≪犯行現場周辺での連続犯行の有無と連続犯行の件数≫
●犯罪者の約4割が犯行現場周辺において連続犯行に及んでいる
犯罪者の約4割が犯行現場周辺において連続犯行に及んでおり、「5件未満」(26人)が最も多くなっている。
図表1-35 犯行現場周辺での連続犯行の有無(n=86)
図表1-36 連続犯行の件数(n=33)
≪侵入しにくい建物の条件≫
●周辺環境の監視性確保、防犯機器設置等による建物防犯性能の向上
被疑者にとって侵入しにくい建物条件としては、「近所に人通り・人目が多い」(41%)が最も多く、次いで「セキュリティ会社が警備している」(26%)、「防犯機器が取り付けてある」(13%)が多くなっている。
侵入盗犯罪を防止するためには、周辺環境の整理などによる監視性と領域性の確保、防犯機器設置等による建物の防犯性能の向上が重要であることがわかる。
図表1-37 侵入しにくい建物条件(n=86)
ウ まとめ〜侵入盗の犯行特性について
以上整理した侵入盗の犯行特性から、建物個別の「被害対象の強化」、地域全体での「監視性の確保」、「領域性の強化」を行い犯罪者に狙われにくい地域づくりを進めることが実際の犯罪抑止に効果があることが裏付けられた。
≪犯人の特性≫
土地勘を有している滋賀県居住者(元居住者)による犯行が多い。その地域や侵入建物に関しての情報を有していることが犯行に至る大きな理由となっている。
また、生活に困窮しての犯行だけではなく、遊興費欲しさといった軽はずみな動機による犯行が見られる。
≪被害対象・地域の特性≫
無施錠により侵入を許しているケースが多く、また、犯行地の下見時の留意点、侵入建物の選定理由等に見られるように、「周辺地域の監視性が低い(人通りが少ないなど)」、「建物の防犯性能が低い(無施錠、普通ガラス窓など)」といった特性のある地域・建物が被害に遭い易くなっている。
居住者側の防犯意識の向上、施錠の徹底、各種防犯機器設置等による「被害対象の強化」、声かけ運動、防犯パトロールや落書き消し、環境美化等による「監視性の確保」、「領域性の強化」が重要であることがわかる。
≪犯行行動の特性≫
侵入時間は5分以内、侵入を諦める時間は10分が目安となっていることから、防犯対策(施錠の徹底、防犯機器の設置等)による「被害対象の強化」を各世帯において実施し、侵入しにくい環境づくりが重要である。
また、一度犯行を行った地域(ねらいやすい地域)での連続犯行の傾向があることなどから、建物個別の「被害対象の強化」を実施するだけでなく、地域全体での「監視性の確保」、「領域性の強化」を行うことで、犯罪者に狙われにくい地域づくりが必要であるといえる。
(3)県民防犯意識特性の整理〜滋賀県政世論調査より
ア 調査概要
≪調査目的≫
滋賀県政世論調査の調査項目のうち、防犯関連の質問項目の調査結果について分析を行い、滋賀県民の防犯意識特性の整理を行うことを目的とした。
≪調査期間≫
平成16年7月14日〜8月4日
≪調査対象≫
調査地域 |
滋賀県下全域 |
調査対象 |
県内在住の満20歳以上の男女個人(外国人を含む) |
標本数 |
3,000人 |
抽出台帳 |
選挙人名簿および外国人登録原票 |
抽出方法 |
層化二段無作為抽出法 |
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調査にあたり、県内市町村を以下のとおり7地域に区分した。
地域名称 |
市町村名称 |
大津・志賀 |
大津市、志賀町 |
湖南 |
草津市、守山市、栗東市、中主町、野洲町 |
甲賀 |
石部町、甲西町、水口町、土山町、甲賀町、甲南町、信楽町 |
東近江 |
近江八幡市、八日市市、安土町、蒲生町、日野町、竜王町、永源寺町、五個荘町、能登川町 |
湖東 |
彦根市、愛東町、湖東町、秦荘町、愛知川町、豊郷町、甲良町、多賀町 |
湖北 |
長浜市、山東町、伊吹町、米原町、近江町、浅井町、虎姫町、湖北町、びわ町、高月町、木之本町、余呉町、西浅井町 |
湖西 |
マキノ町、今津町、朽木村、安曇川町、高島町、新旭町 |
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≪調査方法≫
郵送法・無記名方式
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