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資料19: プロトタイプバラスト水処理技術の承認のためのガイドライン(G10、仮和訳)
 
プロトタイプバラスト水処理技術のプログラム承認のガイドライン
 
セクション A: 序文、定義、役割及び責任
 
1 序文
 
総論
 
1.1 このガイドラインは、“船舶のバラスト水及び沈殿物の制御及び管理に関わる国際条約”(条約)の規則D-4の目的に基づき、プロトタイプバラスト水処理技術の為のプログラム承認に関し、主管庁に推薦を提供する。更に、ガイドラインは、そのようなプログラムに対する承認の受け入れ基準に関する推薦を行う。このガイドラインに概要が記されている推薦は、客観的、一貫したかつ透明な方法で適用されねばならない。またその適用は、機関により定期的に評価されねばならない。
 
1.2 ガイドラインは、総括的な性能試験及び評価に対する技術手続きと同様、設計及び構造に関する一般的な推薦を含む。条約規則D-4(このガイドラインを含む)に準拠しているとの声明文の発行の手続きもまた提示される。
 
1.3 バラスト水処理の知識、経験及び続く技術的な達成度の水準は発展し続ける為、ガイドラインは更新が要求される。そのような発展を考慮し、その内容を定期的に再調査されねばならない。また改定は機関により正当に回覧されねばならない。
 
1.4 このガイドラインに引用されている規則は条約への附属書に含まれるものである。
 
目的
 
1.5 このガイドラインの主たる目的は次の通りである:
 
.1 条約規則D-2の基準の性能パラミーターに合致、ないしは超える可能性を持つ将来性のある技術を承認する為に製造業界のために備える;
 
.2 条約規則D-4に基づき、プロトタイプ・プログラムを通じて、そのような技術の更なる発展を可能にし奨励する;
 
.3 主管庁が提案されたプログラムを承認、なしは却下することを可能にする。また承認された場合、このガイドラインに基づく規則D-4の意図に準拠していることの声明文を発行することを可能にする;及び
 
.4 規則D-4の統一した解釈及び適用を提供する。
 
適用性
 
1.6 このガイドラインは、条約の決定に基づき、プロトタイプバラスト水処理技術プログラムの承認を申請する。
 
プログラム承認要求
 
1.8 このガイドラインで規定されているプロトタイプバラスト水処理技術プログラムの承認要求は、下記に要約される:
 
1.9 却下ないしは適合の証明書の発行のいずれかに通ずるプロトタイプバラスト水処理技術のプログラムの引き受け手続きは、下記の図1に記されている。プログラム承認の申請は、三つの主な要因より構成される;
 
.I プログラム申請の提出:設計、建造、操作、稼動及び航海期間、船舶の型、容量、あるいはセクションBに従い関連性のあるいかなるほかの条件に関連する技術的な情報の提示。その提示の中には下記に記載されている二段階の実行及びプログラム完成までの時間表を含み、プログラム実施を記載する詳細な計画表が含まれていなければならない。この情報は、主管庁によるプログラムの適正(候補承認)の最初の評価の基礎とならなければならない。そのような提示後に、プログラムが承認される場合、承認は初期のもので試験縮尺実行手続きの結果の報告を伴う再評価に準ずる事になる。
 
.II 縮尺試験の実行:もしプログラム承認がプログラム申請の提示に基づき許可された場合、プロトタイプバラスト水管理技術の潜在的性能効果は、試験縮尺実行手続きにより評価されねばならない。この範疇はセクションCに詳細が記されている。結果は、主管庁に検討のため報告されねばならない。それらの結果の承認は、プログラムの最終承認及び本船へのプロトタイプの導入のために要求される。
 
.III 調査評価の導入:縮尺試験実行評価の結果は、プログラムを代表する技術が規則D-4に基づく引き受け基準に従って承認されるか否かを決定する。もし縮尺試験実行評価の結果が受け入れられる場合、プログラムはプロトタイプの本船への設置に移る。船舶のバラスト水管理の実行はセクションCに概要が記されている調査評価の導入に従い確立される。
 
 規則D-4に基づく準拠の声明は、上記項目に従い評価され、及び試験を受けたプロトタイプの設置の対し主管庁により発行される。効率、安全性あるいは他のいかなる操作上の局面に関する性能改善の事柄に対する製造者あるいは独立の第三者機関による推薦事項は考慮され、更にD-4準拠の声明の発行以前にプロトタイプ設置を履行されねばならないことを注意すべきである。
 
 
2 定義
 
 プロトタイプバラスト水処理技術−処理設備、あらゆる関連する制御設備、モニター設備及びサンプリング施設を含み、規則D-2のバラスト水性能基準を満足するか凌駕する可能性を持つバラスト水処理に提案されたいかなる技術を意味する。
 
 プロトタイプのバラスト水処理技術は、バラスト水及び沈殿物の有害な水生生物及び病原菌を除去、無害化、ないしは取り入れや排出を避け、活性物質を含む含まないに関わらない機械的な、物理的な、化学的な、あるいは生物学的工程の単独あるいは複合である。
 
