・連携)の重要性が指摘されている。
 
図表2-20 西大津駅周辺地区地域自衛型防犯体制の検討
(拡大画面:166KB)
 
(4)まとめ
 西大津駅周辺地区における地域防犯に関するワークショップの実施した結果を元に、以下のとおり、地域防犯システムの構築に係るポイント、共通課題の洗い出しを行った。
ア 防犯意識に関連する地域特性
 平成14年以降人口が急増し、20代〜40代の比較的若い世代の流入が進んだことから新旧住民の交流等を通じての地域コミュニティ強化の取組が必要である。
 まちなかに不安感箇所が多く、競艇場への来場者、観光客など外部からの流入者に対しての不安感が高く、体感治安は低い状況にある。
 西大津駅周辺防犯推進協議会を中心とした、地域防犯活動が活発に展開されており、地域自衛型防犯意識は高まってきているが、活動に参画できていない地域住民も多く、今後の新しい参加者取込み(防犯活動情報発信の工夫等)が課題となっている。
 
イ まちなか環境特性
 人口増加に伴う開発段階であることから、整備部分(住宅地周辺)と未整備部分(駅周辺等の公共空間)とのギャップがあり、不安感の高い状態となっている。
 西大津駅およびJR、京阪高架沿いといった、住民の通勤・通学などの日常動線に対して、夜間の暗さ、人通りの少なさ(電車到着時とのギャップが激しい)、駅前周辺での若者のたむろも不安を煽る要因となっている。
 西大津駅周辺・高架下における落書き、不法投棄、放置自転車、等のマナー違反・迷惑行為により、公共空間のモラル低下、雰囲気の悪化が見られる。
 駅前・高架下環境の改善取組(「駅クリーン作戦」「高架下ペイント」「高架下チャレンジショップの展開」等)を実施していく必要がある。
 
ウ 今後の地域自衛型防犯体制のあり方
 現段階で、西大津駅周辺協議会を中心とした精力的な活動が展開されており、さらなる組織体制の強化、活動内容の充実が期待される。
 特に、活動の継続性を確保するためにも、活動資金源の確保、新しい参加者の取り込みの工夫や、「防犯」だけに捕われない活動テーマの多様性確保(派生・連携)が重要となってくる。
 さらに防犯活動結果を地域内外に還元していく仕組みを構築し、他目的団体、他地域団体との交流連携による相乗効果により、さらなる活動内容充実が期待される。
 また、短期的な取組にとどまらず、長期的な視野にたっての「駅前改善ビジョン」等、住民参加によりビジョンを作成していくことによる、計画的・持続的な防犯まちづくりへの展開が期待される。







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