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実験 放射線強度
目的 透過力の強いγ線源を用いて、放射能強度が距離と共に弱まることを測定によって確かめる。
 
準備するもの
・γ線源 ・GM計数管 ・スケーラ
・線源支持台
 
手順
(1)周りに何も物を置いていない机上の比較的広い空間に、GM計数管を置き、まずバックグラウンドを測定する。
(2)γ線源を机上の中心に置き、GM計数管を初めに線源から5cm離して放射能測定を行う。
(3)距離を2cmずつ離してゆき30cm離れるまでの各位置での放射能を測定する。
 
GM計数装置の1例
 
考察
(1)GM計数管の各位置での測定値からバックグラウンドを差し引いた値と、線源と計数管の距離(r)の逆2乗(1/r2)の関係を方眼紙に書き、直線になっているかどうかを確かめてみよう。直線性は実験室の広さ、室内の配置物の状況等により成り立たないこともあるので、直線性が成り立たない場合はその理由を考えてみよう。
 
γ線の距離の逆2乗則の測定例
 
(2)直線性が成り立っている場合には、机上の線源近くに鉄板等の異物を置いて(3)の実験を行い、直線性がいかにくずれるかを観察しなさい。
 
応用
 放射線源が点状でないとき、例えば5〜6cm離れて2つの線源がある場合にはどうなるかを考えてみよう。
 
 
 
目的 放射線は直接目で見ることはできないが、アルコールの蒸気を満たした霧箱を使えば、飛行機雲のような飛跡として観察することができる。そこで霧箱を用いて宇宙線やウラン鉱物などからの放射線を観察する。
 
準備するもの
・霧箱 ・ドライアイス ・手袋
・エチルアルコール ・フェルト布
・懐中電灯 ・放射性鉱物
 
手順
(1)平らな机上に図のように霧箱をセットする。ドライアイスは平板上のもの(2kg程度)で、箱の底部に密着するように置く。
 
霧箱
(第29回 理工学における同位元素研究発表会(平成4年)要旨集P228)
 
(2)上のふたをはずし、上のフェルト布にエチルアルコールを十分浸み込ませる。
 
(3)霧箱内に放射線源をセットし、しばらく待つ。
 
(4)懐中電灯で中を照らしながら、細かい霧の中に、時折白い飛跡が飛ぶのを観察する。
 
ウラン鉱石からの放射線の飛跡
 
考察
(1)宇宙線や各種の放射性鉱物から出る放射線の飛跡を観察し、図に書き表わし、それらの違いを比較しなさい。
(2)放射線にはα線、β線、γ線などがあるが、飛跡はどのようになると考えられますか。
 
応用
 各種の放射性鉱物から出る放射線の飛跡を上部から写真撮影してみよう。







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