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資料編−1
一般的な船体保守管理に関する現状調査ヒアリング原票
ヒアリング調査原票番号−01
0. 船種:原油タンカー、ケミカルタンカー
 
1. 会社概要(A社)
(1)運航船は約700隻。タンカー約30隻、バルカー約40隻、他。
(2)大手の海運会社であり、船舶管理はインハウス及び独立系の船舶管理会社に委ねている。
 自社内に技術部門を持つ。
 
2. 一般的な船体保守管理に関する現状調査
(1)インハウス船舶管理、独立系船舶管理会社の管理か。
(1)実オーナ及びオペレータ(用船者)である。
(2)親会社(実オーナ)は管理会社に保守に関して、指示、指針を文書で与えているか。
(1)船舶管理契約で契約。
(2)用船者の管理基準を提示。定期的に検査を実施。
(3)管理方針は親会社からあるか。
(1)同社は用船社の立場である。船舶全般の管理基準を各管理会社へ提示。
(2)長期的な計画はある。年初の予算作成時に各管理会社と当年度の詳細な仕様を作成。年2回、予算消化の進捗状況、船の状況の報告を求めている。
(4)本船を何年維持するために保全をするか。このような考えがあるのか。
(1)管理年数に関して管理会社に指示はしていない。
(5)船体マニュアルについて。どのようなマニュアルがあるのか等。
(1)同社もISMコードをとっている。インハウス管理会社は同社と同じSMSマニュアルで管理。
 SMSマニュアル(保全管理規定、その手順)が記述され、各社はそれにより保全管理マニュアルを作成している。
(2)実オーナ、用船者として、船種毎に重点点検項目、点検指針を作成し、管理会社に指示している。
 これらの点検を実施することは、当然、管理会社から費用請求される。
(3)用船者独自の管理基準で管理会社、運航船(同社がチャータした船舶)をチェックしている。
(4)実オーナであるので、船体設計基準はある。また、自社船、造船所、他海運会社から損傷事例等の情報を集め、点検・修理指針を関係管理会社に流している。
 
3. 原油タンカーに関して
(1)船級ルールによる検査、OBMによる点検・メンテ方法及び記録。
(1)船級ルールに則った管理。タンカーはインハンウスの管理会社に外注である。
(2)記録は管理会社が作成しているが、各社ともSMSに則った管理であるため、同じとしている。
(2)保全のタイムシーケンス。OBM、検査、ESP。
(1)定検時には板厚計測を行う。
(2)5年過ぎの船から板厚計測を行っている。
(3)メジャー要請の検査を行っている。
(4)Ballast Tankは6ヶ月で点検を一巡。
(5)Cargo TankはDock前の航海時に全タンク点検。入渠時も点検。
(3)入渠地は。
(1)現在は、シンガポール及びドバイである。
(4)海外での船体関係PSC状況
(1)Survey reportのRecommendが残っているかをチェック。それとの関係で見える範囲で船体を点検。主に安全設備が点検される。
(5)メジャー検船等
(1)Tankerは全てオイルメジャー検船を受けている。
(6)整備に参考とするガイダンスは。
(1)NK等の船級ガイダンス。NK船主/オペレータの為の船級維持の手引き、タンカー構造強度に関するガイドライン、Guidance For The ClassNK Condition Assessment Program等原油タンカーと同じ。
(2)造船所作成図面、マニュアル。造船所の技術資料。適宜造船所と勉強会を実施。
(3)Guidance for Corrosion Protection System of Hull Structures-For Water Ballast Tanks and Cargo Oil Tanks-(NK Class)。
(4)Guidelines for the Inspection and Maintenance of Double Hull Tanker Structures(Tanker Structure Co-operative Forum)。
(5)Guidance Manual For Tanker Structures(Tanker Structure Co-operative Forum)。
(6)係留設備に関する指針(OCIMF発行、日本タンカー協会翻訳)。
(7)International Safety Guide for Oil Tankers & Terminals(Forth Edition) 1996年発行(編集、ICS、OCIMF、IAPH)。
(8)オイルタンカーとターミナルに関する国際安全指針「ISGOTT-International Safety Guide for Oil Tankers & Terminals-を日本タンカー協会が翻訳」。
(7)クラック、損傷の状況(過去、現在、注意点)は。
(1)Single Hull Horizontal Girder クラック。
(2)Single Hull Trans. Bulkhead 腐食破孔。
(3)Single Hull Trans. Frame Stiffener 腐食。
(4)Single Hull Trans 上Deckの腐食。
(5)Single Hull Cargo Hold Deck Plate腐食。
(6)Double Hull Cargo Hold Deck Plate腐食。
(7)Tank Bottom Pitting Corrosion。
(8)タンク内部(貨物、バラストタンク)の塗装に関して。
(1)Cargo Tank。
・Double Hullの新造船はBottom Plateを塗装。
(2)Ballast Tank。
・タールエポキシ塗装
 
