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4.2.2 実測値との検証
 T9119、T9918では、苅田港において波高・周期・風速を観測している。超音波式波高計は、2時間毎に観測をしている。風向風速に関しては、同地点で海面上9mで観測をおこなっている。波浪推算から求めた推算値と実測値を比較した図を図4-2-3に示す。
 
図4-2-3  波高計実測値と波浪推算値の比較(上段:T9119、下段:T9918)
 
 
 いずれの場合も高波浪時には、推算値が実測値に比べ、低めに出る傾向があることがわかる。
 
4.2.3 気象モデルでの波浪推算
 従来の方法(傾度風モデル+マイヤーズの式)では、マスコンを利用して地形を考慮しているが、複雑な地形においては、再現をすることが難しい。そこで、別途研究テーマ(平成16年度「台風時の内湾海上風推算の研究」)でおこなわれている気象モデルによる海上風推算値を利用して、波浪推算をおこなった。
 用いた気象モデルは、ペンシルバニア州立大学と米国大気科学センターにより開発されたメソ気象モデルMM5である。初期値は、気象庁発行の領域客観解析データ(RANAL)を用い、メソ気象モデルMM5を実行させ、海上風を算出した。
 対象とした擾乱はT9918の1事例である。この海上風を入力値として波浪推算をおこなった。
 その結果を図4-2-4に示す。また、実測値との比較を図4-2-5に示す。
 
台風9918号(気象モデルによる海上風を入力)
 
図4-2-4(a) 風速・波高・周期の時系列(T9918; 周防灘海域)
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