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琵琶湖岸を走る鉄道ローカル線の活性化に関する調査 報告書

 事業名 海岸線のローカル線を活用した地域交通の促進に関する調査
 団体名 関西交通経済研究センター  


3. ヒアリング調査
(1)鉄道事業者ヒアリング概要
 対象3線の事業者に、現在の取組状況や課題などをヒアリングした結果を以下に示す。
 
<近江鉄道>
 
(1)事業の概要について
・創業は明治29年で歴史は100年を超える。総延長は59.5km、従業員は85名、車両は75両、駅数は30で、ほとんどが無人駅となっている。
・乗客はピーク時の25%にまで減少しており、平成15年度は371万人となっている。
・収入は平成15年度で9億2千万円で、前年度から若干増加したが、内訳は雑収入で、運賃収入は減少傾向にあり、採算面で苦慮している。
・増収対策として、「ビール列車」、「サイクルトレイン」、「クリスマストレイン」などのイベント列車を運行している。
 
(2)利用促進方策について
・利用者ニーズの的確な把握と積極的な施策により、新たな需要の創出につとめることとしている。
・平成16年3月末に近江八幡駅にエレベーター、尼子駅前にロータリーなど、旅客サービス施設が完成している。
・新駅の開業(平成16年3月13日・河辺の森駅)があり、県や沿線自治体の支援を得て旅客誘致に努めている。
・土日に乗り放題の「サンサンきっぷ」など各種企画乗車券を発売し、そのPRを推進している。
・びわこ京阪奈線(仮称)鉄道建設期成同盟会で、新線構想の沿線住民へのPRと啓発を目的とした「びわこ京阪奈フリーきっぷ」(近江鉄道と信楽高原鐵道との共通フリーきっぷ)の発売協力を得ており、成果が得られるよう努めたい。
・その他、沿線の観光地のPR及び魅力的な商品づくり、JR西日本等との連絡運転の実施を積極的に推進したい。
 
(3)現在の人の流れ(導線)及び観光誘致等に対する考え方
・沿線高校への通学生とJR接続駅から京阪神地区への通勤客が多数を占める。
・観光地としては、多賀大社、湖東三山、永源寺、五個荘、近江八幡、日野、城下町彦根などがある。しかし、観光客の利用は季節的に偏っており、通年での利用とはなっていない。
・平成15年春からキャンペーンを実施し、尼子駅から湖東三山・永源寺を巡るシャトルバスを運行し、観光客誘致に努めたが、JR西日本との連絡乗車券の発売、JR東海の各駅へのPR等が功奏し、春秋71日の運行で約1万人の利用客があった。
・今後も、キャンペーンの強化と魅力的な商品提供に努めたい。
 
(4)バス・船等との連携
・平成15年4月から、尼子駅から湖東三山と永源寺を巡るシャトルバスを運行している。これに合わせて、電車とシャトルバス、湖東三山・永源寺拝観料を含めた割引乗車券を発売する等、関係者との連携を図っている。
・平成16年4月からは、「彦根1日フリーパス“福×2券”」(土日祝限定で、電車全線と彦根ご城下巡回バス、オーミマリンの乗船をセット)を発売し、各交通機関の利用者の共有が図られるよう関係者と連携し旅客誘致に努めている。
 
(5)滋賀県、沿線自治体等への要望事項
・機会ある毎に、会社の現状を説明し、鉄道の利用促進が図られるよう、協力を依頼している。
 
(6)今後の事業運営にあたっての課題等
・景気回復への先行き不透明感による就労人口の減少、少子化による学生人口の減少などが挙げられる。
・営業キロが59.5kmと長いため、保守費など経費面でもかなりの負担があり、収支を圧迫することが考えられる。
 
<信楽高原鐵道>
 
(1)事業の概要について
・昭和62年に営業開始。総延長は14.7km、駅数は6となっている。
・輸送人員は、平成11年から減少傾向が続いており、平成15年度は対前年99.4%の57.1万人となっている。
・平成15年度収入は1億2千万円で、ここ数年減少が続いている。
・「干支キップ」「来る福キップ」「70周年記念キップ」「桃太郎キップ」などの企画キップを発売している。
・「お茶席列車」「七夕コンサート列車」「サンタ列車」などのイベント列車を運行している。
 
(2)利用促進方策について
・従来から続けている企画キップの発売とイベント列車の運行に加え、JR西日本や沿線私鉄との相互協力により、1日フリーキップや催し物等の合同企画による利用促進を図りたい。
 
