II
展帆
海につどい船に学び、木の文化を知る 2004
サン・ファン・バウティスタ 展帆ボランティア養成講習会及び展帆実施事業
1 目的
平成15年度にサン・ファン・バウティスタ進水10周年を記念して、9年ぶりに展帆を実施した。実施後、多くの皆様から継続的な展帆実施を要望する意見が多数寄せられ、本年度も日本財団の助成を受けて実施するはこびとなった。実施に係る安全基準の作成については、すでに平成14年度に調査研究会を立ち上げ、展帆実施のための諸条件を決定しているところである。また、長年の懸案であった展帆ボランティアの養成を図りつつ、「海事思想の普及」と「海につどい船に学び、木の文化を知る」事業を推進する。
2 実施
展帆ボランティア養成講習会
(1)ボランティアチームリーダー会議
平成16年6月12日(土)
参加人員 5名 今井常夫 (講師)
西條允敏 (昨年度展帆請負業者生産部長)
小笠原秀一 (サン・ファン友の会代表幹事)
阪本 昇 (富山商船大OB)
西田健一 (石巻海事事務所)
菊池益夫 (石巻ヨットクラブ)
協議内容 ボランティアの募集方法
講習会計画案の検討
展帆ボランティアマニュアルの検討
(2)ボランティア養成講習会
平成16年8月29日(日) 11:00〜15:00
参加人員 25名
講習内容 講義 「帆船の歴史」
講義 「サン・ファン・バウティスタの各部名称と機能」
実技 「ロープワーク」
平成16年9月26日(日) 11:00〜15:00
参加人員 28名
講習内容 船上講習 「サン・ファン・バウティスタの各部名称と機能」
講義 「展帆実施要領説明」
船上実技 「ロープワーク」
(3)展帆準備作業
平成16年10月5日(火)
作業内容 ダミーセイルの取り外し、本セイルの取り付け
従事者 請負業者 (株)ヤマニシ
平成16年10月9日(土)
作業内容 予行演習(メインマスト セイル)
従事者 ボランティア・請負業者
台風22号接近のため中止
(4)展帆実施
平成16年10月10日
天候 霧雨時々くもり
風向 北東
風速 1〜8m
展帆作業時間 8:15〜10:45
絞帆作業時間 15:00〜16:30
展示時間 10:45〜15:00
従事者 ボランティア 24名 請負業者 24名 計48名
平成16年10月11日
天候 くもり後晴れ
風向 南東
風速 0〜3m
展帆作業時間 8:15〜9:15
絞帆作業時間 15:00〜16:00
展示時間 9:15〜15:00
従事者 ボランティア 24名 請負業者 24名 計48名
(5)ヨット体験試乗
平成16年10月11日 13:00〜14:00
試乗者 ボランティア 24名
指導者 石巻ヨットクラブ 4名
(6)撤収作業
平成16年10月12日(火)
作業内容 本セイルの取り外し・格納、ダミーセイルの取り付け
従事者 請負業者
3 結果
展帆初日は霧雨模様、2日目は曇りのち晴れの天候にもかかわらず、約6,000人の来場者があり、特別展「航海の技術」と合わせて、多くの皆様に木造帆船の醍醐味を満喫していただいた。
また、ボランティアの活躍に、ご来場いただいた皆様から大きな拍手を受け、満足感と充実感を得た活動であった。ボランティアからは、継続的な実施と総展帆を期待する意見・要望が多数寄せられた。
4 今後
当ミュージアムは、平成18年度に開館10周年を迎えることから総展帆を目標に今回参加した展帆ボランティアを核に、更に30名程度のボランティア養成しつつ、展帆を継続的に実施する方向で検討している。
サン・ファン・バウティスタ展帆ボランティア登録者名簿
番号 |
氏名 |
性別 |
職業 |
年齢 |
居住地 |
1 |
阪本 昇 |
男 |
会社員 |
40代 |
石巻市 |
2 |
千葉五郎 |
男 |
農業 |
50代 |
北上町 |
3 |
荒川元一 |
男 |
会社役員 |
40代 |
石巻市 |
4 |
相澤 龍 |
男 |
高校生 |
10代 |
石巻市 |
5 |
亀山善治 |
男 |
