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解剖学への招待

 事業名 篤志献体の普及啓発
 団体名 日本篤志献体協会 注目度注目度5


■挨拶
コメディカルの解剖学教育について
順天堂大学医学部解剖学第一講座教授 坂井建雄
 献体をめぐる状況は、ここ十年ほどの間に、大きく変わってきました。無条件・無報酬で医学のために身体を捧げるという献体の精神と意義が広く知られるようになり、献体登録者が大幅に増加しています。全国のどこの大学でも、系統解剖のためのご遺体が献体によってほぼまかなわれるようになりました。篤志解剖全国連合会という、献体についての全国的な会では、献体が過剰になるのでは、という心配すらしています。
 医学を支える人たちも、実は医者だけではありません。看護師などの職種は昔からありましたが、最近では臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、臨床工学士など、さまざまな職種の人たちが協力して、医療を支えています。こういった、医療を支える職種のことを、コメディカルといいます。現代のチーム医療は、コメディカルの人たちの協力がなくては成り立ちません。そしてコメディカルの人たちの教育でも、人体の構造を学ぶ解剖学は、基本中の基本です。順天堂でも、どこの医学部でも、昔から看護学校の学生が人体解剖の見学にやってきて、内臓や神経などを実際に手にとって学ばせていただき、さらにご自分の身体を捧げる献体者のお気持ちを受け止めて、患者さんの健康と生命を守る仕事の責任の大きさを、身をもって感じ取っていきます。さらに、理学療法士や作業療法士などの職種では、実際にメスとピンセットを使って人体解剖を経験するのが望ましい職種もあります。
 順天堂の解剖実習室では、何校かの看護学校から解剖見学を受け入れてきました。また順天堂での医学教育の向上のために、学内の教職員と大学院生が人体解剖を学ぶ解剖実習セミナーを、ほぼ二年に一度の割合で行ってきました。こういった解剖見学や解剖実習セミナーについては、白梅会の総会でも繰り返しお話ししてきましたが、やはり会員のみなさんにコメディカルの解剖学教育にも献体によるご遺体を使わせていただくことに、是非ご理解をいただきたいと思います。もしこのことについて疑問やご不満がおありでしたら、解剖学教室までお問い合わせください。あくまでも、コメディカルの教育についても納得していただいた上で、献体をしていただくようにしたいと思っております。
(白梅会会報第87号より)
 
質問1
 献体登録は臓器移植提供者は、できないとうかがっておりますが、献体登録者の中には必ずや臓器提供者が存在しているものと思います。志としては一緒の様な気がしますので・・・。実際のところはどういう規約になっているのか、知りたいと思います。多くの献体登録者が、疑問を持っているのではと思いますので。
 
答 順天堂大学医学部解剖学第一講座教授 坂井建雄
 献体登録をすることも、臓器提供のドナー登録をすることも、どちらも、自分が亡くなった後のご自分の身体を、医学・医療のために役立てたいという意思をお示しいただくことになります。献体のためには、全身をそのままご提供いただくのが大前提です。一部の臓器を取り出したり、病理解剖を行ったりすると、保存処置を行うことができなくなるので、献体をお断りしています。
 しかし臓器提供のドナー登録をしていただいても、必ずしも死後のお身体から臓器提供をしていただけるとは限りません。臓器提供のための条件が厳しく、せっかくドナー登録をしていただいても、臓器を移植に役立てることができない方が、きわめて多いのが実情です。臓器提供をされない場合には、献体が可能になります。そういう事情を考慮して、臓器提供のドナー登録と献体の登録の両方をされることには、とくに反対はしておりませんし、制限もしておりません。ただ、亡くなられてから後に、臓器提供をされた場合には献体ができなくなるということは、ご本人にもまたご家族にも、十分にご理解していただく必要があります。その関係がやや複雑で、献体登録者やご家族の方が混乱される心配もあるので、両方の登録をされるのを、あまりお勧めしていないのが実情です。事情をご理解いただけると幸いです。
 
質問2
 身体障害者の方々には過去登録者が実際いらっしゃるのか、広く門戸は開かれているのか疑問です。身体障害者の中には今後医学の発展の為に献体が必要と思われている方々も大勢いらっしゃると思います。また情報が広く行き渡っているのかという点においても心配です。そこらへんのところもどうぞお知らせください。
 
答 順天堂大学医学部解剖学第一講座教授 坂井建雄
 献体登録をしていただくときに、これまでに受けた手術とか身体の状態などを書いていただくことになっております。しかしその内容によって献体登録を制限するようなことはしておりません。また献体登録をしていただいてから実際に献体して頂くまでの長い年月の間に、身体にもいろいろな不具合が生じてきます。献体としてお預かりするご遺体のご様子は、様々です。胃腸に大きな手術をされて、お腹の内臓が癒着された方や、手足が不自由になられて手足が曲がった状態で動かない方もいらっしゃいます。なるべくそういった不具合のないご遺体の方が、学生にとって解剖しやすく、ありがたいのですが、さまざまな不具合のあるお身体も、何十年かの人生を歩まれてきた一つの姿であると、心を込めて解剖し学ばせていただくようにと、学生たちを指導しています。身体障害者といっても、その程度は様々だと思います。特に身体障害を理由に、献体登録をお断りすることはありませんので、その点ご安心ください。







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更新日: 2019年8月10日

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