4. ケミカルタンカーに関して
(1)船級ルールによる検査、OBMによる点検・メンテ方法、記録。
(1)原油タンカーと同じ。
(2)保全のタイムシーケンス OBM、検査、ESP。
(1)原油タンカーとほぼ同じ。
(3)入渠地は。
(1)国内である。
(4)海外での船体関係PSC状況。
(1)原油タンカーと同じ。
(5)メジャー検船
(1)オイルメジャー検船を受けている。
(2)オイルメジャーとは別にCDI(Chemical Distribution Institute)の検査を受けている。
(6)整備に参考とするガイダンスは。
(1)原油タンカーと同じ。
(7)クラック、損傷の状況(過去、現在、注意点)は。
(1)コルゲートコーナ部とビルジホッパー部の溶接部にクラック。
(2)横隔壁とStool Shelf Plate溶接部のクラック。
(3)横隔壁及び縦通隔壁のコーナ部とStool Shelf Plateとの接合部のクラック。
(8)タンク内部(貨物、バラストタンク)の塗装に関して。
(1)Cargo Tankはステンレスである。
 
5. 船体保全マニュアルの詳細
(1)船体保守管理マニュアル(SMSマニュアルを含むこと)またはそれに類する文書は具体的にどのようなものがあるのか。
(1)ISMコードに準拠したマニュアルがある。
(2)運航している船種毎に船体構造点検指針等の各種マニュアル、技術資料が備わっている。
(2)船体整備記録は具体的にどのようなものがあるのか。
(1)OBMに関する書類及び記録は、基本的に提示サンプルと同じである。
(2)検査に関しての記録。
 船級のSurvey Record、板厚計測の記録 等で、基本的に提示されたサンプルと同じである。
(3)Dock、沖修理業者(Runningでの保全)の記録は他社と同じである。
 
ヒアリング調査原票番号−02
0. 船種:原油タンカー、ケミカルタンカー
 
1. 会社概要(B社)
 管理船は約35隻。タンカー約11隻、ケミカル船13隻である。
 海運親会社(実オーナ、オペレータ、用船者)の船舶管理部門が分社。
 
2. 一般的な船体保守管理に関する現状調査
(1)インハウス船舶管理、独立系船舶管理会社の管理か。
(1)インハウス船舶管理会社である。
(2)親会社(実オーナ)は管理会社に保守に関して、指示、指針を文書で与えているか。
(1)海運親親会社の工務、海務部門であるので親会社からの文書はない。
(2)親会社を含む各会社とは船舶管理契約を締結。
(3)管理方針は親会社からあるか。
(1)親会社からはない。自社の管理方針で行っている。
(2)長期の保船プランがある。また、年初の予算作成時に詳細なプランを決める。当然工務担当者と本船との共同作業となる。実オーナには年2回の現状報告をしている。
(3)本船はOBMを主体としたPlanned Maintenanceである。
(4)本船を何年維持するために保全をするか。このような考えがあるのか。
(1)目標とする管理年数は決めていない。
(5)船体マニュアルについて。どのようなマニュアルがあるのか等。
(1)SMSマニュアルと船舶設備管理マニュアルがある。
 一般的に他社と同じと考えている。
(2)他船、Classからの情報を得るたびに技術資料を作成し、関係者に注意喚起している。
 
3. 原油タンカーに関して
(1)船級ルールによる検査、OBMによる点検・メンテ方法及び記録。
(1)船級ルールによる検査とOBMによる保全が主であり、他船社と同じである。
(2)保全のタイムシーケンス、OBM、検査、ESP。
(1)定検時には板厚計測を行う。
(2)5年過ぎの船から板厚計測を行っている。
(3)Ballast TankのOBMによる検査は6ヶ月で1巡
(4)Cargo Tank内の検査はDock前の航海に実施
(5)本船はOBMを主体としたPlanned Maintenanceである。計画を年初に作成。
(3)入渠地は。
(1)現在は、PG航路途中のシンガポール。今後は、ドバイ。
(2)ケミカル船は国内。







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