日本財団 図書館


平成16年10月23日 石巻日日新聞
 
平成16年10月24日 石巻かほく
 
(1)はじめに
 当ミュージアムは、今から390余年前、ヨーロッパに渡った仙台藩士支倉常長ら慶長使節を乗せて太平洋を2往復した木造帆船「サン・ファン・バウティスタ」の復元船を展示の核に、慶長遣欧使節の歴史や大航海時代の帆船文化を映像やロボットそしてシミュレーターなど先端の技術を駆使して、楽しく学べる博物館づくりに、そして何よりご来館いただく皆様方のニーズにおこたえできるよう日々つとめています。また「学校週五日制」の導入や「総合的学習の時間」の実施という、近年の学校教育の潮流に即応し、また当ミュージアム・アンケート調査によるご家庭からの要望にお答えすべく、サン・ファン館では、「2005年サン・ファン館の体験学習」と題し、「海」・「船」そして「木」をキーワードに、各種の体験学習の機会を設け、数多くの児童・生徒の皆さんに提供してゆきたいと考え、以下のとおり体験学習に向けての計画を立てています。
 
(1)「海につどい船に学び木の文化を知る 海のひろさに勇気を、船のすばらしさに夢を、木のぬくもりにやさしさを学んでください〜」
 
体験学講座
実施日程(予定)
参加費
募集定員
タイトル 概要
5月3・4・5日
3日間
募集80人/日
木造船体験講座 VOL.1
〜船乗りたちの生活体験〜
 船の甲板や船体の浸水などを防ぐ伝統的な船大工の技術「ハダ打ち体験」や、船乗りたちの生活の一端として「キャプスタン(人力ウインチ)を使っての綱引き」や「ロープ結び」、復元船サン・ファン・バウティスタの船上で「マスト登り」を体験する。
6月12日(日)
募集20名
クラフトマン船体験講座 VOL.1
〜ボトルシップ製作講習会〜
 専門の指導者(東日本ボトルシップ愛好会・代表:新明國由他)を招き、船乗りたちの間で始まったボトルシップ作り(空き瓶の中に船の模型を作る)を体験する。
7月18日
(海の日)
募集20名
船人シップ講座 VOL.1
〜ミニヨット体験〜
 オプティミスト・ディンギー(ミニヨット)を使用して、ヨットの帆走に付いて体験的に学び、あわせて、様々な海洋技術を学びながら、自ら自然と親しむことを目的とする。
7月31日(日)
募集20名
<NEW>
船人シップ講座 VOL.2
〜伝馬船、櫓漕ぎ体験〜
 平成16年度建造の木造伝馬船を使用して、失われつつある伝統的な和船操船の技を体験し、木造船文化の継承を目的とする。
8月6・7日
2日間
募集80人/日
木造船体験講座 VOL.2
〜船乗りたちの生活体験〜
 船の甲板や船体の浸水などを防ぐ伝統的な船大工の技術「ハダ打ち体験」や、船乗りたちの生活の一端として「キャプスタン(人力ウインチ)を使っての綱引き」や「ロープ結び」、復元船サン・ファン・バウティスタの船上で「マ
8月14日(日)
募集30名
クラフトマン船体験講座 VOL.2
〜木工教室〜
 実際のノミやカンナなどの大工道具を使用して、ボートやヨットなど木を使った工作を行う。
8月21日(日)
募集20名
クラフトマン船体験講座 VOL.3
〜流木で工作教室〜
 サンファン感謝デーとタイアップ(予定「ものづくりフェスタ」)海から流れ着いた流木などに色づけなどをして簡単な部屋飾りなどをつくる。
9月18日(日)
募集20名
クラフトマン船体験講座 VOL.4
〜木の不思議発見木材の性質の体験実験〜
 復元船サン・ファン・バウティスタの外板の曲線を作り出すために使用する大型の蒸し釜を使用して、硬い木材が小さな力でも簡単に曲がるようになるという性質を実験で体感する。
 
(2)"博物館は教室だ"(学校・学級等の単位で随時受付)
 この「"博物館は教室だ"」は、平成16年度より当ミュージアムで実施してきた幼稚園・小学校・中学校の園児・児童・生徒の皆さんが、遠足・修学旅行等で当ミュージアムに来館される際や、総合的学習の時間やその他学習活動で当ミュージアムをご利用いただく際に、通常の観覧のほかに提供する教育プログラムです。具体的なプログラム内容を事前に当ミュージアムとご来館いただく学校等の先生方との間で協議を重ねながら、参加する園児・児童・生徒の皆さんに合わせて教育プログラムを作成し提供していくものです。つまり、内容は参加する子供たちの興味や関心、学校や先生方の教育計画に合わせて柔軟に、そして幅広く創っていくことのできるシステムです。
 このシステムは、昨今の一連の教育改革の中で示された「新しい学力観」という考え方、自己教育力の育成を主眼として、これまでの知識・技術重視から関心・意欲、思考力、判断力、表現力を学力として育てていく方向へ対応するものと考えています。従来の学校教育と博物館等の学校外の教育が、それぞれ互いに個別に実施してきた教育方法に「融合」という質的な転換が求められてきていることへの対応と言ってもよいでしょう。
 そこで、このシステムは当ミュージアムでは、小学校・中学校等の先生方と一緒に、学校における「総合的学習の時間」の充実のみならず、一般教科の授業の充実を目的として、学校教育機能と博物館における教育機能(社会教育機能)を連携・融合させた新しい教育課題や教育プログラムを作成し、一歩踏み込んだ教育内容を子供たちへの提供することを目的としています。







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