無職 |
60代 |
石巻市 |
6 |
馬場勝衛 |
男 |
無職 |
60代 |
石巻市 |
7 |
熊谷祐吉 |
男 |
無職 |
60代 |
石巻市 |
8 |
山田公子 |
女 |
会社員 |
60代 |
松島町 |
9 |
岸和田篤 |
男 |
会社員 |
40代 |
石巻市 |
10 |
三浦幸夫 |
男 |
自営業 |
50代 |
石巻市 |
11 |
齋藤岑生 |
男 |
無職 |
70代 |
鳴瀬町 |
12 |
阿部知佳子 |
女 |
高校生 |
10代 |
多賀城市 |
13 |
福島善克 |
男 |
自営業 |
30代 |
石巻市 |
14 |
内海 博 |
男 |
無職 |
50代 |
石巻市 |
15 |
長田晃明 |
男 |
教員 |
30代 |
松島町 |
16 |
伊妻政二 |
男 |
無職 |
60代 |
石巻市 |
17 |
岡原英二 |
男 |
会社員 |
50代 |
仙台市 |
18 |
千葉敏彦 |
男 |
農業 |
40代 |
中田町 |
19 |
尾形たけ美 |
女 |
高校生 |
10代 |
石巻市 |
20 |
杉浦 誠 |
男 |
公務員 |
30代 |
石巻市 |
21 |
河村浩佳 |
男 |
公務員 |
40代 |
仙台市 |
22 |
梶原慶人 |
男 |
高校生 |
10代 |
矢本町 |
23 |
外村直也 |
男 |
高校生 |
10代 |
仙台市 |
24 |
辺見辰也 |
男 |
高校生 |
10代 |
牡鹿町 |
25 |
小笠原秀一 |
男 |
自営業 |
50代 |
石巻市 |
26 |
伊沢喜三雄 |
男 |
無職 |
60代 |
石巻市 |
27 |
佐藤俊一 |
男 |
無職 |
60代 |
石巻市 |
28 |
佐藤完壽 |
男 |
公務員 |
40代 |
石巻市 |
29 |
鈴木岩太郎 |
男 |
無職 |
60代 |
気仙沼市 |
30 |
津田久人 |
男 |
無職 |
60代 |
石巻市 |
31 |
伊藤芳博 |
男 |
会社員 |
50代 |
石巻市 |
32 |
木村義信 |
男 |
会社員 |
40代 |
石巻市 |
33 |
菊地益夫 |
男 |
自営業 |
50代 |
石巻市 |
34 |
西田健一 |
男 |
公務員 |
30代 |
石巻市 |
|
阪本 昇(40代 会社員:石巻市)
事前講習会では、ロープワークの時間よりビレイピンの位置、そのロープの役割を現場で説明する時間を多くした方が、動きがよりスムーズになると思います。
展帆作業の説明を館内放送してはどうでしょうか。
展帆の写真コンクールを開いてはどうでしょうか。
380年前にタイムスリップでき、また、若い頃に戻ることができ、何とも言えない気持ちになり、大変感謝しております。ありがとうございました。
千葉 五郎(50代 農業:北上町)
先ず、このような素晴らしい企画を立てて頂いた事に感謝します。あの募集記事を見なければ、この様な貴重な体験をする事もできずに一生を終わっていたでしょう。
希望者が予想外に少なかったのに、少しがっかりしました。高校生・大学生がもう少し希望者があると思っていました。
実施にあたっては、ネームプレートの作成をお願いしたいと思います。昨今は、情報管理の面からか、名簿の作成は控えているのかとは思いますが、私個人としては、年齢・住所ぐらいはあった方がいいと思います。
来年は、新石巻市が誕生し、新たな市としてスタートします。それを祝する意味でも、サン・ファン号も、すべての帆を上げて船出を祝して頂きたいと思います。
このボランティアの輪を少しでも広げるように私も努力したいと思います。
荒川 元一(40代 会社役員:石巻市)
展帆に関しては、大変興味深い体験を致しました。講習会も内容が充実していて、わかりやすく良かったと思います。このようなことに沢山の人が参加し、また継続されるよう希望します。
船を走らせることは物理的に不可能でしょうが、展帆や船の補修などいろいろな部分でボランティアが参加できる機会が増えれば、船もより市民の愛着が集まると思います。