 プロトタイプのバラスト水処理技術は、バラスト水の採取あるいは排出時、航海中あるいはそれらの状況のいかなる組み合わせの際に稼動する。
 
バラスト水処理−機械的、物理的、化学的、及び生物学的工程の単独ないしは複合であり、バラスト水及び沈殿物内の有害な水生生物及び病原菌を除去、無害化、ないしは採取や排出を避けるのが目的である。
 
バラスト水処理システム−バラスト水の採取から排出まで、完全な作動するバラスト水処理設備を形成している全ての部品の組み合わせに適用される。
 
バラスト水処理システムの部品−完全なバラスト水処理システムを形成する各種の部品(たとえば濾過器、主要処理機、配管、ポンプ、制御機器、他)のいずれにも適用される。
 
バラスト水処理ユニット−生物を排除、排除あるいは無害化する為に、特別に設計されたバラスト水処理システムの部品に適用される。バラスト水処理システムは、一つないし複数のバラスト水処理機器より構成される。
 
バラスト水管理計画−バラスト水管理工程及び個々の船舶の船上の手続きを記載する条約規則B-1を引用した書類である。
 
活性化物−有害な水生生物及び病原菌に、一般的にないしは特定的に反応し、添加あるいはバラスト水処理機器で造成されるビールスないしは菌を含む物質、ないしは生物を意味する。
 
制御設備−プロトタイプのバラスト水処理技術の適切な稼動に要求される設置された設備を参照する。
 
モニター設備−プロトタイプのバラスト水処理技術の効率的な作動に、定期的ないしは継続的な評価のために要求される設置された設備を参照する。
 
条約−船舶のバラスト水および沈殿物の制御及び管理に関する国際条約を意味する。
 
製造者−プロトタイプのバラスト水処理技術の法的所有者、ないしは所有者により指名された代表者を意味する。製造者は、設置調査の評価が実行される船舶の持ち主ないしは運行者である可能性もある。
 
主管庁−その権限の下で、船舶が運航されている国の政府を意味する。ある国の国旗の掲揚が許された船舶に関しては、主管庁はその国の政府である。浮き保管ユニット(FSUs)及び浮き生産保管及び荷役装置(ESPOs)を含む、自然資源の探査及び開発を目的として支配権を行使している沿岸国に隣接する海底および底土の探査および開発に従事している浮きプラットフォームに関しては、主管庁は関連する沿岸国の政府である。
 
バラストタンク−使用される空の空間を意味する。
 
査定評価処理能力−(ARTC)時間当たりの立法米で表示され、航海での性能評価に対し、プロトタイプのバラスト水処理技術が査定される処理能力のことである。
 
物理的工程活動−海洋生物を除去、ないしはそのような生物を無害にする目的で、バラスト水処理機器により使用された物理的工程を参照する。
 
制御ユニット−バラスト水処理機器の稼動を制御する為に、設置された補助的な設備を参照する。
 
モニターユニット−バラスト水処理機器の作動を定期的ないしは継続して査定する為に、要求される設置された設備を参照する。
 
サンプリング施設あるいは設備−条約の条文[10]に引用されているサンプリングのために提供された設置された手段を参照する。
 
 
3 役割と責任
 
3.1 主管庁の役割
 
 主管庁は、条約規則D-4に基づき将来性のある技術を試験し査定する為に、プログラムの承認を申請するいかなる製造者に、必要な骨子及び指導要領を提供する責任を持つ。これは、そのようなプログラムを考慮し承認する為の手続きの確立を含む。
 
 主管庁は、プログラムのいかなる承認及び主管庁により発行されるD-4準拠の声明文の発行を機関に報告せねばならない。
 
3.2 製造者の役割
 
 製造者の申請(プログラム申請提出)に基づくそのようなプログラムの承認に従い、縮尺試験実行の評価及び調査評価の導入を含む許可された計画に基づき、手続きする義務がある。そのような計画からのいかなる逸脱も主管庁に報告されねばならない。縮尺試験実行の評価の結果は、プログラムがプロトタイプの本船への設置を実行する以前に、主管庁により承認されねばならない。結果は、独立した第三者機関の認証に従う。報告の責任は製造者にある。
 
3.3 検査機関の役割
 
 縮尺試験の評価は、主管庁により認められたシステム準拠の試験及び評価の経験のある機関、組織、試験所あるいは会社により実行されなければならない。検査機関は、このガイドラインのセクションCに基づき、要求されている縮尺試験の評価を実行する責任がある。検査機関は、このガイドラインのセクションCに基づき、施設への接近が可能なことを証明せねばならない。
 
3.3 独立した第三者機関の役割
 
 主管庁により承認された独立した第三者機関は、縮尺試験の評価を実証する為に製造者により任命されねばならない。
 
3.4 指名された機関
 
 主管庁は主管庁の為に行動する指定機関を任命することができる。これはプログラムの管理、結果の調査ないし評価を含む。指定機関は独立の第三者機関でありうる。







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