(3)現在の人の流れ(導線)及び観光誘致等に対する考え方
・信楽陶器まつり三大イベント及び春秋開催の駅前陶器市のPRと子供から大人までが親しめるようイベント内容の充実に努め、鉄道の利用促進を図る。
・観光を含めた県外からの鉄道利用者のほとんどは近畿圏からと思われるが、今後は信楽の観光みどころの発掘と情報発信により、JR東海のエリアを含めた観光客誘致も働きかけていきたい。
 
(4)バス・船等との連携
・平成16年10月から高原バスによる信楽駅発・多羅尾温泉行きの路線が新設され、鉄道利用者の増加が期待できるため、発行するパンフレット類にもこの案内表示等を行うことにより、これらと連携させていきたい。
 
(5)滋賀県、沿線自治体等への要望事項
・滋賀県及び沿線自治体が推進している「びわこ京阪奈線」の早期実現に向けて、尚一層のご努力をお願いしたい。
・また、公共交通機関として鉄道の利用促進についても、広く県民への啓発に取り組んで頂きたい。
 
(6)今後の事業運営にあたっての課題等
・少子高齢化に伴い年々鉄道利用者が減りつつある中で、色々な事業を展開しているが、目に見えた効果がないのが現状。今後は、従来の事業の見直しと共に、新規の事業展開として、JR東海エリアにも誘客活動を行い、利用推進をおし進めるものとする。
・平成16年10月からは郡内5町の合併により「甲賀市」となるため、市民の方々にも市の鉄道として親しみ利用してもらえるよう啓発も大切と考えている。
 
<西日本旅客鉄道>
 
(1)増収に向けた取り組み状況
・沿線の観光情報を発信していくため、アーバンエリアの主要駅に「電車でぐる〜っと琵琶湖」パンフレット立てを設置し、地元製作の観光情報やイベント情報などを記載したパンフレット・チラシを置いている。
・また平成16年7月1日には、滋賀県及びビジターズビューローとともに「びわこキャンペーン推進協議会」を発足させ、地元と一体となって着地素材の発掘、着地整備、ルート開発などを行っていく計画である。
 
(2)草津線の複線化について
・複線化は、大阪・京都への輸送力アップが主目的であり、中長期的に検討する課題であると認識している。
・草津線では乗車率が150%を超えているところもあり、複線化を検討すべき線ではあるが、複線化は費用がかかるため、費用対効果を考えて、例えば行き違い設備の増強など、段階的に取組むことも検討すべき事業である。
 
(3)信楽高原鐵道と近江鉄道の相互直通化について
・両鉄道を草津線を跨いで横断的に繋ぐのは難しい。
・ダイヤをきっちりして20分以内に接続することや、駅のバリアフリー化を進めるほうが先。相互直通のメリットは見えない。
 
(4)JRと2社との相互直通化について(貴生川駅)
・近江鉄道や信楽高原鐵道にはメリットがあるが、JRにはメリットや必然性は無い。
・相互乗入するなら4両編成が前提。この場合、車両追加費用の負担や輸送過剰が懸念される。
・草津線の運行実態を考えると、相互直通区間を4両で走らせる効果があるのか疑問。利用者が増えるとは思えない。また、近江鉄道の2両編成を草津線に入れることが利便性に繋がるかも疑問である。
・相互直通は都市圏での利便性向上の考え。全体の交通体系を考えると、京都・大阪への直通運転を考えるのが先である。草津線沿線は車利用の比重が高いので、もっと鉄道を利用してもらっていいと思える区間である。都市間輸送として考えていきたいと思っている。
・駅周辺のパークアンドライド・駅周辺整備・ひろばづくり等でまちづくりに貢献していきたい。また、ダイヤの工夫も必要と思う。
 
(5)JRと近江鉄道との相互直通化について(彦根駅)
・草津線より難しい。近江鉄道とは競合路線であり、相互直通のメリットは無い。起終点が同じ電車の場合、相互直通はありえない。
・新快速が走る幹線であり、草津線以上に乗り入れる車両タイプのハードルが高い。
 
(6)その他
・PRでの連携のアイデアはあるが、複線・新駅・相直は抵抗がある。
・バスでJR・近江鉄道・信楽鉄道をきっちり繋ぐのは有効だと思う。大きなバスはいらないだろう。
・沿線の町を活性化するには、駅をどうするかが先決。乗換え時間・バリアフリー化・周辺整備等が必要である。







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更新日: 2019年9月14日

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