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2 住宅地の足の確保、都市構造再編の促進
 産業構造の変化、都市構造変化に対応するために、あるいは促進するために鉄道整備をするということをやったわけです。特に臨海部がそういった課題をたくさんかかえています。例えば東京の副都心ですが、臨海部の埋立地を副都心にしようということで、ここに「ゆりかもめ」という新交通システムを作りまして、それから東京臨海鉄道が、今、大崎で山手線と相互直通して整備されたわけです。残念なことに、なかなかここの立地が進まないので、特に東京臨海鉄道はかなり経営が苦戦しているわけです。
 もうひとつ「ゆりかもめ」の方は、意外なことに、通勤客は事務所ができなかったからあまり増えてないんですけれど、観光客がたくさん乗ったわけです。ですから、なんとなく帳尻が合った感じになってます。
 
図6
 
 
 
 
3 幹線交通へのアクセス機能の向上
 幹線交通へのアクセス機能の向上ですが、ここでは空港アクセスをご紹介します。空港アクセスですが、戦前から、空港にアクセスする鉄道というのがあったのはベルリンですね。2路線あったと、なんかの本に書いてありました。戦後、最初はブリュッセルとかロンドン、ベルリンでアクセス鉄道が整備されたんですが、実はここに羽田空港というのがありまして、東京オリンピックの時にモノレールを作ったんです。これは世界的な模範ということで、いろいろ宣伝されましたが、その後、ヨーロッパでは空港にアクセス鉄道を作るということが推進されました。
 
図7
わが国でアクセス鉄道が整備されている空港
 
 日本はそれから1991年まで何にもしなかったわけです。この間非常に遅れをとりました。ですから、我々は逆に外国に行って、こういうのを見てきて「外国は素晴らしい。空港にすぐ行ける。」逆に外国の情報を日本に輸入してきたわけです。
 やっと、その辺に気がついて、成田とか新千歳とか福岡などで整備されまして、関空、さらには宮崎空港までこういうアクセス鉄道ができるようになりました。
 最近、欧州では、TGVという高速鉄道を空港に入れて、うまく空港と高速鉄道をつなぐということをやっています。日本では成田新幹線という素晴らしい構想があったんですけれど、頓挫してしまいまして、あれができていればシャルル・ドゴールなんて、めじゃなかったんですが。非常に残念でございます。
 日本でアクセス鉄道が整備されている空港というのは、そう多くはありません。つい最近、那覇にモノレールができましたから、今、工事してるのは名古屋、中部国際ですね。それから仙台空港、その2つであります。そして検討中というのは、広島、北九州市と高知です。







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