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(2)草津市〜玉川学区
(1)地域特性および犯罪特性
ア 地域特性
 玉川学区は琵琶湖南岸に面する草津市の中央部から南部にかかる地域である。学区内を国道1号線、東海道本線(琵琶湖線)、東海道新幹線、名神高速道路といった主要幹線道路、鉄道が通過する。
 もともとは果樹園が広がる丘陵地であったが、昭和44年に大手電気メーカーの工場が建設されると周辺で宅地造成が行われ、平成6年の立命館大学びわこ・くさつキャンパスの開校後には学生向けワンルームマンションの造成も進んでいった。さらに同年の9月にはJR東海道本線南草津駅も開業し、駅周辺に娯楽・遊興施設が出店するようになった。
 人口は12,864人(平成12年国勢調査報告)で増加傾向にあるが(対平成7年比4.5%増)、年齢別人口構成を見ると20代前半の人口が突出していること、平成7〜12年の定住率(5年間同地域に居住する人口の地域人口総数に対する割合)が約50%ときわめて低い値を示していることから、在学期間のみ居住する大学生の割合の多さがうかがえる。
 地域の環境としては、若者を対象とした娯楽施設(深夜営業の飲食店、カラオケボックス、ボーリング場等)の増加により、周辺地域からも若者が集まり、学生や少年が犯罪者または被害者となるケースがある。
 
図表2-21 玉川学区の概況
(拡大画面:158KB)
 
図表2-22 玉川学区 基礎データ
【人口】 12,864人(対H7比 4.5%増)
【1世帯当り人数】 2.0人
【老年人口比率】 10.2%(市 12.6%、県 16.1%)
【定住率(H7-12)】 50.2%
【産業別人口比率】 注)分類不能を除く
第1次1.0%:第2次39.4%:第3次56.1%
(市全体 第1次1.3%:第2次36.8%:第3次59.6%)
出典)総務省統計局「平成12年国勢調査報告」より作成
 
図表2-23 人口構成比較(全国・玉川学区)
出典)総務省統計局「平成12年国勢調査報告」より作成
 
イ 犯罪特性
 草津市および玉川学区においては平成10年以降認知件数が急増している。
 玉川学区においては、平成4年より増加に転じ、平成6年以降増加率が高くなってきている(平成6年4月立命館大学開校、平成6年9月南草津駅開設)。
 平成12年以降、窃盗犯以外の犯罪が増加傾向にあり、特に粗暴犯の増加傾向が見られる。
 窃盗犯(万引き・車上ねらい等)の検挙人員の半数以上は少年となっており、少年犯罪が深刻な状況にある。また学生向け店舗(遊興施設、居酒屋など)の周辺などでの自転車・バイク盗が多発している。
 
図表2-24 草津市における刑法犯認知件数の推移(総数、窃盗犯、窃盗犯以外)
出典)滋賀県警察本部「犯罪統計情報−発生地域からみた刑法犯認知状況」より作成
 
図表2-25 玉川学区における刑法犯認知件数の推移(総数、窃盗犯、窃盗犯以外)
出典)滋賀県警察本部「犯罪統計情報−発生地域からみた刑法犯認知状況」より作成







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