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2. 高齢者、障害者の現状
1)高齢者
 わが国は、他に例を見ない急速な高齢化が進んでいる。2015年には国民の4人に1人が65歳以上の高齢者となる本格的な高齢社会を迎えると言われている。
 わが国の高齢化社会(高齢化率7%)から高齢社会(高齢化率14%)になる年数はわずか24年間、アメリカ69年間、イギリス46年間、ドイツ42年間、フランス114年間、スウェーデン82年間で急速にわが国は高齢化が進んでいる。現在、わが国はスウェーデンを抜いて世界最高水準に達している。
 わが国の急速な高齢化の背景としては、まず、平均寿命の著しい伸びがあげられる。昭和22年(1947年)に、男子50.06年、女子53.96年だった平均寿命は平成13年(2001年)には男子78.07年、女子84.93年に達している。
 
日本の高齢化率
 
  昭和60
(1985)
平成7
(1995)
平成17
(2005)
倍化年数
(高齢化率 7%→14%)
% % % 年間 (年次)
日本 10.3 14.8 19.1 24 (1970→1994)
アメリカ 11.9 12.6 12.9 69 (1945→2014)
フランス 13.0 14.9 15.6 114 (1865→1979)
ドイツ 14.6 15.2 18.5 42 (1930→1976)
イギリス 15.1 15.5 15.2 46 (1930→1976)
スウェーデン 17.9 17.3 17.1 82 (1890→1972)
資料: 総務庁「国勢調査」(10月1日現在)
厚生省「日本の将来推計人口」(平成4年9月推計)、
Un,The Sex And Age Distribution of World Population: 1992, 1994
 
65歳以上人口の推移(各年10月1日現在)
  平成7年
(1995年)
平成12年
(2000年)
平成17年
(2005年)
平成22年
(2010年)
平成27年
(2015年)
平成32年
(2020年)
平成37年
(2025年)
人口 1,826万人 2,204万人 2,539万人 2,874万人 3,277万人 3,456万人 3,473万人
割合 14.6% 17.4% 19.9% 22.5% 26.0% 27.8% 28.7%
出所: 平成7年、平成12年は国勢調査。平成17年以降は国立社会保障・人口問題研究所(平成14年1月推計(中位推計値))より
 
主要国の65歳以上人口割合の推移
国名 1960 1980 2000 2020 2040
日本 5.7% 9.1% 17.4% 27.8% 33.2%
アメリカ 9.2% 11.2% 12.5% 16.6% 21.5%
イギリス 11.7% 15.1% 16.0% 19.8% 25.0%
ドイツ 11.5% 15.6% 16.4% 21.6% 28.8%
フランス 11.6% 14.0 15.9% 20.1% 25.3%
スウェーデン 12.0% 16.3% 17.4% 23.1% 27.2%
資料: 日本の2000年までは国勢調査。2020年以降は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来人口推計・中位推計値(平成14年1月推計)」、諸外国は、U.N. "WORLD POPULATION PROSPECTS:1998"
出所: 日本は国立社会保障・人口問題研究所ホームページ、諸外国は平成12年版厚生白書
 
離島地域における高齢化の進展
 現在、本土と呼ばれる北海道、本州、四国、九州、沖縄本島の五島以外は離島と呼ばれ、離島振興法の指定地域の人口は47万人あまりである。
 離島振興対策実施地域の人口は、長期間にわたり減少を続けている。その減少率は昭和40年から昭和45年の12.1%をピークに、昭和50年以降も減少し続けている。平成7年から平成12年までの最近の5カ年では7.2%の減少となっており、全国や他の過疎地域等の地域と比較すると減少率が大きい。また、年齢階層別人口割合(平成12年国調)は14歳以下の年少人口は14.2%(全国14.6%)、15〜64歳までの生産年齢人口は56.4%(同67.9%)、65歳以上の老年人口は29.4%(同17.3%)となっている。なお平成7年度の国勢調査ベースでの65歳以上の人口割合は24.9%であった。
 
(平成12年度国勢調査)
  人口/人 高齢化率
離島地域 472,312 29.4%
全国 126,925,843 17.3%
出所: 離島統計年報 国勢調査(総務省)
 
 離島航路の旅客船全体の輸送人員に占める割合は、47%となっており、海上交通分野における離島航路は極めて重要な位置づけとなっている。
 
航路区分 輸送人員 輸送人キロ
実数/千人 比率 実数/千人・km 比率
旅客船等 108,800 100% 3,893,000 100%
うち離島航路 51,400 47% 1,195,000 31%
出所: 国土交通省資料(平成16年度)
 