相澤 龍(10代 高校生:石巻市)
今回の展帆ボランティアに参加して思ったことは、講習会と講習会の間が長かったように思いました。なかなか経験できないことが経験できたので楽しかったです。
船のことについて知らなかったことが分かったので、本当にためになりました。
この楽しいことをもっと知ってもらいたいので、毎年、大きく広告してもらいたいです。来年も参加できれば参加したいです。
山田 公子(60代 会社員:松島町)
めずらしい展帆ボランティアのアイディアのおかげで、楽しい貴重な催しに参加させていただき、ありがとうございました。
二日間の講義がよかったですね。ボランティアマニュアルのご立派な資料とともに今井常夫先生の「帆船の歴史」は、聞き応えのあるもったいないほどのご講義でした。
ご著書の紹介のおかげで私の年代では気が付かない「○○になるには」シリーズに出会えました。高校生やこれからの若い人に早速話しました。貴ミュージアムの先生方の「船」に関するシリーズ講座もあればいいですね。その折は、是非今井常夫先生の世界の帆船等も入っていればと思います。感想が希望になってしまいましたが、インパクトある今井先生のご講義が今回の大きな思いがけない喜びとなっています。
今回の行事に参加させていただき、ミュージアムは通り過ぎながらの見学場所でなくなりました。「帆が張ってある船」ではないミュージアムでの重い大きな文化のささえが伝わってまいりました。
その都度、出席に関するお葉書ありがとうございます。大変なお手数でしたでしょう。いただく60歳代の参加者にとりましては、約束が家では公となりますので、何よりの協力を無言で貰えました。お陰で気苦労なく通えましたことに感謝しております。
お昼のご心配まであり、申し訳なく思っています。美味なる弁当、立派なメニューでした。改めて石巻の食に対するこだわりにも触れたひとときでした。昼は持参しますから、その分で船に関するレクチャー拝聴したく思います。
スタッフ先生方のお気遣いに頭が下がるおもいでした。誠にありがとうございました。
三浦 幸夫(50代 電気工事業:石巻市)
9日の台風前の雨で、だいぶ段取りに忙しかったと思います。私は、風の影響で中止と思っていましたが、決行の連絡を受け、当日、半信半疑でやってきました。サン・ファン館は、私がガンにかかる2年前に電気工事で仕事をしましたので、その時の苦労などを思い出し、懐かしく思いました。
来年も出来ることなら、是非、参加し盛り上げたいと思います。毎年これを続けられたら良いなと思います。ありがとうございました。
齋藤 岑生(70代無職:鳴瀬町)
一つの展帆事業を再現するに当たり、関係機関が連携し、それぞれの責任部署が相互に緊密な配慮があって達成される難しいイベントの一つではなかったかと思います。そこには長期にわたっての準備、当日の気象状況等に、一面、非常に左右されやすい行事であることも、ボランティア参加の一員として、終了時に改めて感じさせられました。
突然のヨット試乗体験は、展帆という事業にご縁があってのこと、生涯の良き思い出の一コマとなりました。ありがとうございました。
18年に全部の展帆を企画されておられるとのことですが、事前に相当期間の効果的な宣伝も一つかと思います。
作業帽を着帽中に「アゴひも」が、すぐ緩くなるので単純な「ひも結び」式にした方が作業中に手直ししないで済むようです。(他の人も大方ぶらぶら見受けられました。)
帽子内側のポリエチレン製部分は、衝撃を和らげる空間構造となっておりますが、ポリの重心が上側となるためか、頭の形状と合わないと着帽が不安定となるようです。
この程度の安全帽でしたら「内装」の構造・材質を硬質スポンジ又は太めの繊維網でも衝撃は吸収されると思います。ただし、重要な「保護帽体」は、現状のままで良いかと思います。
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