離島と〜本土の外出頻度と目的
 特に、海上交通の利用の多い瀬戸内について調査した資料(離島住民の暮らしと地域振興に関する調査―平成8年(財)日本離島センター)によると、瀬戸内海の離島から本土へ行く頻度は全国の離島の頻度に比較して高く、「ほぼ毎日」、「週に1〜2回」だけで約7割(全国:同約3割)を占めている。また、瀬戸内海の離島から本土へ出かける目的としては、病院や買い物といった生活に密着した目的が約半分を占めている。
 
本土へ出かける頻度
注) 内近離島:対本土時間、人口に係わらず、原則的として瀬戸内海及び外界の湾内などに位置する島
出所: 離島住民の暮らしと地域振興に関する調査 報告書
(平成8年3月(財)日本離島センター)
 
 
内近離島の住民が本土へ出かける目的
注) 内近離島:対本土時間、人口に係わらず、原則的として瀬戸内海及び外界の湾内などに位置する島
出所: 離島住民の暮らしと地域振興に関する調査 報告書
(平成8年3月(財)日本離島センター)
 
著しい過疎化と高齢化の進展
 また、著しい過疎化と高齢化の進展のある山口県の離島において見てみると、人口は、昭和50年以降、例外的な時期はありますが、各島ともほぼ一貫して減少を続けており、離島総人口について、平成12年と昭和50年の国勢調査の結果を比較して見ると、半分以下に減少している。また、昭和50年の国勢調査から始めて、それぞれ5年ごとの期間で増減をみた場合も、マイナス10%からマイナス15%の大幅な減少を示している。
 また、各島とも高齢化の進展は著しく、平成12年の国勢調査による県内離島地域の高齢者人口比率は46.8%と、山口県全体の22.2%と比べて、ほぼ倍の高率となっています。
 近い将来我が国の人口が減少に転じるといわれている中、離島地域における過疎化と高齢化は、今後も避け難いものとみられる。
 
山口県内の人口・高齢化の推移
区分 昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年
人口 12,171 10,548 9,205 7,898 6,960 5,817
高齢者人口比率(%) 24.1 29.9 38.6 46.8
平成14年4月1日時点で離島振興対策実施地域として指定がある有人離島をベースに、各国勢調査による数値を基に算定したもの
 
2)身体障害者
・厚生労働省の調査によると、平成13年現在の身体障害児・者数は約351.6万人で、在宅者が約332.7万人、施設入所者が約18.9万人となっている。18歳以上の在宅者について障害の種類別に見ると、視覚障害が約30.1万人、聴覚・言語障害が約34.6万人、肢体不自由が約174.9万人、内部障害が約84.9万人となっている。
 
身体障害児・者数
項目 総数 在宅者数 施設入所者数
身体障害児(18歳未満)*1 9.0万人 8.2万人 0.8万人
身体障害者(18歳以上)*2 342.6万人 324.5万人 18.1万人
合計 351.6万人 332.7万人 18.9万人
出所: 厚生労働省「身体障害児・者実態調査」(平成13年)
*1 在宅者:厚生労働省「身体障害児実態調査」(平成13年)
施設入所者:厚生労働省「社会福祉施設等調査」(平成12年)等
*2 在宅者:厚生労働省「身体障害者実態調査」(平成13年)
施設入所者:厚生労働省「社会福祉施設等調査」(平成12年)等
 
3)知的障害者
・厚生労働省の調査によると、平成12年現在の知的障害児・者数(在宅者)は約33万人となっている。
 
障害の程度別知的障害児・者数(在宅者)
障害の程度 最重度 重度 中度 軽度 不詳 合計
18歳未満 17,800人 30,700人 17,800人 18,300人 9,000人 93,600人
18歳以上 26,700人 59,700人 57,400人 52,100人 25,300人 221,200人
不詳 1,000人 2,200人 2,400人 2,800人 6,000人 14,400人
合計 45,500人 92,600人 77,600人 73,200人 40,300人 329,200人
出所: 平成13年版障害者白書
厚生労働省「知的障害児(者)基礎調査」(平成12年)
 
4)妊産婦・けが人
・厚生労働省の調査によると、平成10年度における、けがや、やけどによる通院者数は約140万人、妊産婦は約30万人である。
 
妊産婦・けが人の数(傷病等別にみた通院者数)
傷病等の種別 人数
骨折 約62万人
骨折以外のけが・やけど 約76万人
妊婦・産褥 約31万人
出所: 平成10年度、厚生省国民生活基礎調査
 
5)外国人
・法務省統計資料によると、平成12年の外国人入国者数は約530万人である。
・国籍別では、韓国が最も多く約130万人、次いで台湾(約90万人)、アメリカ(約80万人)、中国(約40万人)の順となっている。この順は平成2年以降変わっていない。







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